MENU

TOP


施術一覧

テクスチャードタイプの回収とは?アラガン社製バッグの現状と今後の対策

テクスチャードタイプの回収とは?アラガン社製バッグの現状と今後の対策

2019年7月、アラガン社のBIOCELLテクスチャードタイプ豊胸バッグが世界規模で自主回収されました。回収の原因は、テクスチャード表面を持つインプラントとBIA-ALCL(乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫)という希少な疾患との関連が指摘されたためです。

現在このタイプのバッグを挿入している方が直ちに摘出する必要はなく、FDA(米国食品医薬品局)も無症状の方への予防的な抜去は推奨していません。ただし、胸の腫れやしこりなどの異変を感じた場合は早めの受診が大切です。

この記事では、テクスチャードバッグ回収の経緯からBIA-ALCLの特徴、入れ替え手術の判断基準、費用やサポート体制まで、知っておきたい情報を幅広くお伝えします。不安を感じている方の疑問を一つずつ解消できれば幸いです。

目次

この記事を書いた人

石塚 紀行
ARIEL .BUST.CLINIC 院長
Instagram / X

資格・所属

  • 日本形成外科学会専門医
  • コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医
  • VASER Lipo認定医
  • Juvederm Vista 認定医
  • 乳房再建用エキスパンダー/インプラント実施医師
  • 日本形成外科学会所属
  • 日本美容外科学会(JSAPS)所属

【略歴】
ご自身の脂肪を活用した「自然な豊胸術」や、美しいボディラインを作る脂肪吸引を専門とする形成外科専門医。獨協医科大学医学部卒業後、獨協医科大学病院形成外科・美容外科入局。足利赤十字病院形成外科、獨協医科大学埼玉医療センター 形成外科学内助教、THE CLINIC大阪院・名古屋院の副院長を経て2024年、名古屋にARIEL .BUST.CLINICを開院。

ARIEL .BUST.CLINICは、ご自身の脂肪を活用した豊胸術(脂肪注入)を得意とする名古屋のクリニックです。それぞれの体型やご希望に応じた専門的なご提案をしており、脂肪採取(脂肪吸引)から繊細な注入、傷跡のケアに至るまで、形成外科専門医としての知識と技術を評価いただき、全国から患者様にお越しいただいています。

豊胸手術を含むボディメイクは、決して焦る必要のないものです。このサイトでは専門医の視点から、脂肪豊胸に関する正しい知識やメリット・デメリットを執筆しています。すぐに施術を決めることはせず、まずはじっくりと知識を深めた上で、ご自身が心から信頼できるクリニックへ相談されるようにしてください。

アラガン社のテクスチャードバッグが世界規模で回収された経緯

アラガン社は2019年7月にBIOCELLテクスチャードバッグの自主回収を発表しました。FDAが安全性情報を更新し、テクスチャード表面のインプラントとBIA-ALCLとの関連を明確に示したことが回収の直接的なきっかけです。

項目内容
回収対象BIOCELL テクスチャードタイプ(生理食塩水・シリコン)
回収時期2019年7月24日
回収理由BIA-ALCLとの関連
回収分類FDAクラスI(最も深刻)
スムースタイプ回収対象外

BIOCELLテクスチャードとはどんなインプラントだったのか

BIOCELLはアラガン社が製造していた豊胸用インプラントのブランド名です。表面に粗い凹凸加工(マクロテクスチャード)を施すことでバッグのずれを防ぎ、自然な位置を保つ設計として広く使われていました。

シリコンジェル充填タイプと生理食塩水充填タイプの両方がラインナップされており、美容目的の豊胸だけでなく乳がん術後の再建にも多く採用されていた経緯があります。

テクスチャード加工のインプラントは、スムース(滑らか)タイプと比べてカプセル拘縮(被膜が硬くなって変形する合併症)の発生率が低いとされ、多くの医師が第一選択としていました。その一方で、後にBIA-ALCLとの関連が浮上し、安全性への見方が大きく変わることになります。

FDAが回収を要請した2019年7月の動き

FDAは2019年7月24日、テクスチャードインプラントとBIA-ALCLに関する報告件数の増加を受けて、アラガン社に対しBIOCELL製品の自主回収を要請しました。その時点で世界全体のBIA-ALCL報告は573件にのぼり、そのうち481件がアラガン社の製品に関連していたと報告されています。

同年9月にはFDAがこの回収をクラスI(もっとも深刻な分類)に引き上げ、以後BIOCELLテクスチャード製品は世界のどの市場でも販売が停止されました。回収の対象はテクスチャード表面の製品に限られ、スムースタイプやマイクロセルタイプのナトレル製品は引き続き使用可能です。

マクロテクスチャードとスムースタイプの違い

インプラントの表面加工は大きく分けて「マクロテクスチャード(粗い凹凸)」「マイクロテクスチャード(細かい凹凸)」「スムース(平滑)」の3種類があります。マクロテクスチャードは表面積が広いため組織との密着性が高い反面、BIA-ALCLの発症リスクがもっとも高いと複数の研究で示されています。

スムースタイプはBIA-ALCLとの関連がほとんど報告されておらず、安全性への評価が高まっています。ただし、スムースタイプはバッグが動きやすいため、手術手技やポケット作成の精度がより求められるという側面もあります。

日本国内におけるテクスチャードバッグ回収対応

日本でもアラガン社のBIOCELLテクスチャードバッグは使用されており、厚生労働省およびPMDA(医薬品医療機器総合機構)がFDAの回収情報を踏まえて注意喚起を行いました。国内の医療機関ではテクスチャードバッグを挿入した患者に対し、個別の連絡や定期検診の案内を進めています。

日本国内でのBIA-ALCLの報告件数は海外と比較すると限られていますが、潜在的な見落としの可能性も指摘されています。テクスチャードバッグを使用している方は、かかりつけの医療機関に相談し、定期的なフォローアップを受けることが大切です。

テクスチャード豊胸バッグの回収を招いたBIA-ALCLとは

BIA-ALCLは乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫の略称で、テクスチャード表面のインプラント周囲に発生する希少なT細胞性リンパ腫です。2016年にWHO(世界保健機関)が独立した疾患として分類しました。

BIA-ALCLはどのような疾患なのか

BIA-ALCLはインプラントを包む被膜(カプセル)の内側に生じるCD30陽性・ALK陰性のリンパ腫で、通常の乳がんとはまったく異なる疾患です。多くの症例ではインプラント周囲に液体がたまる「遅発性漿液腫(セローマ)」として見つかり、腫瘤(しこり)を形成するケースは少数にとどまります。

早期に発見してインプラントの抜去と被膜の全摘出を行えば予後は良好とされ、NCCNガイドラインでも完全な外科的切除を治療の柱として推奨しています。一方、進行してリンパ節に転移した場合には化学療法が必要になることもあるため、早期発見が鍵を握ります。

なぜテクスチャード表面がBIA-ALCLのリスクを高めるのか?

テクスチャード表面のインプラントは表面積が広く、粗い凹凸構造に細菌が定着しやすいとされています。バイオフィルム(細菌の膜)が慢性的な炎症を引き起こし、免疫細胞の異常増殖を促す――これが現在有力視されている仮説の一つです。

オーストラリア・ニュージーランドの研究では、マクロテクスチャード(グレード4表面)のインプラントはマイクロテクスチャードと比べてBIA-ALCLの発症リスクが約14倍高いという結果が示されました。表面の粗さとリスクの高さが相関するという報告は世界各地から蓄積されています。

世界で報告されたBIA-ALCLの件数と発症率

FDAの報告によれば、2019年7月時点でBIA-ALCLの累積報告数は世界で573件、関連する死亡は33件でした。その後も報告件数は増え続け、各国で疾患への認識が高まるにつれて見落とされていた症例の発見も進んでいます。

発症率の推計は研究によって幅があり、テクスチャードインプラント使用者における生涯リスクは1/2,832から1/30,000と報告されています。

この数字は決して高いとはいえませんが、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの長期追跡研究では、従来の見積もりよりも高い発症率が示唆されました。

地域・研究推定リスク
マクロテクスチャード全般1/2,832~1/30,000
オーストラリア・NZ(グレード4)約1/2,832
オランダの症例対照研究インプラント使用者で有意に増加

テクスチャードバッグ挿入中の方が確認すべき症状と受診の目安

無症状であれば直ちにインプラントを抜去する必要はありません。FDAもアラガン社製品を含むテクスチャードバッグを入れている方に対し、症状がなければ経過観察で問題ないとの立場をとっています。

遅発性漿液腫(セローマ)の特徴を見逃さない

BIA-ALCLでもっとも多い初発症状は、インプラント挿入から数年以上経ってから片方の胸が急に腫れる「遅発性漿液腫」です。通常、術後まもなく生じるセローマとは異なり、挿入後平均8~10年で発症するとされています。

片胸だけが目立って大きくなった、下着がきつく感じるようになったなどの変化に気づいたときは、まず担当医やかかりつけの形成外科医に相談してください。超音波検査やMRIで漿液の有無を確認し、必要に応じて液体を採取して細胞診を行います。

胸のしこりや腫れを感じたら早めに医師へ

漿液腫以外にも、胸やわきの下にしこりを触れる、持続的な痛みがある、皮膚に発疹が出るといった症状はBIA-ALCLの可能性を示す兆候です。こうした症状が見られた場合、自己判断で放置せず早めに専門医の診察を受けることが重要になります。

注意すべき症状具体的な変化
遅発性の腫れ術後数年以上経って片胸が急に大きくなる
しこり胸やわきの下に硬い塊を触れる
持続する痛み安静時にも続く胸部の違和感や痛み
皮膚の変化発疹や変色が現れる

定期検診と画像検査はどのように受ければよいか?

テクスチャードインプラントを挿入している方は、年に1回程度の定期検診を受けることが望ましいといえます。超音波やMRIによる画像検査はインプラント周囲の異常を早い段階で検出するうえで有用です。

定期的に画像を記録しておくと、前回との比較で微細な変化にも気づきやすくなります。特にBIOCELLテクスチャードを使用している方は、医療機関と連携しながら継続的にフォローアップを続けてください。

アラガン社テクスチャードバッグの抜去・入れ替えはどう判断すべきか

症状がない方への予防的な抜去はFDAも推奨しておらず、入れ替えの判断はあくまで個々の状況に応じて行います。ただし、不安を感じている方がスムースタイプへの入れ替えを選ぶケースは増えています。

無症状でも入れ替えを希望する方が増えた理由

回収の報道を受けて、自分のバッグがテクスチャードタイプであると知り不安を覚えた方は少なくありません。医学的にはリスクが低いとされていても、心理的な安心を優先して入れ替えを選ぶ判断は尊重されるべきでしょう。

入れ替えを検討する際は、現在の健康状態やインプラントの状態、再手術のリスクなどを担当医と十分に話し合い、納得のうえで方針を決めることが大切です。焦って決める必要はなく、セカンドオピニオンを求めるのも一つの方法です。

スムースタイプへの入れ替え手術の流れ

入れ替え手術では、既存のテクスチャードインプラントを抜去したうえで、同時にスムースタイプのインプラントを挿入するのが一般的な方法です。手術時間は片胸で1~2時間程度、全身麻酔で行われることがほとんどです。

スムースタイプはテクスチャードと比べてバッグの表面が滑らかなため、ポケット(インプラントを入れるスペース)の作り方に工夫が求められます。担当医の技術と経験が仕上がりに直結するため、豊胸手術の実績が豊富な医師を選ぶことをおすすめします。

  • 既存インプラントの抜去と被膜の状態確認
  • 必要に応じた被膜(カプセル)の切除
  • スムースタイプインプラントの挿入とポケット調整
  • 術後の経過観察とフォローアップ検診

被膜の全摘出が検討されるケース

BIA-ALCLが疑われる症例や、画像検査で被膜に異常が認められた場合には、インプラントの抜去とともに被膜の全摘出(エンブロック・カプセクトミー)が検討されます。NCCNのガイドラインでは、BIA-ALCLと確定診断された場合の標準治療として完全な外科的切除を推奨しています。

被膜全摘出は通常の入れ替え手術より侵襲が大きくなるため、術後の回復にも時間がかかる傾向があります。手術の必要性やリスクについては、形成外科医とよく相談して決めてください。

テクスチャードバッグ回収をきっかけに進む豊胸の安全対策

回収を契機に、インプラントの選択や術前説明のあり方が世界的に見直されています。患者自身が安全性について正しい知識を持ち、主体的に意思決定に関わる流れが加速しました。

スムースタイプインプラントへの注目が高まっている

BIA-ALCLとの関連が報告されていないスムースタイプのインプラントへのニーズは、テクスチャードバッグの回収以降に急速に拡大しました。米国の調査では、テクスチャードインプラントの使用率が大幅に低下し、スムースタイプへの転換が進んでいます。

スムースタイプにはカプセル拘縮のリスクがやや高いとする報告もありますが、手術手技の改良やデュアルプレーン法の普及により、仕上がりの美しさと安全性の両立が図られています。

十分な術前説明を受けるには何を確認すればよいか?

インプラントを用いた豊胸術を受ける際は、使用するインプラントの種類・表面加工・メーカー名・BIA-ALCLのリスクについて事前に確認することが大切です。術前の説明(インフォームドコンセント)で疑問点を残さず解消しておくと、術後に不安を抱えにくくなります。

確認ポイント具体的に聞くこと
インプラントの種類スムース/テクスチャードのどちらか
メーカーと製品名正式な製品名と認可状況
BIA-ALCLのリスク説明発症率・症状・フォロー体制

術後フォローアップの頻度と内容

術後のフォローアップは、挿入直後だけでなく長期間にわたって継続することが望ましいでしょう。一般的には術後1か月、3か月、6か月、1年、その後は年1回の定期検診が推奨されます。

検診では視診・触診に加え、必要に応じて超音波やMRIによる画像評価を行います。長期フォローアップの体制が整った医療機関を選ぶことで、異常の早期発見につながります。

豊胸バッグ回収にともなう費用と患者向けサポート

入れ替え手術を検討する際、費用やサポート体制は気になるポイントです。アラガン社は回収対象製品の使用者に向けた補償プログラムを設けており、一定の条件を満たせば費用の補助を受けられる場合があります。

アラガン社が提供する患者向け補償プログラム

アラガン社は回収対象製品を挿入している方を対象に、入れ替え用インプラントの無償提供や一部手術費用の補助を行うプログラムを展開しています。対象となる条件や申請方法はアラガン社のウェブサイトや問い合わせ窓口で確認できます。

補償内容は国や地域によって異なるため、まず自分が対象になるかどうかを主治医を通じて確認するのが確実です。申請には製品のシリアル番号や手術記録が必要になることが多いため、手術を受けた医療機関に記録の保管状況を問い合わせておきましょう。

入れ替え手術にかかる費用の目安

入れ替え手術の費用は医療機関や術式によって異なりますが、国内では片胸あたり40万~80万円程度が一つの目安です。被膜全摘出を含む場合はさらに費用が加算されることがあります。

術式費用目安(片胸)
インプラント入れ替え40万~60万円
被膜全摘出+入れ替え60万~80万円以上
抜去のみ20万~40万円

相談先となる医療機関の選び方

入れ替えを検討する際は、豊胸手術の経験が豊富でBIA-ALCLへの知識を持つ医師がいる医療機関を選ぶことが望ましいでしょう。日本形成外科学会や日本美容外科学会の認定医が在籍しているかどうかも一つの判断材料になります。

カウンセリングでは、自分のインプラントの種類を伝え、入れ替えの必要性やリスク、費用について具体的な説明を求めてください。複数の医療機関を比較検討し、もっとも信頼できると感じた医師に任せるのが安心につながります。

テクスチャードバッグ回収が豊胸医療に残した教訓

今回の回収は一つの転換点でした。インプラントの安全管理に対する意識が世界規模で高まり、各国の規制当局やメーカーが新たな取り組みを加速させています。

インプラント登録制度と規制強化の広がり

オーストラリアのABDR(Australian Breast Device Registry)をはじめ、各国でインプラントの種類や使用者情報を一元管理する登録制度の導入が加速しています。登録制度によって、万一の回収や安全性情報の通知を迅速に行える体制が構築されつつあります。

FDAも2019年以降、インプラントメーカーに対するポストマーケットサーベイランス(市販後調査)の要件を強化しました。こうした規制の変化は、患者の安全を守るうえで前向きな動きといえるでしょう。

表面加工の研究開発と安全性評価の進歩

テクスチャードバッグの回収を受け、インプラント表面の加工技術そのものを見直す研究が活発に行われています。ナノテクスチャーやマイクロテクスチャーなど、リスクを抑えつつ組織との密着性を確保する新たな表面設計の開発が進んでいます。

  • バイオフィルム形成を抑制する抗菌コーティングの研究
  • ナノレベルの表面加工によるカプセル拘縮軽減の試み
  • 動物実験から臨床試験への橋渡し研究

安心できるクリニック選びで押さえておきたい点

豊胸術を検討している方にとって、クリニック選びは仕上がりの満足度だけでなく安全性にも直結する判断です。使用するインプラントのメーカーや種類を明示し、BIA-ALCLを含むリスクについて丁寧に説明してくれる医療機関を選んでください。

術後のフォローアップ体制も見極めのポイントです。長期にわたって定期検診を行い、異常があればすみやかに対応できる体制を整えているクリニックは、それだけ患者の安全に真剣に取り組んでいるといえます。

よくある質問

テクスチャードタイプの豊胸バッグは現在も使用できますか?

アラガン社のBIOCELLテクスチャードバッグは2019年7月の自主回収以降、世界中で販売・使用が停止されています。現在、新たにこのタイプのインプラントを挿入する手術は行われていません。

ただし、すでに体内に入っているBIOCELLテクスチャードバッグを直ちに摘出する必要があるわけではありません。FDAは無症状の方に対して予防的な抜去を推奨しておらず、定期的な経過観察を続けることを勧めています。他メーカーのテクスチャードインプラントについては各国の規制によって扱いが異なりますので、担当医に確認してください。

アラガン社のテクスチャードバッグが回収された原因は何ですか?

回収の原因は、テクスチャード表面を持つインプラントとBIA-ALCL(乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫)という希少なリンパ腫との関連が複数の研究で示されたことです。FDAの集計ではBIA-ALCL報告のうち大多数がアラガン社のBIOCELL製品に関連していました。

BIOCELLのマクロテクスチャード表面は他社製品と比べて表面の凹凸が大きく、バイオフィルム形成や慢性炎症との関連が指摘されています。FDAはこうしたデータに基づきアラガン社に自主回収を要請し、同社もこれに応じて世界規模の回収を実施しました。

テクスチャードバッグからスムースタイプへの入れ替えは可能ですか?

はい、テクスチャードバッグからスムースタイプへの入れ替えは可能です。入れ替え手術では既存のインプラントを抜去し、同時にスムースタイプのインプラントを挿入します。手術時間は片胸あたり1~2時間程度が目安です。

スムースタイプはバッグの表面が滑らかなため、ポケットの調整や固定の方法がテクスチャードとは異なります。仕上がりや術後の経過にも違いが出る場合があるため、豊胸手術の経験が豊富な医師とよく相談してから決めることをおすすめします。

BIA-ALCLの自覚症状にはどのようなものがありますか?

もっとも多い自覚症状は、インプラント挿入後数年以上経ってから片方の胸が急に腫れる「遅発性漿液腫(セローマ)」です。この腫れはインプラント周囲に液体がたまることで生じ、下着がきつくなる、左右差が目立つといった形で気づくことがあります。

そのほか、胸やわきの下にしこりを触れる、持続的な痛みがある、皮膚に発疹や変色が出るといった症状も報告されています。これらの症状に気づいたら自己判断せず、速やかに形成外科や乳腺外科を受診してください。

テクスチャードバッグを挿入してから何年後にBIA-ALCLのリスクが高まりますか?

BIA-ALCLが発症するまでの期間は個人差が大きいものの、複数の研究ではインプラント挿入後平均8~10年程度で診断されるケースが多いと報告されています。なかには挿入後2~3年で発見された症例もあれば、20年以上経過して発症した報告もあります。

挿入年数にかかわらず、テクスチャードバッグを使用している方は定期的な検診を受けることが大切です。年数が経過しているからといって油断せず、異変を感じたらすぐに医療機関を受診してください。

参考文献

Nelson, J. A., McCarthy, C., Dabic, S., Polanco, T., Chilov, M., Mehrara, B. J., & Disa, J. J. (2021). BIA-ALCL and textured breast implants: A systematic review of evidence supporting surgical risk management strategies. Plastic and Reconstructive Surgery, 147(5S), 7S–14S. https://doi.org/10.1097/PRS.0000000000008040

Santanelli di Pompeo, F., Sorotos, M., Clemens, M. W., & Firmani, G. (2021). Breast implant-associated anaplastic large cell lymphoma (BIA-ALCL): Review of epidemiology and prevalence assessment in Europe. Aesthetic Surgery Journal, 41(9), 1014–1025. https://doi.org/10.1093/asj/sjaa285

Clemens, M. W., Jacobsen, E. D., & Horwitz, S. M. (2019). 2019 NCCN consensus guidelines on the diagnosis and treatment of breast implant-associated anaplastic large cell lymphoma (BIA-ALCL). Aesthetic Surgery Journal, 39(Suppl_1), S3–S13. https://doi.org/10.1093/asj/sjy331

Cordeiro, P. G., Ghione, P., Ni, A., Hu, Q., Ganesan, N., Galasso, N., Dogan, A., & Horwitz, S. M. (2020). Risk of breast implant associated anaplastic large cell lymphoma (BIA-ALCL) in a cohort of 3546 women prospectively followed long term after reconstruction with textured breast implants. Journal of Plastic, Reconstructive & Aesthetic Surgery, 73(5), 841–846. https://doi.org/10.1016/j.bjps.2019.11.064

Collett, D. J., Rakhorst, H., Lennox, P., Magnusson, M., Cooter, R., & Deva, A. K. (2019). Current risk estimate of breast implant-associated anaplastic large cell lymphoma in textured breast implants. Plastic and Reconstructive Surgery, 143(3S), 30S–40S. https://doi.org/10.1097/PRS.0000000000005567

Marra, A., Viale, G., Pileri, S. A., Pravettoni, G., Viale, G., De Lorenzi, F., Nolè, F., Veronesi, P., & Curigliano, G. (2020). Breast implant-associated anaplastic large cell lymphoma: A comprehensive review. Cancer Treatment Reviews, 84, 101963. https://doi.org/10.1016/j.ctrv.2020.101963

Leberfinger, A. N., Behar, B. J., Williams, N. C., Rakszawski, K. L., Potochny, J. D., Mackay, D. R., & Ravnic, D. J. (2017). Breast implant-associated anaplastic large cell lymphoma: A systematic review. JAMA Surgery, 152(12), 1161–1168. https://doi.org/10.1001/jamasurg.2017.4026

Loch-Wilkinson, A., Beath, K. J., Knight, R. J. W., Wessels, W. L. F., Magnusson, M., Papadopoulos, T., Connell, T., Lofts, J., Locke, M., Hopper, I., Cooter, R., Vickery, K., Joshi, P. A., Prince, H. M., & Deva, A. K. (2017). Breast implant-associated anaplastic large cell lymphoma in Australia and New Zealand: High-surface-area textured implants are associated with increased risk. Plastic and Reconstructive Surgery, 140(4), 645–654. https://doi.org/10.1097/PRS.0000000000003654

de Boer, M., van Leeuwen, F. E., Hauptmann, M., Overbeek, L. I. H., de Boer, J. P., Hijmering, N. J., Sernee, A., Klazen, C. A. H., Lobbes, M. B. I., van der Hulst, R. R. W. J., Rakhorst, H. A., & de Jong, D. (2018). Breast implants and the risk of anaplastic large-cell lymphoma in the breast. JAMA Oncology, 4(3), 335–341. https://doi.org/10.1001/jamaoncol.2017.4510

Nelson, J. A., Dabic, S., Mehrara, B. J., Cordeiro, P. G., Disa, J. J., Pusic, A. L., Matros, E., Dayan, J. H., Allen, R. J., Jr., Coriddi, M., Polanco, T. O., Shamsunder, M. G., Wiser, I., Morrow, M., Dogan, A., Cavalli, M. R., Encarnacion, E., Lee, M. E., & McCarthy, C. M. (2020). Breast implant-associated anaplastic large cell lymphoma incidence: Determining an accurate risk. Annals of Surgery, 272(3), 403–409. https://doi.org/10.1097/SLA.0000000000004179

シリコンバッグの表面加工の違いに戻る

シリコンバッグ豊胸TOP

よかったらシェアしてね
目次