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400cc以上の特大豊胸バッグのリスク|皮膚の負担と不自然な仕上がり

400cc以上の特大豊胸バッグのリスク|皮膚の負担と不自然な仕上がり

海外のモデルのような圧倒的なボリュームのあるバストに憧れ、400cc以上の大きな豊胸バッグを検討する方が増えています。

しかし日本人の骨格や皮膚の厚みを考慮せずに特大サイズを選択すると、将来的に取り返しのつかないリスクを背負うことになりかねません。

皮膚が過度に引き伸ばされることで生じる妊娠線のような肉割れや、バッグの縁が浮き出るリップリング、さらには加齢とともに重力に耐え切れずバストが垂れ下がってしまう問題など、多くのデメリットが存在します。

一時の理想だけでなく、数年後や数十年後の身体の変化まで見据え、冷静な判断をしましょう。

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この記事を書いた人

アリエルバストクリニック 院長 石塚 紀行

石塚 紀行
ARIEL .BUST.CLINIC 院長
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資格・所属

  • 日本形成外科学会専門医
  • コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医
  • VASER Lipo認定医
  • Juvederm Vista 認定医
  • 乳房再建用エキスパンダー/インプラント実施医師
  • 日本形成外科学会所属
  • 日本美容外科学会(JSAPS)所属

【略歴】
ご自身の脂肪を活用した「自然な豊胸術」や、美しいボディラインを作る脂肪吸引を専門とする形成外科専門医。獨協医科大学医学部卒業後、獨協医科大学病院形成外科・美容外科入局。足利赤十字病院形成外科、獨協医科大学埼玉医療センター 形成外科学内助教、THE CLINIC大阪院・名古屋院の副院長を経て2024年、名古屋にARIEL .BUST.CLINICを開院。

ARIEL .BUST.CLINICは、ご自身の脂肪を活用した豊胸術(脂肪注入)を得意とする名古屋のクリニックです。それぞれの体型やご希望に応じた専門的なご提案をしており、脂肪採取(脂肪吸引)から繊細な注入、傷跡のケアに至るまで、形成外科専門医としての知識と技術を評価いただき、全国から患者様にお越しいただいています。

豊胸手術を含むボディメイクは、決して焦る必要のないものです。このサイトでは専門医の視点から、脂肪豊胸に関する正しい知識やメリット・デメリットを執筆しています。すぐに施術を決めることはせず、まずはじっくりと知識を深めた上で、ご自身が心から信頼できるクリニックへ相談されるようにしてください。

なぜ400cc以上のシリコンバッグを選ぶと後悔するリスクが高まるのか

400cc以上のバッグが後悔につながる最大の要因は、日本人の骨格や皮膚の許容量を物理的に超えてしまう点にあります。無理なサイズアップは組織への負担となり、長期的なトラブルを招く可能性が高いのです。

大きすぎるバストを入れると日常生活で具体的な不便さに直面する

特大サイズのバッグを入れた直後から、日常生活のあらゆる場面で予想以上の不便さを感じることになります。

まず重さによる身体への負担です。400ccのバッグは両胸で800g、つまり約1kg近い重りを常に胸にぶら下げている状態となります。そのため、慢性的な肩こりや背中の痛みに悩まされるケースが後を絶ちません。

また、うつ伏せで寝るのが困難になるため、睡眠の質が低下することも考えられます。さらに、衣服選びの選択肢が極端に狭まってしまいます。

バストサイズに合わせるとウエストが緩くなり、身体のラインに合った服を見つけるのが難しくなります。

激しい運動をする際にはバストが大きく揺れるため、スポーツブラでも固定しきれず、痛みを感じたり皮膚が引っ張られる感覚を覚えたりするときもあります。

欧米人と日本人の骨格の違いは仕上がりにどう影響する?

骨格の違いは、豊胸手術の仕上がりを左右する決定的な要素です。

欧米人は胸郭(胸の骨組み)が広く、円筒形に近い形をしている方が多いため、大きなバッグを入れても比較的自然に馴染みます。一方、日本人は胸郭が平坦で幅が狭い傾向にあります。

この狭い土台の上に幅の広い特大バッグを無理に乗せようとすると、バッグが脇にはみ出したり、左右のバッグが中央でくっついてしまったりする「シンマスティア」と呼ばれる状態になりやすいのです。

日本人の骨格と400cc以上のバッグの相性に関する比較

比較項目一般的な日本人の骨格特徴特大バッグ挿入時のリスク
胸郭の幅狭く平坦な傾向があるバッグの底面が骨格からはみ出し、不自然な段差が生じる
皮膚の厚み欧米人に比べて薄いバッグの輪郭やシワが表面に浮き出やすい
皮下脂肪痩せ型で脂肪が少ないバッグを覆う組織が足りず、感触が硬くなりやすい

時間が経つにつれて皮膚が伸びて垂れてしまう物理的な原因があります

重力の影響は誰にでも平等に働きますが、特大バッグを入れたバストにはその影響が倍増します。

挿入されたバッグの重みは、常に下方向へと皮膚やクーパー靭帯を引っ張り続けます。若い頃は皮膚に弾力があるため持ちこたえられます。

しかし加齢とともに皮膚の弾力繊維(エラスチンやコラーゲン)が減少すると、支えきれなくなったバストは急速に下垂し始めます。

一度伸びきってしまった皮膚は、バッグを抜去してもゴムが伸びたような状態になり、元のハリのある状態には戻りません。これを「プレッシャーアトロフィー(圧迫萎縮)」と呼び、皮膚だけでなく乳腺組織までもが圧迫されて薄くなってしまいます。

将来的に垂れ下がったバストを修正するには、バッグを小さくするだけでなく、余った皮膚を切り取る大掛かりなリフトアップ手術が必要になることも覚悟しなければなりません。

皮膚が薄い人が特大バッグを入れた場合に起こりうる深刻なトラブル

皮膚が薄い方が特大バッグを入れると、リプリングや肉割れといったトラブルが顕著に現れます。最悪の場合、皮膚の壊死を招くリスクもあり、慎重な判断が必要です。

バッグの縁が浮き出てリプリング現象が目立ってしまうのはなぜか

「リプリング」とは、バッグの表面にできたシワや波打ちが、皮膚の表面にまで浮き出て見えてしまう現象です。400cc以上の大きなバッグは、中身の充填率や姿勢の変化によって表面にシワができやすくなります。

皮膚や皮下脂肪が厚ければそのシワはカバーされますが、皮膚が薄い人の場合、バッグと皮膚の間の緩衝材となる組織がほとんどないため、バッグの形状がダイレクトに伝わってしまいます。

特に前屈みになった時や、バストの外側や下側において、波打つような不自然な凹凸が目視でもはっきりと分かるようになります。

これは触った時の感触にも影響し、本来のバストの柔らかさとは程遠い、異物感のあるゴツゴツとした触り心地になってしまう場合が多いのです。一度目立ち始めたリプリングは、脂肪注入などでカバーしようとしても、根本的な解決が難しい厄介な問題です。

皮膚が極限まで引き伸ばされると妊娠線のような肉割れが生じる

急激な体重増加や妊娠時に見られる「ストレッチマーク(肉割れ)」は、豊胸手術でも起こり得ます。特に400cc以上のバッグを一気に入れると、皮膚に対して短期間で急激な伸展を強いることになります。

真皮層にあるコラーゲン繊維がその張力に耐え切れずに断裂し、赤紫色の稲妻のような線がバスト全体に走ることになります。

この肉割れ線は、時間が経つにつれて白っぽく目立たなくなっていくケースはあっても、完全に消えることはありません。

大きなバストを手に入れた代償として、素肌を露出することがためらわれるような傷跡が残ってしまうのは本末転倒です。皮膚の伸びるスピードには個人差があり、予測が難しいため、余裕を持ったサイズ選びが唯一の確実な予防策となります。

血流が悪くなり皮膚が菲薄化して壊死する最悪のケースも想定される

極めて稀ですが、最も恐れるべき事態は皮膚の壊死です。大きすぎるバッグによる過度な圧迫は、皮膚表面への血流を阻害します。血液が十分に届かなくなった皮膚は徐々に薄くペラペラになり(菲薄化)、防御機能が低下します。

この状態が長く続くと、ちょっとした傷や感染をきっかけに組織が壊死し、最悪の場合はバッグが皮膚を突き破って露出してしまうケースもあります。このように、皮膚の菲薄化は段階を経て進行します。

初期の段階で異変に気づき対処できれば良いのですが、無理をして大きなバッグを入れ続けていると、取り返しのつかない組織欠損を招くことになります。

美しさ以前に、健康な身体を守るためにも、皮膚の血流や厚みを維持できる範囲内での手術が必要です。

皮膚菲薄化の進行レベルと起こりうる症状

進行レベル皮膚の状態と自覚症状必要な対策
初期皮膚が突っ張り、表面に細かい血管が浮き出る経過観察と保湿、圧迫の緩和
中期皮膚が紙のように薄くなり、バッグの輪郭が鮮明に見えるバッグのサイズダウンや抜去の検討
重度皮膚の色が悪くなり、痛みや冷感を伴う(壊死の予兆)直ちにバッグを抜去し、再建手術を行う必要がある

不自然な仕上がりになってしまう典型的な見た目の特徴とは

400cc以上の特大バッグを入れた場合に多くの人が直面するのが、「いかにも整形しました」という人工的な見た目、いわゆる「バレバレの豊胸」になってしまう問題です。自然なバストは重力に従って緩やかな曲線を描きます。

一方で特大バッグはその大きさゆえに自己主張が強く、身体のラインから浮いた存在になりがちです。

お椀を乗せたようなボール型のバストになりやすいのはなぜか

自然なバストは、乳房の下部にボリュームがあり、上部はなだらかなスロープを描く「涙のしずく型(アナトミカル型)」に近い形状をしています。しかし、400cc以上のバッグ、特にラウンド型のバッグを使用した場合、上部のボリュームが出すぎてしまいます。

その結果、あたかもボールやお椀を胸に乗せたような半円球の形状になりやすくなります。これは、バッグの直径と高さ(プロジェクション)が大きすぎるために、バッグ自体が変形しにくく、常にパンパンに張った状態を維持してしまうのが原因です。

仰向けに寝た際も、自然なバストであれば脇の方へ流れますが、特大バッグは重力に逆らって天井に向かってそびえ立つように形を保ち続けます。この動きのなさが、人工的な違和感を周囲に与える大きな要因となります。

デコルテ部分だけが盛り上がりすぎて滑らかなラインが消えてしまう

特大バッグを入れると、鎖骨の下あたりから急激にバストが盛り上がることになります。本来、デコルテからバストトップにかけては緩やかな傾斜があるべきですが、大きなバッグの上端が鎖骨近くまで来てしまうと、段差のような急な立ち上がりが生まれます。

これにより、首元が開いた服を着た際に、不自然な盛り上がりが目立ってしまうのです。

不自然なデコルテラインの特徴と原因

特徴的な見た目主な原因周囲への印象
段差の形成バッグの上縁が皮膚を押し上げ境界線ができるシリコンが入っていることが一目で分かる
過剰なボリューム本来脂肪が少ない鎖骨下に厚みが出る太って見える、または筋肉質すぎるように見える
骨張った感触の消失胸骨や肋骨の自然なラインが埋もれる全体的にのっぺりとした人工的な印象を与える

谷間が狭すぎて皮膚がテント状に浮いてしまう不自然さがある

「Y字」のような深い谷間は魅力的ですが、400cc以上のバッグを無理に入れると、左右のバストが中央に寄りすぎてしまい、谷間の皮膚が骨から浮き上がってしまう「テント現象」が起きる場合があります。

これは、バッグの容積に対して皮膚の面積が足りず、中央部分の皮膚がピンと張ってしまうために生じます。

ひどい場合には、左右の胸がつながって一つに見えてしまうような状態になりかねません。自然な谷間には、胸骨に沿った適度な隙間と皮膚の柔らかさが必要です。

しかし、特大バッグ同士が押し合ってそのスペースがなくなり、呼吸をするたびに胸全体が板のように動くような、硬い印象を与えてしまいます。

美しい谷間を作るつもりが、逆に美しさを損なう結果になるのは避けるべきです。

400cc以上のバッグを挿入する手術における身体への負担と合併症

特大バッグの手術は剥離範囲が広く、出血や術後の痛みが強くなる傾向があります。カプセル拘縮などの合併症リスクもサイズに比例して高まることを理解しましょう。

大きなバッグを入れるために剥離範囲が広がり出血量が増える

バッグを挿入するポケット(スペース)を作成するためには、大胸筋下や乳腺下の組織を剥離する必要があります。

400cc以上のバッグを入れる場合、この剥離範囲を通常よりもかなり広く、時には脇の奥の方や正中線(身体の中心)ギリギリまで広げなければなりません。剥離範囲が広くなればなるほど、血管を損傷する可能性が高まり、術中の出血量が増加します。

出血が多いと、術後に血腫(血の塊)ができるリスクが高まります。血腫ができると、強い腫れや痛みを引き起こすだけでなく、感染の温床になるときもあります。

さらには、将来的なカプセル拘縮の原因になったりもします。そのため、ドレーン(血抜きの管)を長期間留置する必要が生じるなど、術後の管理も煩雑になり、患者さんの負担は確実に重くなります。

術後の痛みが強く回復までに長い期間が必要になる傾向がある

組織が無理やり引き伸ばされることによる痛みは、想像以上に激しいものです。特に大胸筋下に特大バッグを入れた場合、筋肉が常にストレッチされた状態になり、強い筋肉痛のような痛みが長く続きます。

また、皮膚が急激に引き伸ばされるために起こるジンジンとした痛みや、神経が圧迫されて感覚異常(しびれや知覚鈍麻)が生じる場合もあります。

通常のサイズの豊胸手術であれば、数日から1週間程度で日常生活に戻れる方が多いです。しかし400cc以上の場合は、腕を上げたり重いものを持ったりする動作に制限がかかる期間が長引きます。

仕事や家事への復帰計画も、余裕を持って立てる必要があり、社会生活への影響も考慮しなければなりません。

カプセル拘縮が起きた場合の変形がより顕著に現れるリスク

カプセル拘縮とは、身体が異物であるバッグを防御しようとして膜(カプセル)を作り、それが厚く硬くなってバッグを締め付けてしまう現象です。

どのサイズのバッグでも起こり得る合併症ですが、特大バッグの場合、拘縮が起きた際の影響がより深刻になります。

バッグ自体が大きいため、締め付けられた時の変形の度合いが大きく、ボールのように硬く丸まってしまうのです。

カプセル拘縮の重症度分類(ベイカー分類)とその影響

グレード状態特大バッグの場合の特徴
グレードI柔らかく自然な見た目特になし(正常な経過)
グレードII見た目は自然だが触ると少し硬いバッグの大きさが災いし、硬さを感じやすい
グレードIII明らかに硬く、変形が見られるボールのような不自然な丸みが強調され、見た目が著しく悪化する
グレードIV硬く変形し、痛みを伴う強い圧迫感と持続的な痛みが生じ、再手術が必要不可欠となる

将来的にバッグを除去したり入れ替えたりする際の難易度

一度伸びきった皮膚は、バッグを抜去しても元には戻りません。将来的にバッグを取り出す際、しわしわになった皮膚の処理や追加の手術が必要になる難しさがあります。

伸びきった皮膚がバッグ除去後にしわしわに余ってしまう問題とは

長期間にわたって風船のように膨らまされていた皮膚は、中身であるバッグを取り出すと、空気が抜けた風船のようにしぼんでしまいます。

皮膚の収縮力が残っていれば多少は戻りますが、400cc以上で極限まで引き伸ばされた皮膚は、収縮の限界を超えているケースがほとんどです。

その結果、バッグを抜いた後の胸は、皮膚が余ってたるみ、しわしわの状態になってしまいます。この「皮膚余り」の状態は、見た目年齢を一気に老け込ませてしまいます。

単にサイズが小さくなるだけでなく、形状が崩れてしまうため、バッグを抜去した後も、温泉に行ったりパートナーに見せたりできなくなるという、新たなコンプレックスを抱えることになりかねません。

バストの形を整えるために吊り上げ手術が追加で必要になるかも

  • 皮膚切除(マストペクシー)の必要性
    余った皮膚を切り取り、乳頭の位置を適切な高さに戻す吊り上げ手術が同時に必要になります。これにより、バストに新たな傷跡(逆T字型や垂直方向の傷)が増えます。
  • 手術時間の延長と費用の増加
    単なる抜去手術に比べて、吊り上げ手術は高度な技術と時間を要します。そのため、手術費用も高額になり、身体への負担も大きくなります。
  • ダウンタイムの長期化
    皮膚を切除して縫合するため、傷の治癒に時間がかかり、抜去後のダウンタイムも長引きます。

元のバストサイズに戻すのが難しく精神的なダメージが残る

「やっぱり大きすぎたから元の胸に戻したい」と願っても、特大バッグを入れていた胸を完全に元の状態に戻すのは不可能です。乳腺組織は長期間の圧迫で萎縮しており、元のボリュームよりも減ってしまっている方が多いからです。

さらに、伸びた皮膚を処理しても、かつてのようなハリのあるバージンバストを取り戻すのは極めて困難です。自分の身体が不可逆的に変化してしまったという事実は、大きな精神的ストレスとなります。

安易な気持ちでサイズアップを求めた結果、将来的に長い期間、自分の胸の形に対する悩みを抱え続けることになるリスクを、手術前に十分に想像する必要があります。

特大サイズを希望する場合に医師と確認すべき重要なチェックポイント

それでもなお「どうしても大きなバストにしたい」という強い意志をお持ちの場合、医師との綿密なカウンセリングが必要です。

医師の言いなりになるのではなく、ご自身でも知識を持ち、客観的なデータに基づいて判断しましょう。

自分の胸郭の幅に対して無理のないサイズかどうかを測定しましょう

バッグの直径(横幅)は、ご自身の胸郭の幅(バストの土台となる幅)を超えてはいけません。一般的に、胸郭の幅から皮膚の厚みを考慮して1〜2cm程度引いた数値が、安全に挿入できるバッグの最大直径の目安となります。

カウンセリングでは、メジャーやキャリパー(計測器)を使って正確に数値を測定してもらい、選ぼうとしているバッグの直径がその範囲内に収まっているかを必ず確認してください。

もし胸郭の幅よりも大きなバッグを選べば、バッグは外側や内側にはみ出し、触れる位置にバッグの縁が来てしまいます。

これはリプリングや不自然な見た目の直接的な原因となります。数値は嘘をつきませんので、感覚ではなく計測値に基づいたサイズ選定を行うのが失敗を防ぐ第一歩です。

皮膚の厚みや弾力性がバッグの重みに耐えられるか診断が必要

皮膚のコンディションも重要な判断基準です。医師に「ピンチテスト」を行ってもらいましょう。これは指で胸の皮膚をつまんで厚みを測るテストです。

皮膚をつまんだ時の厚みが2cm未満の場合、400cc以上のバッグを覆い隠すことは難しく、バッグの感触がそのまま伝わってしまう可能性が高いと判断されます。

また、授乳経験の有無や、急激な体重変動の経験なども皮膚の弾力性に影響します。ご自身の皮膚が「伸びやすいが戻りにくいタイプ」なのか、「硬くて伸びにくいタイプ」なのかを医師に診断してもらいましょう。

その肌質に合ったバッグの種類やサイズを提案してもらうことが大切です。

メリットだけでなく将来のリスクについても詳細な説明を受けましょう

良いことばかりを強調するクリニックには注意が必要です。「400cc入れても自然になりますよ」「最新のバッグなら大丈夫です」といった甘い言葉だけでは不十分です。

10年後、20年後に起こりうるリスクについて、具体的な確率や対処法とともに説明してくれる医師を選びましょう。

カウンセリングで必ず確認・質問すべき項目

確認項目チェックポイント注意すべき回答の例
修正・抜去の可能性将来バッグを抜いた時に胸がどうなるかシミュレーションしてもらう「一生そのままで大丈夫です」と断言する
保証制度の内容カプセル拘縮や位置ズレが起きた際の再手術費用が含まれているか保証期間が極端に短い、または免責事項が多すぎる
医師の経験数400cc以上の大型バッグの症例写真(長期経過含む)を見せてもらう直後の写真しか見せない、具体的な症例数が曖昧

リスクを抑えつつボリュームアップを目指すための代替案や妥協点

400ccに固執せず、脂肪注入を併用したりバッグの高さを工夫したりして、安全に理想のバストに近づける方法があります。段階的なサイズアップも有効な選択肢です。

脂肪注入を併用してバッグの縁を隠し自然に見せる方法は有効?

シリコンバッグと同時に、ご自身の脂肪をバッグの周囲やデコルテ部分に注入する「ハイブリッド豊胸」という手法があります。

脂肪で皮膚の厚みを増してバッグの縁をカバーし、リプリングや不自然な段差を目立ちにくくできます。

表面に近い部分に脂肪層ができるため、触った時の感触がバッグ特有の硬さではなく、本来のバストに近い柔らかさになります。

バッグのサイズを少し落としても、脂肪によるボリュームで補えるため、リスク軽減とサイズアップの両立が可能になります。

サイズを少し落としてハイプロファイルタイプで高さを出す工夫

同じ400ccでも、バッグの形状によって見た目の印象は変わります。底面の直径が小さく、高さ(プロジェクション)が高い「ハイプロファイル」や「ウルトラハイプロファイル」といったタイプのバッグを選ぶと、横幅を抑えつつ前への突出感を出せます。

ただし、高さを出しすぎると皮膚への突き上げが強くなるため注意が必要ですが、直径が骨格内に収まる範囲でプロファイルを調整すると、数値を下げても視覚的なボリューム感を維持可能です。

例えば、350cc程度のハイプロファイルバッグでも、日本人の華奢な体型には十分にグラマラスに見えるケースが多くあります。

段階的にサイズアップしていくと皮膚への負担を和らげられる

どうしても特大サイズを目指したい場合は、一度の手術で完了させようとせず、2回に分けて段階的にサイズアップする方法(ティッシュエキスパンダー法に近い考え方)もあります。

最初は250cc〜300cc程度の無理のないサイズを入れ、数年かけて皮膚が十分に伸びて馴染んだ後に、より大きなバッグに入れ替えるという戦略です。

この方法であれば、急激な皮膚の伸展による肉割れや血流障害のリスクを大幅に減らせます。

費用と時間はかかりますが、身体への安全を最優先に考えた場合、急がば回れの精神で計画的にバストを作り上げていくことが、最終的な成功への近道となるでしょう。

よくある質問

400ccのシリコンバッグを入れた場合のダウンタイムはどれくらい続きますか?

400ccのシリコンバッグを入れた場合、通常のサイズよりも組織へのダメージが大きいため、ダウンタイムは長引く傾向にあります。強い痛みや腫れのピークは術後3日から1週間程度です。

しかし、腕を上げる際の突っ張り感や違和感が完全に消失するまでには1ヶ月から3ヶ月程度かかる方も珍しくありません。

仕事復帰はデスクワークであれば1週間後から可能ですが、身体を使う仕事や激しい運動は、少なくとも1ヶ月以上控えることが必要です。

特大バッグを入れた後に痩せるとバストの見た目はどう変化しますか?

特大バッグを入れた後に体重が減少して痩せると、バストの見た目はより不自然になるリスクが高まります。バッグを覆っている皮下脂肪が減少し、バッグの輪郭が浮き出やすくなるからです。

その結果、デコルテの骨っぽさとバストの盛り上がりの差が強調されてしまいます。

また、リプリング(波打ち)も目立ちやすくなるため、特大バッグ挿入後は極端なダイエットを避け、ある程度の体脂肪率を維持する取り組みが、自然な見た目を保つために大切です。

将来バッグを抜去した際に胸の皮膚は元の状態に戻りますか?

残念ながら、400cc以上のバッグを長期間入れていた場合、抜去後に胸の皮膚が完全に元の状態に戻ることは期待できません。

皮膚は長期間の過度な伸展により弾力性を失っているため、中身を抜くと風船がしぼんだようにたるんでしまう可能性が高いです。

元のハリのある状態に戻すのは難しく、見た目を改善するためには、余った皮膚を切り取る吊り上げ手術などの追加処置が必要になる場合が多いことを理解しておく必要があります。

日本人の体型で400cc以上のバッグを入れても自然に見える条件は何ですか?

日本人の体型で400cc以上のバッグを入れても自然に見える条件は非常に限定的です。具体的には、身長が高く、胸郭(骨格)の幅が広いこと、そして元々のバストにある程度のボリュームがあり、皮膚と皮下脂肪に十分な厚みがあることが挙げられます。

また、バッグの種類を骨格に合わせ適切に選定することも重要です。痩せ型で華奢な方が無理に入れると不自然さは避けられないため、ご自身の身体的条件を冷静に見極めましょう。

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