顔の脂肪吸引と糸リフトを併用した症例解説
サクションリフトというやつですね。吸引に糸リフトは必要か?について書いていきます。
顔の脂肪吸引に糸リフトは必要なのかを解説します。
結論から行きます。状態による、です。VASERなら引き締まるから不要とか、糸はアップセルだから不要とかいう意見を見ることがあると思いますが、ある意味正しく、ある意味的外れなんですよね。糸リフトが適応になるケースではかなりいい結果が出ますし、併用しないとそもそも吸引しない方が良いというケースもあります。どんなケースでも糸不要論なのはVASERで優位性を出して糸なしで単価を上げたいからが主な理由だと思います。吸引技術ではどうにもならない皮膚の弛みはあります。
まずは術前を見てみましょう。
50代の女性で頬のもたつきが気になるということでした。脂肪がしっかりついているので吸引適応はあります。ただ吸引のみでいいのかは難しいところです。頬はコケていないですが、若干の弛みと写真からは判断がつかない皮膚の柔らかさなどがあります。吸引のみだと写真上では良い変化として出せたとしても、実際には動きや直接見た皮膚の質感は再現されていないので実は結果が良くなかったりします。こういったケースの場合は吸引で出せるタイトニングだけではなく、最近注目されているRFでのタイトニングや糸リフト併用などでより効果を高めてあげるといい結果が出ます。実際に頬の吸引とテスリフト4本を使用して手術を行いました。顎下を吸引しなかったのは脂肪が少なかったこと、弛みがメインでありテスリフトのみでも良さそうだったことからです。吸引してテスリフトを併用していたらもっと良かったと思いますが、ご希望や予算など考慮してベストな提案を心がけています。
では、術後を見てみましょう。1ヶ月後です。
まだ術後1ヶ月ですが、既にかなり変化しているのがわかりますね。頬からしっかり目に20cc(純脂肪のみ)吸引できています。ベイザーをしっかりかけて更にテスリフトを併用することで引き締め効果が出て術後に弛んだ感じは出ていません。術後6ヶ月かけてより引き締まって完成します。またテスリフト自体にもスキャフォールドとしての足場となり皮膚を引き締める役割があるので相乗効果で完成する頃にはより一層引き締まっていると思います。顎下もテスリフトの効果で引き上がって引き締まり始めています。こちらも6ヶ月の頃にはキュッとしていると思います。
最後に比較したものを並べます。
比較で並べてみると激変してますね。マリオネットラインも改善しています。脂肪吸引と糸併用による引き締め効果の良さがわかっていただけると思います。ほとんどの症例で脂肪吸引に糸リフトは不要なことが多いですが、適応のある場合は併用することで吸引のみでは出せない変化や効果を出すことができます。個人的に仕上がりをよくするという意味で予算に余裕があるならテスリフトを頬に併用するのは、どの年齢でも全例でもありかなとは思っています。サクションリフトは吸引して剥がしたものを引き上げて癒着させると言いますが、吸引して薄くなって浅いところを引っ掛けてあげると変な癒着を作ってしまっている症例も見るので、僕の最近の認識では引き上げというよりテスリフトの特性を最大限活かして引き締めて癒着させることの方が安全かつ結果もいいと考えています。というわけで、顔の吸引とテスリフトの相性がかなり良いというお話と症例でした。
ではまた。