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シリコンバッグ挿入中の乳がん検診ガイド!エコーやMRIを併用する利点

シリコンバッグ挿入中の乳がん検診ガイド!エコーやMRIを併用する利点

シリコンバッグによる豊胸術を受けた方でも、乳がん検診は問題なく受けられます。バッグが入っているからと検診をためらう必要はありません。

ただしマンモグラフィ単独では乳腺組織の一部がバッグに隠れ、見落としのリスクが高まるため、超音波(エコー)やMRIを組み合わせた検診が大切です。複数の画像検査を併用すると、がんの発見率が向上し、バッグの状態確認も同時に行えます。

本記事では、シリコンバッグ挿入中の方が安心して乳がん検診を受けるために知っておきたい検査方法の選び方、併用する利点、受診の頻度やタイミングについて詳しく解説します。

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この記事を書いた人

石塚 紀行
ARIEL .BUST.CLINIC 院長
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資格・所属

  • 日本形成外科学会専門医
  • コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医
  • VASER Lipo認定医
  • Juvederm Vista 認定医
  • 乳房再建用エキスパンダー/インプラント実施医師
  • 日本形成外科学会所属
  • 日本美容外科学会(JSAPS)所属

【略歴】
ご自身の脂肪を活用した「自然な豊胸術」や、美しいボディラインを作る脂肪吸引を専門とする形成外科専門医。獨協医科大学医学部卒業後、獨協医科大学病院形成外科・美容外科入局。足利赤十字病院形成外科、獨協医科大学埼玉医療センター 形成外科学内助教、THE CLINIC大阪院・名古屋院の副院長を経て2024年、名古屋にARIEL .BUST.CLINICを開院。

ARIEL .BUST.CLINICは、ご自身の脂肪を活用した豊胸術(脂肪注入)を得意とする名古屋のクリニックです。それぞれの体型やご希望に応じた専門的なご提案をしており、脂肪採取(脂肪吸引)から繊細な注入、傷跡のケアに至るまで、形成外科専門医としての知識と技術を評価いただき、全国から患者様にお越しいただいています。

豊胸手術を含むボディメイクは、決して焦る必要のないものです。このサイトでは専門医の視点から、脂肪豊胸に関する正しい知識やメリット・デメリットを執筆しています。すぐに施術を決めることはせず、まずはじっくりと知識を深めた上で、ご自身が心から信頼できるクリニックへ相談されるようにしてください。

シリコンバッグが入っていても乳がん検診を受けるべき理由

豊胸手術を受けた方であっても、乳がんの発症リスクは未手術の方と変わりません。バッグの有無にかかわらず、定期的な検診で早期発見を目指すことが大切です。

バッグ挿入で乳がんリスクは上がらないという研究結果

国内外の大規模な疫学研究において、シリコンバッグを挿入した方と挿入していない方の乳がん発症率に有意差は認められていません。むしろ一部のメタ分析では、豊胸術を受けた方のほうがやや発症リスクが低い傾向すら報告されています。

バッグそのものが乳腺細胞の変異を引き起こすという科学的根拠はなく、シリコン素材と乳がんとの因果関係は否定されています。安心して検診を受けてください。

検診をためらうことで起こりうる発見の遅れ

バッグがあるからと検診を先延ばしにすると、がんが進行した状態で見つかるリスクが上がります。ある研究では、豊胸術後の女性はマンモグラフィの感度が約45%まで低下するという報告がある一方で、検診を継続している方は未手術の方と同等のステージで発見される傾向にあるとされています。

早期発見・早期治療こそ、がん治療の成功率を左右する要因です。定期的に医療機関を受診しましょう。

豊胸術後こそ「複数の検査」を組み合わせたい

バッグによってマンモグラフィだけでは写りにくい領域が生まれるため、エコーやMRIを併用した検診を受けることが大切です。1種類の検査で不足する情報を別の検査で補い、総合的に判断するのが理想的な方針です。

併用検診の具体的な方法については、以降の見出しで詳しくご説明します。

マンモグラフィでシリコンバッグが映り込むとどうなる?

マンモグラフィではバッグがX線を通さず白く映るため、その背後にある乳腺組織が隠れてしまいます。この「遮蔽(しゃへい)」が、バッグ挿入者にとっての検診上の課題です。

項目バッグなしバッグあり
マンモ感度約67〜85%約45〜55%
組織の可視範囲ほぼ全域最大44%減少
推奨追加検査必要に応じてエコー・MRI

大胸筋の前か後ろかで見え方が変わる

バッグを大胸筋の前(乳腺下)に入れた場合、乳腺との距離が近いためマンモグラフィで組織の約44%が遮蔽されるとの報告があります。一方で大胸筋の後ろ(筋膜下・大胸筋下)に留置した場合は遮蔽率が約25%に抑えられ、より多くの乳腺を撮影できます。

ご自身のバッグがどの位置に入っているか分からない場合は、手術を受けた医療機関に確認しておくとよいでしょう。

エクランド法(インプラント・ディスプレイスメント法)という撮影技術

バッグを胸壁側に押し戻し、前方に引き出した乳腺組織だけを圧迫して撮影する方法がエクランド法です。1988年にEklundらが開発したこの手技により、バッグの前にある乳腺をより鮮明に描出できるようになりました。

エクランド法を用いたディスプレイスメント撮影と通常の圧迫撮影を合わせると、計8枚の画像を取得するのが一般的な方法です。ただし被膜拘縮(カプセラー・コントラクチャー)が進行しているとバッグの移動が難しく、この撮影法が使えない場合もあります。

マンモグラフィだけに頼れない場面を知っておく

乳腺密度(デンスブレスト)がもともと高い若い世代では、バッグの有無に関係なくマンモグラフィの感度が低くなりがちです。バッグによる遮蔽が加わると、さらに写りにくくなる可能性があります。

このような場合にこそ、超音波やMRIといった追加の画像検査が力を発揮します。乳腺密度の高い方やバッグのサイズが大きい方は、かかりつけ医と相談のうえ併用検診を選びましょう。

超音波(エコー)検査はシリコンバッグ挿入者に向いている?

結論からお伝えすると、エコー検査はバッグの影響をほとんど受けずに乳腺を観察できるため、豊胸術後の方にとって有用な検査といえます。

エコーがバッグに左右されにくい仕組み

超音波は乳腺組織とバッグの境界を明確に描出でき、バッグ越しでも後方の組織を映し出す能力を持っています。X線とは異なり、シリコンに遮られて画像が真っ白になることがありません。

加えて、放射線を使わないため被ばくの心配が不要で、検査中の痛みもほとんどない点が魅力でしょう。

乳がん発見とバッグの破損チェックを同時に行える

エコーでは乳腺内のしこり(腫瘤)を描出するだけでなく、バッグの輪郭の変形やシリコンジェルの漏出を示す「はしご状エコーサイン」と呼ばれる特徴的な超音波所見もとらえられます。検診のたびにバッグの状態も確認でき、一石二鳥の検査です。

エコー検査の限界も正しく理解する

万能に見えるエコー検査にも弱点があります。検査者の技量や経験に結果が左右されやすい「術者依存性」の高い検査であること、微細な石灰化をとらえるのが苦手なことが挙げられます。

石灰化は乳がん初期のサインとなるケースも少なくないため、石灰化の検出に優れたマンモグラフィとの組み合わせが効果的です。エコーだけで完結させず、ほかの検査と補い合うことを意識してください。

検診施設選びで確認したいポイント

豊胸術後のエコー検査に慣れた施設を選ぶと、精度の高い結果が期待できます。受診前に「インプラント挿入者のエコー検査の実績があるか」「乳腺専門の超音波検査技師が在籍しているか」を確認しておくとよいでしょう。

MRI検査で乳がんとシリコンバッグの破損を同時に調べる方法

MRI(磁気共鳴画像検査)は、バッグの状態把握と乳がん検出の両面で高い精度を誇ります。バッグ挿入中の方にとって、もっとも情報量の多い検査手段のひとつです。

造影MRIが乳がんを見つける精度

ガドリニウム系の造影剤を使用したMRIは、乳がんに特有の血流増加パターンを描出できます。欧州乳房画像学会(EUSOBI)は「バッグの存在がMRIの乳がん検出感度に影響を与えない」と明言しており、バッグが入っている方でも通常と同じ精度でがんの有無を判定できるとされています。

「リンギーニサイン」でバッグ破損を高精度にキャッチ

シリコンバッグの内側の被膜(シェル)が折れ曲がってパスタのリンギーニのように見える所見を「リンギーニサイン」と呼びます。MRIはこの所見を描出する感度が81〜89%、特異度が92〜97%と報告されており、バッグ破損の検出においてもっとも信頼性が高い画像検査です。

マンモグラフィの破損検出感度は約11%、エコーでも約70%にとどまるため、破損を正確に知りたい場合はMRIが第一選択となります。

MRIを受ける際の注意点と費用の目安

検査には30〜60分ほどかかり、うつ伏せの姿勢でじっとしている必要があります。閉所が苦手な方はあらかじめ医師に相談しましょう。また体内に金属(ペースメーカーなど)がある方は検査を受けられないケースがあるため、事前の確認が大切です。

費用面では、マンモグラフィやエコーに比べて高額となる傾向がありますが、バッグの状態確認を兼ねた総合的な検診と考えれば、その価値は十分にあるでしょう。詳しい費用は医療機関ごとに異なりますので、受診先に直接お問い合わせください。

エコーとMRIを併用すると乳がん検診の精度はどこまで上がるのか

マンモグラフィ・エコー・MRIの3つを組み合わせると、小さな乳がんの検出感度は98%を超えるとする報告があります。単独検査では見逃しが生じやすいバッグ挿入者にとって、併用は大きなメリットをもたらします。

各検査の得意分野を補い合う発想

マンモグラフィは微細石灰化の検出、エコーは腫瘤の描出、MRIは造影パターンの解析と、それぞれ得意とする領域が異なります。1つの検査で漏れた所見を別の検査がカバーする仕組みになっているため、併用することで「死角」を減らせるのが最大の強みです。

検査方法得意な検出対象バッグとの相性
マンモグラフィ微細石灰化遮蔽あり
エコーしこり・バッグ破損影響少ない
MRI微小がん・血流異常影響なし

偽陽性(ぎようせい)のリスクにも目を向ける

検査を増やすほど「がんの疑い」と判定される頻度が上がり、結果的に生検(組織を採取して調べる検査)を受ける回数が増える可能性があります。MRIは感度が非常に高い反面、良性の病変も拾い上げやすく、再検査率がやや高めになる傾向です。

偽陽性が続くと精神的な負担が増します。検査の組み合わせは主治医と相談しながら、ご自身のリスクや体質に合ったプランを選んでください。

「どの検査をどの順番で受けるか」の考え方

一般的には、まずマンモグラフィ(エクランド法を含む)とエコーを同日に受け、何か疑わしい所見が見つかった場合にMRIを追加する流れが多いでしょう。乳がんの家族歴がある方やリスクが高い方は、最初からMRIを含むフルセットの検診を選択することもあります。

施設によってはワンストップですべての検査を完了できるところもあるので、受診前に確認してみてください。

シリコンバッグ挿入後の乳がん検診はいつから、どのくらいの頻度で受ける?

40歳以上の方は年1回のマンモグラフィを含む乳がん検診が推奨されています。バッグ挿入者も同様に、年齢に応じた一般的な検診ガイドラインに沿って受診してください。

術後5〜6年を目安にバッグの定期チェックも開始

米国FDAの推奨では、シリコンバッグ挿入から5〜6年後に初回のバッグ破損スクリーニング(MRIまたはエコー)を受け、以降は2〜3年ごとに繰り返すことが望ましいとされています。乳がん検診とバッグの状態チェックを同時にスケジュールすれば、通院回数を減らしながら両方をカバーできます。

年齢やリスクに応じた検診プランの立て方

20〜30代の若い世代は乳腺密度が高いことが多く、マンモグラフィの感度がさらに低下しやすくなります。乳がんの家族歴がある場合は30代から乳がん検診を開始し、エコーを中心に据えたスクリーニングを検討するとよいでしょう。

40代以降はマンモグラフィとエコーの定期的な併用を基本とし、必要に応じてMRIを組み合わせるのが現実的な選択肢です。

セルフチェック(自己検診)も忘れずに

月に一度、入浴時などにご自身の乳房に触れてしこりや腫れがないか確認する習慣をつけましょう。バッグ挿入後の方は触診で腫瘤を見つけやすいという報告もあり、セルフチェックは画像検査を補完する簡便かつ有効な手段です。

気になる変化があれば、次の検診を待たず早めに受診してください。

  • 毎月決まった時期に、鏡の前で乳房の形や左右差を観察する
  • 指の腹で乳房全体をまんべんなく触り、硬いしこりがないか確認する
  • 脇の下のリンパ節付近に腫れがないかもチェックする

バッグの種類・挿入位置によって乳がん検診で注意すべき点は変わる?

バッグの表面加工(スムースかテクスチャードか)、充填物の種類、そして挿入位置の違いによって、検診時の注意点や追加で確認すべき項目が変わります。ご自身のバッグ情報を把握したうえで受診することが、精度の高い検診につながります。

テクスチャード(ざらざら)タイプのバッグとBIA-ALCL

テクスチャードタイプのバッグは、ごくまれにBIA-ALCL(ブレスト・インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫)と呼ばれる特殊なリンパ腫のリスクに関連するとされています。BIA-ALCLは乳がんとは異なる疾患で、発症率は非常に低い(年間100万人あたり1〜3例程度)ものの、検診時にバッグ周囲の液体貯留(漿液腫)や腫瘤がないかを注意深く確認してもらうことが大切です。

スムース(つるつる)タイプのバッグにおける検診のコツ

スムースタイプは被膜拘縮のリスクがやや高い傾向にありますが、BIA-ALCLとの関連はほとんど報告されていません。被膜拘縮が進行するとエクランド法が困難になるため、定期的にバッグの柔らかさを確認し、硬くなってきた場合はMRIによる精密検査を早めに受けることをおすすめします。

乳腺下留置と大胸筋下留置で異なる画像の見え方

大胸筋の前(乳腺下)にバッグがある場合は、乳腺とバッグが密接に重なるため画像上の遮蔽範囲が広くなります。大胸筋の後ろ(筋膜下・大胸筋下)では筋肉がバッグと乳腺の間に介在し、遮蔽が抑えられる傾向です。

どちらの位置にバッグが入っているかを検査技師に伝えると、撮影条件の細かな調整や追加検査の判断がスムーズになります。手術記録やバッグのモデル情報がわかれば、受診時に持参してください。

留置位置遮蔽率エクランド法
乳腺下(大胸筋前)約36〜44%有効(拘縮なしの場合)
大胸筋下約15〜25%有効(遮蔽が少ない)

バッグ情報を「検診パスポート」として記録する

手術日、バッグのメーカー・モデル名、サイズ(cc)、留置位置、表面加工の種類をまとめたメモを作っておくと、どの医療機関を受診しても正確な情報を共有できます。検査の精度向上にもつながるため、ぜひ手元に保管しておきましょう。

よくある質問

シリコンバッグを入れたままマンモグラフィを受けるとバッグが破れる心配はありますか?

現在使用されている医療用シリコンバッグは、マンモグラフィの圧迫に耐えられるよう設計されているため、通常の検査圧でバッグが破れることはほぼありません。ただし、非常にまれにバッグの劣化が進んでいる場合に損傷の報告があるため、術後の経過年数が長い方は事前に医師へお伝えください。

エクランド法ではバッグを胸壁側に退避させてから圧迫するので、バッグに直接かかる力を軽減しながら乳腺を撮影できます。検査前にバッグの存在を検査技師に必ずお知らせいただければ、適切な手技で安全に検査を実施できるでしょう。

シリコンバッグ挿入後にエコー検査だけで乳がん検診は十分ですか?

エコー検査はバッグの影響を受けにくく優れた検査ですが、微細な石灰化の検出はマンモグラフィに劣ります。石灰化は初期の乳がんの兆候となる場合があるため、エコーだけで十分とは言い切れません。

年齢やリスク因子に応じて、マンモグラフィやMRIと組み合わせることで検診全体の精度を高めることが望ましい方針です。どの検査を組み合わせるかは、主治医や検診施設の医師と相談して決定してください。

シリコンバッグのMRI検査はどのくらいの頻度で受ければよいですか?

FDAの推奨では、シリコンバッグ挿入から5〜6年後に初回のMRIまたはエコーによるバッグ破損スクリーニングを行い、その後は2〜3年ごとに継続することが勧められています。乳がん検診としてのMRIは、リスクの高い方には毎年、それ以外の方は主治医と相談のうえ実施を判断するのが一般的です。

バッグの破損スクリーニングと乳がん検診のMRIを同じタイミングで実施すれば、1回の検査で両方をまとめて確認でき、時間的・経済的な負担も軽減できます。

シリコンバッグ挿入中の乳がん検診では検査技師に何を伝えるべきですか?

受付の段階で豊胸手術を受けていることを申告し、可能であればバッグのメーカー名、モデル名、サイズ、留置位置(乳腺下か大胸筋下か)、手術年月日を伝えてください。これらの情報があると、検査技師は撮影条件や手技をより適切に調整できます。

被膜拘縮の程度や過去にバッグの入れ替え歴がある場合も、あわせてお伝えいただくことで画像の読影精度が向上します。手術を受けた医療機関で発行された記録があれば、持参するのが望ましいでしょう。

シリコンバッグが入っている場合の乳がん検診で追加費用はかかりますか?

マンモグラフィにおけるエクランド法の追加撮影については、施設によって費用が異なります。通常のマンモグラフィと同額で対応する施設もあれば、追加撮影分が別途請求される場合もあるため、事前に問い合わせると安心です。

エコーやMRIを追加する場合は、それぞれの検査費用が上乗せになります。MRIは一般的にほかの画像検査よりも高額になる傾向がありますが、バッグの破損確認と乳がんスクリーニングを一度に済ませられる点を考慮すると、費用対効果は高いといえるでしょう。具体的な金額は各医療機関にご確認ください。

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