MENU

TOP


施術一覧

加工法・定着率– category –

脂肪注入・定着率加工法・定着率

脂肪注入豊胸を調べると、コンデンスリッチやピュアグラフトといった加工法の名前と定着率の数字がクリニックごとに並び、どれを基準に比べればよいか迷うものです。

定着率は、注入した脂肪が吸収されずに残った割合を指します。研究ごとに幅が大きく、測る時期や方法でも値が変わるため、加工法の名前だけで優劣は決められません。採取から注入、術後の過ごし方までの全体で結果が決まります。

数字の読み方を押さえたうえで、主な加工法の違いと、選ぶ前に確かめたいことを順に見ていきましょう。

定着率の数字は測る時期と方法で変わる

定着率とは、注入した脂肪のうち、吸収されずに残った割合です。手術直後の胸の大きさには腫れも含まれるため、そのまま最終的な量とはみなせません。

同じ測定条件かを確かめる

通常の脂肪注入の定着率は、23件の研究をまとめた結果、39〜76%と幅があったという報告もあります1)。

MRIや3D撮影など、測定方法によって算出する値に差が出ます。胸の体積増加は、一般的なMRIの測り方を検証した結果、実際の増加量より平均50.8%高く見積もられたという報告もあります2)。

クリニックが示す脂肪注入豊胸の効果と定着率の数字を見るときは、測定方法と、腫れや吸収が落ち着いた時期の値かを確かめましょう。別々の条件で得た数字の差は、加工法の優劣をそのまま表すものではありません。

脂肪注入の定着率を左右する4つの段階

脂肪注入豊胸で定着に関わる採取・加工・注入・術後の4段階を順に描いた図

加工は、採取から術後まで続く手術全体の一部分です。脂肪の状態だけでなく、注入先で血流を得られるかも残る量に関わります。

採取から術後までの流れ

  • 採取 … 部位と吸引の仕方を決め、必要な脂肪を集める
  • 加工 … 血液や油分、水分を分け、注入に使う脂肪を整える
  • 注入 … 胸の組織に合わせ、層と量、広げ方を調整する
  • 術後 … 喫煙を避け、胸を圧迫せず、急な減量をしない

脂肪豊胸を受ける前には、術後にバストが小さくなる原因と定着までの各段階を照らし合わせて計画を見直します。脂肪採取の部位や吸引時の扱い、加工、注入、術後の過ごし方という順で整理すると、準備すべき点が見えてきます。

脂肪注入の加工法|コンデンスリッチとピュアグラフトの違い

遠心分離、洗浄とろ過、細胞追加による脂肪の加工方法の違いを並べた図

主な違いは、不純物の分け方と細胞を追加するかどうかです。

処理の違いと比較研究の限界

実験室での比較やフィルター方式どうしの比較はあるものの、コンデンスリッチとピュアグラフトを乳房で直接比べ、定着率の差を確かめた研究はそろっていません。

加工法不純物の分け方量の計画への影響
コンデンスリッチ遠心分離採取した量より濃縮後に使える量は少ない
ピュアグラフト洗浄とろ過洗浄後に残る量をもとに注入量を考える
セリューション脂肪の処理に加えて細胞を分離注入量に対して必要な採取量が多くなる

コンデンスリッチは遠心分離で濃縮

コンデンスリッチ豊胸では、遠心分離で血液や油分、水分などの不純物を分け、脂肪を濃縮します。CRFとも呼び、注入する脂肪の状態を整える方法です。

ピュアグラフトは洗浄とろ過で処理

ピュアグラフト豊胸は、閉じた容器の中で特殊なフィルターを使って脂肪を洗浄し、濃縮する方法です。遠心分離を使わない点が特徴で、血液や余分な油分などを洗い流してから注入します。

セリューションは脂肪由来の細胞を追加

セリューション豊胸は、脂肪から幹細胞などを分離して加える注入術です。幹細胞はさまざまな細胞へ変化する能力を持ちますが、再生医療の研究で示された働きが、そのまま豊胸での定着を助ける効果を示すわけではありません。

再生医療に位置づけられるセリューション豊胸では、注入用とは別に幹細胞などを分離するための脂肪も必要です。23件の研究をまとめた結果、細胞分離に使う余分な脂肪は定着率の上昇では補えないという報告もあり、採取量が限られる方では課題となります1)。

脂肪注入の加工法を選ぶ前の確認事項

選択の出発点は、採れる脂肪量と希望する大きさです。特に痩せ型の方は、加工で減る分も含めた計画が必要になります。

診察で確かめる量と処理内容

  • 採取量 … 体型から無理なく採れる量と、加工後に使える量
  • 希望 … 1回で目指す大きさと、思ったより残らなかった場合に追加注入を受けられる条件や費用
  • 処理内容 … 取り除く成分と、細胞を追加する場合の理由
  • 経過確認 … 定着を測る時期と方法、合併症が起きた場合の受診先、術後の下着や寝方

脂肪注入の加工法を比べる際は、コンデンスリッチやピュアグラフトの名前に加え、その処理を選ぶ理由を医師に尋ねるとよいでしょう。カウンセリングでは「私の体型で採れる量だと、希望する大きさにどこまで近づけられますか」と聞いてください。

脂肪注入の定着率には加工に加え層と広げ方も関わる

胸の断面で、脂肪を複数の層へ少量ずつ分散する置き方と一か所に集中する置き方を比較した図

一度に多く入れるほど、残る量も増えるわけではありません。医師が胸の組織の状態に応じて、細い管で何か所にも分け、脂肪を少しずつ置く方法を検討します。

層と広げ方を考え、体型に合わせて量を調整

脂肪注入豊胸では、医師が乳腺の周りや筋肉など複数の層への配置を考え、一か所に集中しないよう広げます。注入量の目安も、体型や皮膚の伸びに合わせた調整が必要です。

大量注入と脂肪壊死によるしこりのリスク

脂肪が一か所に固まると血流を得にくくなり、脂肪壊死という脂肪が生き残れない状態につながります。大量注入と脂肪壊死の増加との関連を示した報告もあります3)。

脂肪注入後には、しこりや石灰化が生じるリスクがあります。

脂肪注入後の過ごし方と定着後の変化

脂肪注入後の腫れと残る脂肪量の変化を、3つの計量カップで時系列に示した図

術後は血流を妨げる行動を避けることが基本です。直後の腫れがある時期と、残った量を評価する時期では、胸の見え方も異なります。

喫煙と胸の圧迫を避ける生活

脂肪注入の定着率や注入後のバストの維持に配慮し、喫煙は避けましょう。術後ケアでは、脂肪を採った部位は圧迫しますが、注入した胸は強く圧迫しません。採取部位の圧迫と、胸を締め付けない下着や寝方は目的が異なります。

定着後の持続と体重による変化

体積は、28人をMRIで3年間追跡した結果、術後8か月で安定し、定着率は46%だったという報告もあります4)。脂肪注入の持続期間には個人差があり、この研究でも術後の体重減少は定着率の低下と関連していました。定着後も体重の変化に伴ってバストの量は動きます。

追加の注入は残った量を見てから

脂肪豊胸の2回目でボリュームアップを目指す場合、多くは術後3〜6か月を再評価の目安とします。その時点で必ず追加するのではなく、腫れや吸収の経過、残った量と再び採れる脂肪を評価して時期を決めます。

脂肪注入の定着率は高い数字を示す院ほどよいのですか?

数字だけでは判断できません。院が示す平均値は、自分に同じ結果が出るという意味ではありません。どのような体型の方を対象にした結果かによっても、自分の計画の参考になる範囲は異なります。

コンデンスリッチとピュアグラフトはどちらが定着しますか?

どちらが必ず上回るとは言い切れません。定着率は加工法だけでは決まらず、採取や注入の条件も結果に関わります。

脂肪注入に幹細胞を加えれば少ない脂肪でも豊胸できますか?

少ない採取量を補えるとは限りません。細胞を加える方法でも、採れる脂肪が少ない方に必ず適するわけではありません。

脂肪注入は多めに入れて吸収される分を補えますか?

吸収を見越して際限なく増やす方法は適切ではありません。胸の組織が受け入れられる量を超えると、脂肪が血流を得にくくなり、壊死などのリスクにつながります。

脂肪注入で定着した脂肪はずっと同じ大きさですか?

定着した脂肪は長く残りますが、胸の大きさが固定されるわけではありません。手術で得られた大きさが、その後も変化せず続くという意味ではありません。

名古屋のARIEL.BUST.CLINICでは、脂肪注入豊胸とコンデンスリッチファット豊胸の相談を受け付けています。脂肪吸引や注入、豊胸に特化し、形成外科専門医の視点から施術を検討します。

カウンセリングと施術は全て個室で行う完全予約制です。術前術後のエコー検査やLINEでの個別対応も行い、術後の経過を確認します。

脂肪注入豊胸をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

院長:石塚紀行

院長の石塚紀行は、日本形成外科学会専門医、日本美容外科学会専門医(JSAPS)で、コンデンスリッチファット療法認定医です。乳房再建の診療経験があり、脂肪注入による乳房増大術について学会発表も行っています。

2013年に獨協医科大学を卒業し、大学病院などの形成外科とTHE CLINICで診療に従事しました。2024年にARIEL.BUST.CLINICを開院し、院長に就任しています。

参考文献

1) Lutfi, D., & Turkof, E. (2020). Adipose-derived stem cell enrichment is counter-productive for the majority of women seeking primary aesthetic breast augmentation by autologous fat transfer: A systematic review. Journal of plastic, reconstructive & aesthetic surgery : JPRAS, 73(11), 2025-2032. https://doi.org/10.1016/j.bjps.2020.08.057

2) Herly, M., Müller, F. C., Ørholt, M., Hansen, J., Sværke, S., Hemmingsen, M. N., Rasmussen, B. S., Elberg, J. J., Drzewiecki, K. T., & Vester-Glowinski, P. V. (2019). The current gold standard breast volumetry technique seems to overestimate fat graft volume retention in the breast: A validation study. Journal of plastic, reconstructive & aesthetic surgery : JPRAS, 72(8), 1278-1284. https://doi.org/10.1016/j.bjps.2019.03.029

3) Chang, C. S., Lanni, M. A., Mirzabeigi, M. N., & Bucky, L. P. (2022). Large-Volume Fat Grafting: Identifying Risk Factors for Fat Necrosis. Plastic and reconstructive surgery, 150(5), 941e-949e. https://doi.org/10.1097/PRS.0000000000009655

4) Ørholt, M., Weltz, T. K., Hemmingsen, M. N., Larsen, A., Bak, E. E. F., Norlin, C. B., Hart, L., Elberg, J. J., Vester-Glowinski, P. V., & Herly, M. (2025). Long-Term Volume Retention of Breast Augmentation with Fat Grafting Depends on Weight Changes: A 3-Year Prospective Magnetic Resonance Imaging Study. Plastic and reconstructive surgery, 155(6), 947-954. https://doi.org/10.1097/PRS.0000000000011841

Ørholt, M., Larsen, A., Hemmingsen, M. N., Mirian, C., Zocchi, M. L., Vester-Glowinski, P. V., & Herly, M. (2020). Complications after Breast Augmentation with Fat Grafting: A Systematic Review. Plastic and reconstructive surgery, 145(3), 530e-537e. https://doi.org/10.1097/PRS.0000000000006569

Li, M., & Chen, C. (2021). The Efficacy of Cell-Assisted Lipotransfer Versus Conventional Lipotransfer in Breast Augmentation: A Systematic Review and Meta-Analysis. Aesthetic plastic surgery, 45(4), 1478-1486. https://doi.org/10.1007/s00266-020-02123-0

Fang, C., Patel, P., Li, H., Huang, L. T., Wan, H., Collins, S., Connell, T. L., & Xu, H. (2020). Physical, Biochemical, and Biologic Properties of Fat Graft Processed via Different Methods. Plastic and reconstructive surgery – Global open, 8(8), e3010. https://doi.org/10.1097/GOX.0000000000003010

Guo, X., Mu, D., Xing, W., Qu, Y., & Luan, J. (2019). Identification of the Optimal Recipient Layer for Transplanted Fat: A Prospective Study on Breast Lipoaugmentation. Aesthetic surgery journal, 39(10), 1071-1081. https://doi.org/10.1093/asj/sjy233

Luze, H., Schwarz, A., Philipp Nischwitz, S., Kolb, D., Bounab, K., Zrim, R., Winter, R., Kamolz, L. P., Rappl, T., & Kotzbeck, P. (2022). Autologous Fat Grafting in Reconstructive Breast Surgery: Clinically Relevant Factors Affecting the Graft Take. Aesthetic surgery journal, 42(12), NP745-NP755. https://doi.org/10.1093/asj/sjac166

Assad, M., Howell, S. M., Liu, J., Reece, G. P., Chang, E. I., Garvey, P. B., Butler, C. E., & Hanson, S. E. (2021). The Effect of Lipoaspirate Processing Technique on Complications in Autologous Fat Grafting for Breast Reconstruction: A Propensity Score Analysis Study. Aesthetic surgery journal, 41(10), NP1303-NP1309. https://doi.org/10.1093/asj/sjab235

12