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豊胸インプラントに興味があっても、「シリコンって本当に安全なの?」という不安がぬぐえない方は多いでしょう。実はシリコン素材は1960年代の登場以降、幾度もの改良を重ね、破損率やカプセル拘縮率は大幅に低下しています。
現在使われているコヒーシブシリコンジェルインプラントは、万が一シェルが損傷してもジェルが体内に流出しにくい構造を採用しています。
この記事では、豊胸インプラントの世代ごとの変化や安全性に関する臨床データ、注意すべきリスクまで、医師の視点からわかりやすく解説します。
資格・所属
【略歴】
ご自身の脂肪を活用した「自然な豊胸術」や、美しいボディラインを作る脂肪吸引を専門とする形成外科専門医。獨協医科大学医学部卒業後、獨協医科大学病院形成外科・美容外科入局。足利赤十字病院形成外科、獨協医科大学埼玉医療センター 形成外科学内助教、THE CLINIC大阪院・名古屋院の副院長を経て2024年、名古屋にARIEL .BUST.CLINICを開院。
ARIEL .BUST.CLINICは、ご自身の脂肪を活用した豊胸術(脂肪注入)を得意とする名古屋のクリニックです。それぞれの体型やご希望に応じた専門的なご提案をしており、脂肪採取(脂肪吸引)から繊細な注入、傷跡のケアに至るまで、形成外科専門医としての知識と技術を評価いただき、全国から患者様にお越しいただいています。
豊胸手術を含むボディメイクは、決して焦る必要のないものです。このサイトでは専門医の視点から、脂肪豊胸に関する正しい知識やメリット・デメリットを執筆しています。すぐに施術を決めることはせず、まずはじっくりと知識を深めた上で、ご自身が心から信頼できるクリニックへ相談されるようにしてください。
シリコン豊胸インプラントは1962年の誕生以来、素材の改良とシェル構造の見直しを繰り返し、安全性と仕上がりの自然さが格段に高まっています。
現在は第5世代・第6世代と呼ばれる製品が主流となり、初期のインプラントとはまったく別物といえるほどの進歩を遂げました。
豊胸用のシリコンインプラントが初めて開発されたのは1962年のことです。当時のインプラントは厚いシリコンエラストマーのシェルに粘度の高いジェルを詰めた構造で、背面にはダクロンパッチが取り付けられていました。
この第1世代のインプラントは触感が硬く、カプセル拘縮(体がインプラント周囲に硬い被膜を形成する現象)の発生率も高いものでした。それでも、豊胸手術の道を切り開いた画期的な医療機器であったことに変わりありません。
1970年代に登場した第2世代では、シェルが薄くなりジェルの粘度も下がりました。柔らかい感触が得られる一方、シリコンがシェルを透過する「ジェルブリード」や破損のリスクが高まるという問題が生じています。
1980年代前半の第3世代では、多層構造のシェルにシリカ強化が施され、シリコンの漏出と破損のリスクが大幅に軽減されました。この世代から「素材の安全性を高める」という方向性が明確に打ち出されたといえるでしょう。
| 世代 | 年代 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 第1世代 | 1960年代 | 厚いシェル、硬い質感、ダクロンパッチ付き |
| 第2世代 | 1970年代 | 薄いシェル、低粘度ジェル、ジェルブリード増加 |
| 第3世代 | 1980年代前半 | 多層シェル、シリカ強化で漏出リスク低減 |
| 第4世代 | 1980年代後半 | コヒーシブジェル導入、テクスチャード表面 |
| 第5世代 | 1990年代〜 | 高コヒーシブジェル、解剖学的形状 |
1980年代後半からの第4世代では、厚いシェルとより結合力の強いコヒーシブジェルが採用され、テクスチャード(ざらざらした)表面も初めて導入されました。
そして1990年代以降の第5世代では、高コヒーシブジェルによる形状安定型(フォームステーブル)インプラントが誕生しています。
この第5世代インプラントは、半分に切断してもジェルが流れ出さないほどの結合力を持ち、仕上がりの自然さと安全性を両立させました。米国FDAが2006年にシリコンジェルインプラントの販売を再承認した背景にも、この世代の臨床データが大きく貢献しています。
2010年代以降に登場した第6世代インプラントは、生体になじみやすいバイオミメティック(生体模倣型)表面を採用しています。シェルの耐久性も向上し、ジェルの粘度バリエーションも広がりました。
表面加工技術の進歩は、カプセル拘縮やBIA-ALCL(後述)のリスク低減にもつながると期待されており、今後も素材の改良は続いていくでしょう。
コヒーシブシリコンジェルの登場は、豊胸手術の安全性に対する考え方を根本から変えました。従来の液状に近いジェルと異なり、架橋結合(分子同士のつながり)を強化した素材であるため、破損時のシリコン流出リスクが格段に低くなっています。
コヒーシブとは「結合力がある」という意味で、ジェルの分子同士がしっかりとつながった状態を指します。シェルに穴が開いても、ジェルがゼリーのように形を保つため、従来品のように液状シリコンが周囲の組織に広がりにくいのが特長です。
ある動物実験では、第5世代の高コヒーシブジェルインプラントを意図的に穿刺しても、第2世代の高ブリードインプラントと比較してカプセルの硬化が有意に少なかったことが報告されています。
コヒーシブジェルのもう一つの利点は、形状保持力の高さです。解剖学的な形状(涙型)に成形されたインプラントは、立位でも仰臥位でも胸の自然なラインを再現しやすく、長期間にわたって見た目の変化が少ない傾向にあります。
臨床試験では、術後8年以上経過してもインプラントの形状が安定し、患者満足度が90%を超えるデータが複数報告されています。
米国FDAの承認取得に際して実施された大規模コアスタディでは、豊胸目的の患者の95%、再建目的の患者の94%がインプラントに満足していると回答しました。6年間の追跡調査でも満足度は高い水準を維持しています。
安全性データと患者満足度の両方が長期にわたって高い数値を示していることは、コヒーシブジェルインプラントの信頼性を裏付ける材料のひとつです。
| 項目 | 従来ジェル | コヒーシブジェル |
|---|---|---|
| 破損時の挙動 | 液状シリコンが流出 | ジェルが形を保持 |
| 形状安定性 | やや変形しやすい | 長期間安定 |
| 触感 | 柔らかい | やや硬めだが自然 |
カプセル拘縮は豊胸インプラント手術における代表的な合併症ですが、シリコン素材とシェル技術の進化により、発生率は着実に下がっています。
現在の第5世代インプラントでは、豊胸目的の患者で5%前後、再建目的でも10〜18%程度というデータが報告されています。
人間の体は体内に入った異物の周囲に線維性の被膜(カプセル)を形成します。この被膜が過剰に収縮して硬くなった状態がカプセル拘縮です。重症化するとインプラントの形が変わったり、痛みを感じたりすることがあります。
カプセル拘縮の程度はBakerグレード(I〜IV)で分類され、グレードIII以上になると外見上の変形や不快感が目立つようになります。
第2世代のインプラントはジェルブリード量が多く、それに比例してカプセルが硬くなりやすい傾向にありました。ジェルブリードとカプセルの硬さには用量依存的な関係があることが動物実験で確認されています。
第3世代以降はシェルの多層構造化とジェルの高コヒーシブ化により、ブリード量が減少しました。その結果、カプセル拘縮の発生率も大幅に低下しています。
カプセル拘縮には細菌感染が関与しているという研究報告もあります。そのため、手術時に抗菌薬を使った洗浄や、インプラントに直接触れる時間を短縮するなど、さまざまな感染対策が実施されています。
術中の無菌操作やポケット内のドレナージなど、外科的テクニックの向上も拘縮率低下に貢献しているといえるでしょう。
カプセル拘縮は術後数か月から数年にかけて徐々に進行する場合が多く、早期であれば外科的介入なしで経過観察できるケースもあります。定期的に医師の診察を受けると、変化を早い段階でとらえることが可能です。
違和感や胸の硬さを感じた場合は、次の検診を待たずに担当医に相談しましょう。
「インプラントが体内で壊れたらどうしよう」という心配は、豊胸を検討する方にとって切実な問題です。現行のコヒーシブジェルインプラントでは、術後6〜8年時点の破損率が1〜3.5%と非常に低い水準に抑えられています。
FDAが承認した大規模臨床試験(コアスタディ)では、6年間の追跡調査で破損率がインプラント単位で3.5%と報告されました。別の欧州多施設研究でも、8年時点でインプラント単位0.9%、患者単位1.4%という結果が示されています。
初期のインプラントと比べると、破損率は劇的に低くなっています。シェルの強度向上とジェルの高コヒーシブ化が相乗効果を発揮した結果です。
シリコンインプラントの破損は、外から見てわかる場合もあれば、自覚症状のない「サイレントラプチャー」として検査で初めて発見されることもあります。
MRI検査はインプラント破損の検出において高い精度を持つため、FDAは術後5〜6年目から定期的なMRI検査を推奨しています。
超音波検査(エコー)も補助的な検出手段として活用されており、患者の負担が比較的軽い検査方法として利用されています。
コヒーシブジェルインプラントの場合、シェルが損傷してもジェルが一塊のまま留まるため、シリコンが広範囲に拡散するリスクは低いと考えられています。ただし、破損が確認された場合にはインプラントの入れ替え手術が推奨されます。
55,000人以上の患者を対象とした大規模追跡調査では、シリコンインプラント装着者において結合組織疾患や神経疾患、がんの発生率が一般集団や生理食塩水インプラント装着者と比べて上昇しなかったと報告されています。
| 研究 | 追跡期間 | 破損率 |
|---|---|---|
| FDAコアスタディ | 6年 | 3.5%(インプラント単位) |
| 欧州多施設研究 | 8年 | 0.9%(インプラント単位) |
| Style 410試験 | 8年(中央値) | 1.7% |
BIA-ALCL(ブレストインプラント関連未分化大細胞リンパ腫)は、インプラント周囲に発生する極めてまれなリンパ腫です。
テクスチャード(粗面加工された)表面のインプラントとの関連が報告されており、スムース表面への移行や新たな表面技術の開発が進んでいます。
BIA-ALCLは、CD30陽性のT細胞性非ホジキンリンパ腫に分類されるがんの一種です。インプラント装着者に発症する確率は年間100万人あたり1〜3例程度と推定されており、非常にまれな疾患です。
発症までの期間は中央値で約11年と報告されており、多くの場合はインプラント周囲の液体貯留(漿液腫)として見つかります。
これまでに確認されたBIA-ALCLのほぼすべてが、マクロテクスチャードと呼ばれる粗い表面加工を持つインプラントに関連しています。
メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの前向きコホート研究では、3,546人中10人にBIA-ALCLが発生し、発生率は1,000人年あたり0.311例でした。
2019年には、特定メーカーのマクロテクスチャードインプラントが自主回収となり、業界全体で表面加工の見直しが加速しました。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 推定発生率 | 年間100万人あたり1〜3例 |
| 発症までの中央値 | 約11.5年 |
| 関連する表面 | マクロテクスチャード |
| 主な初発症状 | インプラント周囲の漿液腫 |
BIA-ALCLとの関連が指摘されて以降、スムース(平滑)表面やナノテクスチャ、マイクロテクスチャの製品を選択する医師が増えています。バイオミメティック表面を持つ第6世代インプラントも、この流れを受けて開発されたものです。
国際的にも、テクスチャードインプラントの使用規制や使用ガイドラインの整備が進んでおり、患者が安心してインプラントの種類を選べる環境が整いつつあります。
BIA-ALCLは早期に発見すれば、インプラントの除去とカプセル切除だけで完全寛解が期待できるとされています。遅延性の漿液腫やインプラント周囲のしこりに気づいた場合は、速やかに専門医を受診してください。
多くの場合は限局性(カプセル内にとどまる)の疾患であり、適切に対処すれば予後は良好です。全身に広がった進行例は非常にまれで、早期発見の体制が整っていれば過度に恐れる必要はありません。
「シリコンが体内で悪さをするのでは」という不安は、豊胸を検討する方に根強く存在します。しかし、大規模な疫学研究の蓄積により、シリコンインプラントと自己免疫疾患や結合組織疾患との因果関係は科学的に否定されています。
近年、「ブレストインプラントイルネス(BII)」と呼ばれる概念がSNSなどを中心に広がっています。倦怠感、関節痛、脳の霧(ブレインフォグ)など50種類以上の症状が報告されていますが、現時点でBIIは公式な医学的診断名として確立されていません。
一部の患者がインプラント抜去後に症状の改善を感じているという報告はあるものの、プラセボ効果との区別が難しく、因果関係を証明する質の高い研究は不足しています。
55,000人以上を5〜8年にわたり追跡した研究では、シリコンインプラント装着者の結合組織疾患や自己免疫疾患の発生率が一般集団と変わらないことが確認されています。
米国医学アカデミー(旧IOM)も1999年の報告書で、シリコンインプラントと全身性疾患の因果関係を示す証拠はないと結論づけました。
これらのデータは、シリコン豊胸インプラントの安全性を支持する強い根拠となっています。
科学的根拠が豊富であっても、自分の体のことで不安を感じるのは自然なことです。「何か変だな」と思ったら、自己判断せずに豊胸手術を行った医療機関や形成外科の専門医を受診してください。
インプラントを維持するか抜去するかは、最終的に患者自身が決めることです。専門医との対話を通じて、納得のいく選択をしていただきたいと思います。
豊胸インプラントの安全性は年々向上していますが、手術を受ける前に知っておくべきことがあります。後悔のない選択をするために、以下の5つのポイントを必ずチェックしておきましょう。
豊胸手術は形成外科や美容外科の専門的なトレーニングを積んだ医師が行うべき手術です。担当医の専門医資格、豊胸手術の執刀数、所属学会などを事前に確認してください。
カウンセリングの段階で自分の希望や不安を率直に伝え、医師から十分な説明を受けられるかどうかも、信頼できる医療機関を見極める判断材料になります。
| ポイント | 確認内容 |
|---|---|
| 専門資格 | 形成外科専門医・美容外科専門医の有無 |
| インプラント情報 | 使用製品のメーカー名・世代・表面タイプ |
| 検診体制 | 術後の定期検診スケジュールとMRI検査の頻度 |
| リスク説明 | 合併症の具体的な発生率と対処法 |
| 保証制度 | メーカーの製品保証や入れ替え保証の有無 |
インプラントにはラウンド型(丸型)とアナトミカル型(涙型)があり、ジェルのコヒーシブ度合いや表面テクスチャも製品によって異なります。自分の体型や希望する仕上がりに合った製品がどれか、医師と相談して納得したうえで決定してください。
FDA承認やCEマーク取得の有無など、国際的な安全基準をクリアしている製品を使用しているかどうかも大切な確認事項です。
豊胸インプラントは「入れたら終わり」ではなく、定期的な経過観察が欠かせません。FDAは術後5〜6年目から2〜3年ごとのMRI検査またはエコー検査を推奨しています。
手術を受ける前に、術後の検診はどの程度の頻度で行われるのか、検査費用はどのくらいかかるのかを必ず確認しておきましょう。長期にわたる健康管理を見据えた計画を立てることが、安心して豊胸手術を受けるための土台になります。
シリコン豊胸インプラントには明確な「使用期限」が定められているわけではありません。一般的には10〜20年程度で入れ替えを検討する方が多いとされています。
ただし、破損やカプセル拘縮などの問題がなければ、それ以上使い続けている方もいます。定期的なMRI検査やエコー検査でインプラントの状態を確認し、担当医と相談しながら判断することが大切です。
コヒーシブシリコンジェルインプラントが授乳に直接悪影響を及ぼすという科学的根拠は、現時点では報告されていません。大規模臨床試験でも、インプラント装着後の授乳や生殖機能に関するトラブル発生率は、術前よりも低い水準にとどまっています。
ただし、切開位置や挿入層によっては乳腺組織や乳管に影響が及ぶ可能性があるため、将来の授乳を希望される方は、カウンセリングの際にその旨を必ず医師に伝えてください。
シリコンインプラントがマンモグラフィの撮影範囲を一部遮ることがあるのは事実です。しかし、インプラント装着者向けの特殊撮影法(エクランド法)を用いれば、乳腺組織の大部分を確認できます。
乳がん検診を受ける際には、インプラントが入っていることを検査機関に事前に伝えてください。MRI検査と併用すると、検出精度をさらに高めることが可能です。
BIA-ALCLの確実な予防法は現時点で確立されていませんが、マクロテクスチャード表面のインプラントとの関連が報告されているため、スムース表面やマイクロテクスチャ表面の製品を選ぶことがリスク低減につながると考えられています。
術後にインプラント周囲の腫れや液体貯留など通常と異なる変化を感じた場合は、早めに専門医を受診してください。早期発見と適切な対応が良好な予後につながります。
シリコン豊胸インプラントの抜去後に、新しいインプラントを再挿入することは可能です。再挿入のタイミングや適切なインプラントの選択は、抜去の理由や周囲の組織の状態によって異なります。
カプセル拘縮やインプラント破損が原因で抜去した場合は、カプセル切除や組織の回復期間を設けてから再挿入を検討する場合もあります。担当の形成外科医と十分に話し合い、ご自身に合ったプランを立ててください。
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| 経路 | 名古屋駅よりミヤコ地下街2番出口から出てすぐ。モード学園スパイラルタワーズを目印にカラオケJOYJOYの隣のビルです。 |
| 診療時間 | 10:00~19:00 |
| 休診日 | 不定休 |
| 電話番号 | 052-551-8887 |
ARIEL.BUST.CLINICでは日本形成外科学会専門医資格を有した医師が診療にあたっております。日本美容外科学会(JSAPS)正会員、ジュビダームビスタ認定医、VASER LIPO認定医、コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医資格、ICLS(Immediate Crdiac Life Support)を有し、各学会での発表も積極的に行っています。
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