施術一覧
TOP
施術一覧
施術一覧
TOP
施術一覧

豊胸手術を検討する際、多くの人が直面するのは「どの方法が自分に合っているのか」という深い迷いです。インターネット上には情報が溢れ、かえって判断を難しくしています。
しかし、正解は一つではありません。あなたの本来持っている体型、譲れない希望、そして生活スタイルや性格によって、選ぶべき道は自然と絞り込まれます。
本記事では、後悔しない選択をするために必要な判断基準を網羅的に整理しました。自分自身の心と体に向き合い、納得のいく答えを見つけるための手助けとして活用してください。
資格・所属
【略歴】
ご自身の脂肪を活用した「自然な豊胸術」や、美しいボディラインを作る脂肪吸引を専門とする形成外科専門医。獨協医科大学医学部卒業後、獨協医科大学病院形成外科・美容外科入局。足利赤十字病院形成外科、獨協医科大学埼玉医療センター 形成外科学内助教、THE CLINIC大阪院・名古屋院の副院長を経て2024年、名古屋にARIEL .BUST.CLINICを開院。
ARIEL .BUST.CLINICは、ご自身の脂肪を活用した豊胸術(脂肪注入)を得意とする名古屋のクリニックです。それぞれの体型やご希望に応じた専門的なご提案をしており、脂肪採取(脂肪吸引)から繊細な注入、傷跡のケアに至るまで、形成外科専門医としての知識と技術を評価いただき、全国から患者様にお越しいただいています。
豊胸手術を含むボディメイクは、決して焦る必要のないものです。このサイトでは専門医の視点から、脂肪豊胸に関する正しい知識やメリット・デメリットを執筆しています。すぐに施術を決めることはせず、まずはじっくりと知識を深めた上で、ご自身が心から信頼できるクリニックへ相談されるようにしてください。
豊胸手術には大きく分けて「シリコンバッグ」「脂肪注入」「ヒアルロン酸注入」の3つの手法が存在します。これらはそれぞれ全く異なるアプローチでバストの悩み解決を図ります。
各手法が持つ特性を深く理解することは、自分に合った施術を選ぶための第一歩となります。各術式の基本的なスペックと特徴的なメリット・注意点を以下の表に整理しました。
まずは全体像を把握しましょう。
| 項目 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| シリコンバッグ | 確実なサイズアップが可能 半永久的な持続性 痩せ型でも対応可能 | 異物挿入による被膜拘縮リスク 定期的な検診が必要 切開に伴うダウンタイム |
| 脂肪注入 | 自然な感触と動き 部分痩せ効果も同時に得られる 異物反応がない | 大幅なサイズアップには限界 定着率に個人差がある 脂肪採取部のダウンタイム |
| ヒアルロン酸 | ダウンタイムがほぼない 傷跡が残らない 細かいデザイン調整が可能 | 効果が一時的(数ヶ月〜数年) 維持費が高額になりやすい 大量注入はしこりの原因に |
上記の通り、それぞれに明確な長所と短所があります。続いて、各手法がどのような原理でバストアップを実現するのか、詳細を見ていきます。
シリコンバッグ豊胸は、人工のプロテーゼをバスト内に挿入することで、物理的にボリュームを作り出す方法です。この手法の最大の特徴は、希望するサイズや形を確実に作り出せる点にあります。
もともとのバストサイズに関わらず、2カップ以上の大幅なサイズアップが可能であり、半永久的な効果を期待できます。
近年ではバッグの性能が向上し、自然な感触や動きを追求した製品も多く登場しています。しかし、異物を体内に入れるという点において、心理的な抵抗感を持つ人も少なくありません。
一度挿入すれば終わりではなく、長期的な視点での検診やメンテナンスを意識する必要があります。
痩せ型の人でもボリュームを出せる反面、皮膚が薄い場合はバッグの輪郭が浮き出てしまうリスクも考慮しなければなりません。医師の技術とバッグの選択が、仕上がりを大きく左右します。
脂肪注入豊胸は、自分のお腹や太ももから吸引した脂肪を加工し、バストに注入する方法です。
自分の組織を使用するため、アレルギー反応のリスクが極めて低く、見た目や触り心地が非常に自然であるというメリットがあります。
脂肪吸引を行った部位はサイズダウンするため、バストアップと部分痩せを同時に叶えることができる点も大きな魅力です。
定着した脂肪は自分の体の一部となり、半永久的に残ります。ただし、注入した脂肪すべてが定着するわけではなく、一部は体内に吸収されてしまいます。
そのため、一度の手術で劇的なサイズアップを望む場合には限界があり、複数回の手術が必要になることもあります。
しこり(石灰化)のリスクを避けるためには、不純物を除去した良質な脂肪を、適切な層に分散して注入する高度な技術が求められます。
ヒアルロン酸注入豊胸は、バスト専用のヒアルロン酸製剤を注射器で注入する方法です。メスを使用しないため、体に傷跡が残らず、ダウンタイムが非常に短いのが特徴です。
手術というよりも「処置」に近い感覚で受けられるため、精神的なハードルが低く、即効性を求める人に選ばれています。
注入直後からバストの変化を実感でき、左右差の微調整やデコルテ部分のハリ出しなど、細かいデザインが可能です。
しかし、ヒアルロン酸は時間とともに体内に吸収されるため、効果は永続的ではありません。状態を維持するためには定期的な注入が必要となり、長期的に見るとコストがかさむ傾向にあります。
大量に注入するとしこりの原因になることもあるため、あくまでプチ豊胸としての位置付けで考えることが重要です。
豊胸手術の満足度は、仕上がりの美しさだけでなく、その後の生活における「精神的な快適さ」に大きく依存します。
自分の性格や価値観に合わない方法を選んでしまうと、術後のケアやメンテナンスが大きなストレス要因となり得ます。まずはご自身の性格傾向から、推奨される方向性を確認してみましょう。
自分が何を重視し、何を不安に感じるタイプなのかを見極めることが大切です。以下に具体的な性格タイプごとの適性を解説します。
目標とするサイズや形が明確で、一度の施術で確実な変化を手に入れたいと考える人は、シリコンバッグ豊胸との相性が良い傾向にあります。
このタイプの人は、結果が曖昧になることを嫌います。「思ったより大きくならなかった」「左右差が気になる」といった不確定要素を排除したいという心理が働きます。
シリコンバッグであれば、事前にシミュレーションした通りの大きさを確保できます。術後の変化が計算できるため、計画的に理想のボディラインを作り上げたいという欲求を満たします。
ただし、異物が入っているという事実を受け入れ、定期的なメンテナンスを管理する几帳面さも同時に持ち合わせていることが望ましいです。
「周囲にバレたくない」「パートナーに触られたときの違和感が怖い」と考える慎重派の人は、脂肪注入豊胸を選択することで安心感を得られます。
このタイプの人は、急激な変化よりも、あたかも最初からそうであったかのような自然な仕上がりを重視します。
自分の脂肪を使用するため、レントゲンに写る異物を心配する必要もありません。加齢とともにバストも自然に変化していくため、長期的に見ても違和感が生じにくいという安心感があります。
「何か入っている」という不安を抱えながら生活することにストレスを感じる人にとって、最も精神的な負担が少ない選択肢となります。
手術に対する恐怖心が強く、まずは少しだけ変化を試してみたいと考える人は、ヒアルロン酸注入から始めることが多くあります。
このタイプの人は、将来的に元に戻せるという「可逆性」に安心感を覚えます。
大きなリスクを負うことを避け、現状の悩みをピンポイントで解決したいというニーズを持っています。
例えば、結婚式やイベントに合わせて一時的にバストアップしたい、授乳後のしぼんだデコルテだけを直したいといった具体的な目的がある場合に適しています。
まずは手軽な方法で様子を見て、自信がついたら他の方法を検討するというステップを踏むことも一つの戦略です。
希望する施術があっても、身体的な条件によって向き不向きが明確に分かれます。特に「皮下脂肪の量」と「皮膚の厚み」は、手術の仕上がりを決定づける重要なファクターです。
ご自身の体型がどの術式に適しているか、以下の適合表を参考にしながら解説を読み進めてください。
| 体型タイプ | シリコンバッグ適合性 | 脂肪注入適合性 |
|---|---|---|
| 痩せ型(脂肪少) | 高い(ただし縁が見えるリスクあり、筋下法などを推奨) | 低い(採取できる脂肪量が不足しがちで、定着率も下がる) |
| 標準〜ぽっちゃり | 非常に高い(自身の組織でカバーでき、自然な仕上がりに) | 非常に高い(十分な脂肪量を確保でき、高い生着率が期待できる) |
| 下垂・皮膚たるみ | 高い(ボリュームで皮膚を張り、形を整えやすい) | 中程度(ハリは出るが、重度の下垂を引き上げる力は弱い) |
無理な選択は不自然な見た目やトラブルの原因となるため、自分の体型を客観的に把握し、医師と相談しながら現実的なプランを立てることが成功への近道です。
体脂肪率が低く、全身的に痩せている人の場合、脂肪注入豊胸を行うための脂肪を確保すること自体が困難な場合があります。
無理に脂肪を採取しようとすると、採取部位に凹凸ができるリスクが高まります。注入しても皮膚に余裕がないため、内圧が高まり定着率が低下する傾向にあります。
このようなケースでは、シリコンバッグ豊胸が有力な選択肢となりますが、注意が必要です。
皮下脂肪や乳腺が薄いため、バッグの縁が皮膚の上から触れてしまったり、波打つような変形(リプリング)が見えたりする可能性があります。
これを防ぐために、大胸筋の下にバッグを挿入する方法や、脂肪注入を併用してバッグの輪郭をカバーする「ハイブリッド豊胸」などを検討することで、痩せ型特有のデメリットを解消します。
ある程度の皮下脂肪がある人は、選択肢の幅が大きく広がります。脂肪吸引によって十分な量の脂肪を確保できるため、脂肪注入豊胸において高いパフォーマンスを発揮します。
特に、太ももやお腹周りの脂肪が気になる場合は、ボディラインを整えつつバストアップを図れるため、満足度が非常に高くなります。
シリコンバッグを選択する場合でも、自身の乳腺や脂肪がバッグを十分に覆ってくれるため、非常に自然な見た目と触り心地を実現できます。
皮膚にも適度な伸びがあるため、大きめのバッグを入れても不自然になりにくく、希望通りのサイズを実現しやすい恵まれた体型と言えます。
授乳や加齢によって皮膚が伸び、バストが下垂してしまった場合、単にボリュームを足すだけでは美しい形にならないことがあります。
皮膚に余裕があることは、脂肪注入やシリコンバッグを入れるスペースがあるという意味で有利に働きますが、同時にリフトアップの視点も必要です。
脂肪注入は肌にハリを取り戻す効果も期待できますが、重度の下垂がある場合は、皮膚の切除を伴うリフトアップ手術や、大きめのシリコンバッグで皮膚を張り出させる方法が検討されます。
ヒアルロン酸注入で一時的にハリを出すことも可能ですが、重力に負けてしまいやすいため、根本的な解決には外科的なアプローチが効果的です。
「とにかく大きくしたい」のか、「形を整えたい」のか、あるいは「デコルテの削げを埋めたい」のか。最終的なゴール設定によって、選ぶべき術式は決定的に異なります。
曖昧な希望のまま手術を受けると、期待値と結果のズレが生じやすくなります。以下に示す目的別の推奨選択肢を参考に、ご自身の理想とするゴールを明確にしましょう。
| 希望するゴール | 推奨される選択肢 | 理由 |
|---|---|---|
| 劇的サイズアップ | シリコンバッグ豊胸 | 容量制限がなく、一度で確実なボリューム確保が可能だから |
| 部分的な修正・谷間 | 脂肪注入 / ヒアルロン酸 | 注入位置と量を細かく調整し、デザインの自由度が高いから |
| 触感・揺れ感重視 | 脂肪注入豊胸 | 自己組織ならではの柔らかさと自然な動きが得られるから |
| とりあえずお試し | ヒアルロン酸豊胸 | 可逆性があり、本格的な手術前のシミュレーションになるから |
明確に大きなバストを望む場合、物理的な体積を確実に確保できるシリコンバッグ豊胸が第一選択となります。
脂肪注入では、一度の手術で定着する量に限界があり、通常は0.5〜1.5カップ程度のアップにとどまります。無理に大量注入するとしこりの原因となるため、安全域を超えたサイズアップはできません。
シリコンバッグであれば、200cc、300ccといった具体的な容量を指定して体内に入れることができます。
AカップからDカップへといった劇的な変化を一度の手術で完成させたいという強い意志がある場合は、迷わずバッグを選択することで、遠回りすることなく理想に近づけます。
全体的な大きさよりも、上半身が貧相に見える「デコルテの骨っぽさ」や、生まれつきの「左右の大きさの違い」を治したいという繊細なニーズには、注入系の施術が力を発揮します。
シリコンバッグは既製品であるため、細かい部分的なボリューム調整には不向きな側面があります。
脂肪注入やヒアルロン酸注入であれば、必要な場所にピンポイントで注入量を調整できます。特に脂肪注入は、デコルテ部分に自然な厚みを出し、ふっくらとした女性らしいラインを作るのに適しています。
左右で注入量を変えることで、完全な対称に近づけることも容易です。「谷間だけ作りたい」「上部だけ盛り上げたい」といったデザイン性を重視する人に適しています。
年齢とともに失われたハリを取り戻したい、いわゆる「若返り」を目的とする場合は、過度なサイズアップよりも質感の改善が重要になります。
パンパンに張った不自然なバストではなく、柔らかく温かみのあるバストを取り戻すことがゴールとなります。
この場合、自身の活性化した細胞を含む脂肪注入が非常に効果的です。脂肪幹細胞の働きにより、皮膚の質感そのものが改善する効果も報告されています。
下垂が気になる場合は、リフトアップ手術と組み合わせることで、より若々しい印象を作ることができます。大きさを競うのではなく、美しさの質を高めるという視点が大切です。
手術を受けるためには、仕事や家事、育児などの日常生活を一時的に調整する必要があります。
どの程度の休暇が取れるのか、いつから通常の生活に戻る必要があるのかは、術式を選ぶ上で無視できない現実的な制約条件です。
ご自身の生活環境で許容できるダウンタイムの範囲を、以下のチェックリストで確認してください。
無理なスケジュールで手術を受けると、術後の回復に悪影響を及ぼしたり、周囲に手術のことが知られてしまったりするリスクがあります。現実的なスケジュールを立てることが重要です。
仕事が忙しく休みが取れない、あるいは家族に内緒にしているため家事を休めないという人は、ダウンタイムが極めて短いヒアルロン酸注入が現実的な選択肢となります。
処置時間はわずか数十分で終了し、直後から通常の生活が可能です。シャワーも当日から浴びられることが多く、生活のリズムを崩すことなくバストアップが可能です。
ただし、内出血が出る可能性はゼロではないため、念のため数日間は激しい運動やサウナなどを控える配慮は必要です。
誰にも気づかれずに、ランチタイムに施術を受けるような感覚で利用できる利便性は、他の手術にはない大きな利点です。
週末プラスアルファの休み(3〜4日程度)が確保できる場合は、シリコンバッグ豊胸も視野に入ります。かつては長期入院が必要だった時代もありましたが、現在は日帰り手術が主流です。
しかし、術後数日間は痛みや腕の上げにくさを感じることがあります。
デスクワークであれば術後3日程度で復帰する人も多いですが、重い荷物を持つ仕事や、腕を激しく使う仕事の場合は、1週間程度の調整が必要です。
術後の固定バンドや専用ブラジャーの着用が必要になるため、服装にも多少の制限が出ます。この期間を乗り切れる環境づくりが重要です。
脂肪注入豊胸の場合、バストだけでなく、脂肪を採取した部位(太ももやお腹)のダウンタイムも考慮しなければなりません。
実は、バストの痛みよりも、脂肪吸引部位の筋肉痛のような痛みや内出血の方が辛いと感じる患者が多くいます。
吸引部位はガードルによる圧迫固定が必要であり、動きにくさを感じることがあります。トイレの動作や歩行に多少の不自由さを感じる期間が1週間程度続くこともあります。
バストと吸引部の両方のケアが必要になるため、比較的ゆとりのあるスケジュールを組める人、あるいは在宅ワークなどで身体への負担を調整できる人に適しています。
豊胸手術は決して安い買い物ではありません。しかし、目先の金額だけで判断するのではなく、将来的にかかる費用や持続期間を含めた「トータルコスト」で考える視点が重要です。
安価な施術を繰り返すよりも、高額な手術を一度受ける方が、結果的に安く済む場合もあります。
ヒアルロン酸注入は、1回あたりの費用は数十万円と比較的安価に設定されていますが、効果は数ヶ月から2年程度で消失します。
サイズを維持し続けるためには、定期的に追加注入が必要となり、数年単位で見ると数百万円の出費になることも珍しくありません。
「ローンを組まずに手軽に始めたい」という入り口としては優秀ですが、長期的なコストパフォーマンスは決して良くないことを理解しておく必要があります。
対してシリコンバッグや脂肪注入は、初期費用として100万円前後のまとまった金額が必要です。その代わり、成功すれば効果は半永久的に続くため、長い目で見ればコストパフォーマンスは高いと言えます。
特に脂肪注入は、一度定着すれば自分の体の一部となるため、追加の維持費がかからない点が経済的なメリットとなります。
シリコンバッグの場合、10年〜20年後にバッグの入れ替えや抜去が必要になる可能性があります。破損やカプセル拘縮(バッグが硬くなる現象)が起きた場合、再手術の費用が発生します。
多くのクリニックでは保証制度を設けていますが、保証期間外であれば実費となるため、将来的な出費のリスクとして頭に入れておく必要があります。
脂肪注入の場合もしこりができた際の除去費用などがかかるリスクがありますが、バッグに比べると大規模な再手術が必要になる頻度は低い傾向にあります。
費用を考える際は、提示された手術代金だけでなく、麻酔代、検診代、そして万が一のトラブル時の対応費用が含まれているかを確認することが大切です。
| 施術タイプ | 初期投資とランニングコスト | コストパフォーマンス判定 |
|---|---|---|
| シリコンバッグ | 初期費用:高 維持費:基本なし(将来的な入替費用の積立が必要) | サイズを永続的に維持したいなら最良。ただし再手術リスクを考慮。 |
| 脂肪注入 | 初期費用:高 維持費:なし(定着後は追加費用ゼロ) | 定着すれば一生モノ。維持費がかからないため長期的には最もお得。 |
| ヒアルロン酸 | 初期費用:低〜中 維持費:高(定期的・継続的な追加が必要) | 一時的な目的以外では割高。お試し体験としての価値が高い。 |
どの手術を選んだとしても、医療行為である以上、リスクはゼロではありません。しかし、正しい知識を持ち、適切な対策を講じることで、リスクを最小限に抑えることは可能です。
各手術に特有のリスクと、それを回避するために患者自身が確認すべきポイントを整理しました。
| 懸念されるリスク | 主な原因 | 回避するための対策 |
|---|---|---|
| 被膜拘縮(バッグ) | 体内での出血、細菌感染、体質 | ドレーン(血抜きの管)の使用、実績あるバッグの選択、術後のマッサージ指導 |
| 石灰化・しこり(脂肪) | 不純物の混入、一箇所への過剰注入 | 不純物除去技術(CRF等)の利用、分散注入技術を持つ医師の選定 |
| 血管塞栓(ヒアル) | 誤って血管内に注入される | 解剖学を熟知した医師による施術、カニューレ(先の丸い針)の使用 |
シリコンバッグ豊胸における最大のリスクは「カプセル拘縮」です。これは、体が異物であるバッグを守ろうとして膜を作り、それが厚く硬くなってバッグを締め付けてしまう現象です。
これを防ぐためには、表面がザラザラしたテクスチャードタイプのバッグを選ぶ、あるいはマッサージを適切に行うなどの対策がありますが、完全に防ぐことはできません。
拘縮が起きた場合、バストが硬くなったり変形したりするため、再手術が必要になります。
医師の技術によって出血を最小限に抑えることが拘縮予防につながるため、経験豊富な医師を選ぶことが非常に重要です。
脂肪注入豊胸のリスクは、注入した脂肪が栄養不足になり壊死してしまうことです。壊死した脂肪は体内で硬いしこり(オイルシストや石灰化)として残ることがあります。
これは、一度に大量の脂肪を、一箇所に集中して注入することで起こりやすくなります。
このリスクを回避するためには、「マルチプルインジェクション」と呼ばれる、層を分けて細かく分散注入する技術が必要です。
不純物を徹底的に除去したコンデンスリッチファットなどを使用することで、定着率を高め、しこりのリスクを低減させることができます。
欲張って一度に大量に入れすぎないという判断も、安全性を確保するためには大切です。
すべての手術に共通するリスクとして、細菌感染や血栓症(エコノミークラス症候群)があります。
特に脂肪注入やシリコンバッグ挿入は大掛かりな手術となるため、衛生管理が徹底されたクリニックを選ぶことが必須です。
喫煙は血流を悪くし、感染リスクを高めたり、脂肪の定着率を著しく低下させたりします。手術前後、少なくとも1ヶ月間の禁煙を守れるかどうかも、成功の鍵を握っています。
自身の健康状態を整え、医師の指示を守ることが、自分自身の身を守ることにつながります。
麻酔技術の進歩により、手術中の痛みは完全にコントロールできるため心配ありません。
術後の痛みについては、静脈麻酔やエクスパレルなどの長時間作用型局所麻酔を使用することで大幅に緩和可能です。
痛みのピークは術後3日程度で、処方される鎮痛剤で日常生活を送れるレベルに落ち着くことがほとんどです。
痛みに特に敏感な場合は、事前に医師に相談することで、より強力な鎮痛プランを立てることができます。
一般的に、豊胸手術が直接的に授乳機能を阻害することはありません。
シリコンバッグは乳腺の下や大胸筋の下に挿入されるため、乳腺組織そのものを傷つけることは原則としてないからです。
脂肪注入も同様に、乳腺の隙間や周囲の層に注入するため、授乳は可能です。
ただし、乳輪を切開する方法など、アプローチによっては乳管に影響を与えるリスクがゼロではないため、将来の妊娠・出産希望がある場合は、必ずカウンセリング時にその旨を伝え、腋窩(わき)切開などの適切な方法を選択してください。
手術を受けたことを申告すれば、ほとんどの場合検診を受けることが可能です。
ただし、シリコンバッグが入っている場合、マンモグラフィー(挟んで撮影する検査)はバッグ破損のリスクがあるため断られる施設があります。
その場合はエコー(超音波)検査やMRI検査を選択することになります。
脂肪注入の場合は、石灰化が乳がんの初期症状と見分けがつきにくい場合があるため、豊胸術後の画像診断に精通した専門医がいる検診機関を選ぶことが大切です。
現在のシリコンバッグは耐久性が高く、トラブルがなければ10年、20年と入れっぱなしにしている人も多くいます。
しかし、人工物である以上、経年劣化による破損のリスクはゼロではありません。メーカーによっては「10年ごとの交換」を推奨している場合もあります。
年齢とともに体型が変化し、バッグとのバランスが悪くなったために入れ替えを希望するケースもあります。
「一生そのままで絶対大丈夫」という保証はないため、数年に一度の定期検診を受ける習慣を持つことが大切です。
修正手術は可能ですが、初回の手術よりも難易度が高くなり、費用も高額になる傾向があります。シリコンバッグの場合は、抜去またはサイズの違うバッグへの入れ替えが可能です。
ヒアルロン酸は溶解注射で溶かすことができます。最も難しいのは脂肪注入で、一度定着した脂肪を均一に減らすことは困難です。
修正のリスクを避けるためにも、最初のカウンセリングで「なりたいイメージ」だけでなく「なりたくないイメージ」もしっかりと共有しておくことが成功への近道です。
GROEN, Jan-Willem, et al. Autologous fat grafting in cosmetic breast augmentation: a systematic review on radiological safety, complications, volume retention, and patient/surgeon satisfaction. Aesthetic Surgery Journal, 2016, 36.9: 993-1007.
ALGHANIM, Khalifa, et al. Fat Grafting Versus Implants: Who’s Happier? A Systematic Review and Meta-analysis. Plastic Surgery, 2025, 33.1: 23-34.
HANDEL, Neal, et al. A long-term study of outcomes, complications, and patient satisfaction with breast implants. Plastic and reconstructive surgery, 2006, 117.3: 757-767.
DESCHLER, Alexis, et al. Primary breast augmentation with autologous fat grafting alone: evaluation of patient satisfaction using the BREAST-Q. Aesthetic Surgery Journal, 2020, 40.11: 1196-1204.
AUQUE, Anna; BODIN, Frédéric. Comparative Study Between Breast Implants and Adipose Tissue Autograft in Primary Aesthetic Breast Augmentation. Aesthetic Plastic Surgery, 2025, 1-13.
ØRHOLT, Mathias, et al. Complications after breast augmentation with fat grafting: a systematic review. Plastic and reconstructive surgery, 2020, 145.3: 530e-537e.
WEDERFOORT, Jamilla LM, et al. Donor site complications and satisfaction in autologous fat grafting for breast reconstruction: A systematic review. Journal of Plastic, Reconstructive & Aesthetic Surgery, 2022, 75.4: 1316-1327.
NGUYEN, Lyly, et al. Preoperative risk factors and complication rates of breast augmentation with fat grafting. Aesthetic Surgery Journal, 2022, 42.7: 749-757.
PAPADOPOULOS, Sarantos, et al. Fat grafting and auto-augmentation mastopexy after breast implant removal: technique and evaluation of outcomes using BREAST-Q. Aesthetic Surgery Journal, 2021, 41.6: NP388-NP401.
QURESHI, Ali A., et al. Patient-reported outcomes of aesthetics and satisfaction in immediate breast reconstruction after nipple-sparing mastectomy with implants and fat grafting. Aesthetic surgery journal, 2017, 37.9: 999-1008.
| 住所 | 〒 450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅 4丁目27-6 μX MEIEKI 4F |
| 経路 | 名古屋駅よりミヤコ地下街2番出口から出てすぐ。モード学園スパイラルタワーズを目印にカラオケJOYJOYの隣のビルです。 |
| 診療時間 | 10:00~19:00 |
| 休診日 | 不定休 |
| 電話番号 | 052-551-8887 |
ARIEL.BUST.CLINICでは日本形成外科学会専門医資格を有した医師が診療にあたっております。日本美容外科学会(JSAPS)正会員、ジュビダームビスタ認定医、VASER LIPO認定医、コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医資格、ICLS(Immediate Crdiac Life Support)を有し、各学会での発表も積極的に行っています。
施術一覧
TOP
施術一覧