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豊胸でアンダーバストは変わる?術後のサイズ計測とブラジャーの買い替え

豊胸でアンダーバストは変わる?術後のサイズ計測とブラジャーの買い替え

豊胸手術を検討する際、多くの人がトップバストの変化に注目しますが、実はアンダーバストの数値や着用感の変化も無視できない重要な要素です。結論から言えば、骨格自体が変わることはありません。

しかし、術後の腫れや皮膚の伸展、挿入物の容量によってアンダーバストの数値が一時的、あるいは恒久的に変化するケースは珍しくありません。この記事では、術後のバストサイズが安定するまでの期間について解説します。

さらに、正確な計測方法や新しいブラジャーへ買い替える適切なタイミングについても詳しく触れていきます。失敗しない下着選びの知識を身につけ、理想のバストライフをスタートさせましょう。

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この記事を書いた人

アリエルバストクリニック 院長 石塚 紀行

石塚 紀行
ARIEL .BUST.CLINIC 院長
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資格・所属

  • 日本形成外科学会専門医
  • コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医
  • VASER Lipo認定医
  • Juvederm Vista 認定医
  • 乳房再建用エキスパンダー/インプラント実施医師
  • 日本形成外科学会所属
  • 日本美容外科学会(JSAPS)所属

【略歴】
ご自身の脂肪を活用した「自然な豊胸術」や、美しいボディラインを作る脂肪吸引を専門とする形成外科専門医。獨協医科大学医学部卒業後、獨協医科大学病院形成外科・美容外科入局。足利赤十字病院形成外科、獨協医科大学埼玉医療センター 形成外科学内助教、THE CLINIC大阪院・名古屋院の副院長を経て2024年、名古屋にARIEL .BUST.CLINICを開院。

ARIEL .BUST.CLINICは、ご自身の脂肪を活用した豊胸術(脂肪注入)を得意とする名古屋のクリニックです。それぞれの体型やご希望に応じた専門的なご提案をしており、脂肪採取(脂肪吸引)から繊細な注入、傷跡のケアに至るまで、形成外科専門医としての知識と技術を評価いただき、全国から患者様にお越しいただいています。

豊胸手術を含むボディメイクは、決して焦る必要のないものです。このサイトでは専門医の視点から、脂肪豊胸に関する正しい知識やメリット・デメリットを執筆しています。すぐに施術を決めることはせず、まずはじっくりと知識を深めた上で、ご自身が心から信頼できるクリニックへ相談されるようにしてください。

豊胸手術とアンダーバストの変化に関する基礎知識

豊胸手術で骨格が変わることはありませんが、皮膚の伸展やバッグの厚みにより、術後はアンダーバストの数値が増加したり、きつく感じたりすることが一般的です。

豊胸手術がアンダーバストに与える物理的な影響

豊胸手術を受けるにあたり、トップバストのサイズアップばかりに意識が向きがちかもしれません。しかし、アンダーバストがどのように変化するかを理解することは、術後の生活を快適に過ごすために極めて重要です。

基本的に、人間の骨格である肋骨の太さが手術によって変わることはありません。それでも実際には、手術後に「アンダーがきつくなった」「数値が増えた」と感じる人が多く存在するのが実情です。

これは、バストのボリュームアップに伴う皮膚の張りや、挿入したバッグの物理的な厚みが影響しているからです。豊胸手術によってバストのボリュームが増大すると、周辺の皮膚や皮下組織には大きな張力がかかります。

特にシリコンバッグ豊胸の場合、一定の体積を持つ異物を挿入するため、その分だけ胸郭周りの円周距離が物理的に増加します。風船の中に空気を入れれば表面積が広がるのと同じ理屈と言えるでしょう。

骨格としてのアンダーバストは不変ですが、メジャーを当てる皮膚表面までの距離が伸びるため、計測上の数値は1〜2センチメートル程度増加する可能性があります。

また、手術直後は組織の修復反応として炎症が起こり、患部全体が腫れ上がります。この腫れはトップバストだけでなく、アンダーバスト周辺にも及び、サイズ計測に影響を与えます。

さらに、麻酔液の影響やリンパの流れの一時的な停滞による「むくみ」も、胴回り全体を太く見せる要因となります。これらの要素が重なり、術後しばらくはアンダーバストがサイズアップしたように感じることが一般的です。

この変化をあらかじめ予測し、一時的なものであるのか、あるいは永続的な変化なのかを見極める知識を持つことが大切です。焦らずに身体の状態が落ち着くのを待ちましょう。

挿入するバッグのサイズや位置とアンダーバストの関係

挿入するシリコンバッグのサイズが大きければ大きいほど、アンダーバストへの影響は顕著になります。大きなバッグは広い底面を持つため、バッグの下縁が本来のアンダーバストラインよりも下側に設定されることがあります。

バッグが肋骨のカーブに沿って収まる際、その厚みの分だけ外側に張り出すため、ブラジャーのアンダーベルトが当たる位置の周囲径は必然的に大きくなります。

バッグを挿入する層の違いもアンダーバストの感覚に影響を与えます。大胸筋下にバッグを入れる方法は、筋肉がバッグを上から押さえつける形になるため、バスト全体がタイトに固定される感覚が強くなります。

その結果、数値上の変化以上に「締め付け感」を感じやすくなる傾向があります。一方、乳腺下法は筋肉の上にバッグが乗るため、比較的圧迫感は少ないと言えます。

ただし、皮膚が薄い人の場合はバッグの輪郭がアンダーラインに影響し、サイズ計測に誤差を生じさせることがあります。医師と相談し、自分の体型に適した挿入位置を決めることが、術後の違和感を減らすポイントです。

豊胸術式によるアンダーバストへの影響比較

術式アンダーバストへの影響度主な要因
シリコンバッグ豊胸大(数値増の可能性が高い)バッグの厚みによる物理的な周径増加、皮膚の伸展
脂肪注入豊胸小〜中(一時的な変化が多い)術後のむくみ、注入量によるボリューム増
ハイブリッド豊胸中〜大(両者の特徴を持つ)バッグの存在感に加え、周囲への脂肪注入による厚み

脂肪注入豊胸におけるアンダーバストの変化

シリコンバッグ豊胸とは異なり、脂肪注入豊胸ではアンダーバストの変化は比較的緩やかです。脂肪注入は皮下脂肪層に組織を足していく施術であり、異物による強い圧迫がないため、不自然な張り出し方は稀です。

ただし、大量の脂肪を一度に注入した場合や、アンダーバストラインの形成を意図して下部に重点的に注入した場合は、アンダーバストの周囲径が増加することがあります。

脂肪注入においても、術後の腫れやむくみは避けて通れません。特に脂肪吸引を行った太ももやお腹のダメージ回復に伴い、全身的にむくみが生じやすくなり、それが胴回りのサイズ増につながることもあります。

脂肪注入だからといってサイズが変わらないと過信せず、身体全体のバランスが落ち着くまで様子を見ることが大切です。一時的な変化に惑わされないようにしましょう。

術後の腫れやむくみがサイズ計測に及ぼす期間と影響

術後1ヶ月までは腫れの影響で数値が大きく出るため計測には不向きであり、正確なサイズが測れるのはむくみが解消する術後3ヶ月から6ヶ月以降です。

手術直後から1ヶ月目までの身体のサイズ変化

豊胸手術を受けた直後からサイズ計測を行うことは、正しい下着選びの観点からは推奨しません。術後の身体は「完成形」とは程遠い、過渡期の状態にあるからです。

手術当日から術後1週間程度は、腫れのピークを迎える時期です。この期間は、手術部位の炎症に加えて、麻酔液の残留や、術中の輸液による影響で、全身がむくみやすくなっています。

バスト自体もパンパンに張っており、触れると硬さを感じることもあります。この時期にアンダーバストを測ると、平常時よりも3〜5センチメートル、場合によってはそれ以上太く計測されることも珍しくありません。

術後1ヶ月が経過する頃には、急性期の強い腫れは徐々に落ち着きを見せ始めます。しかし、組織内部ではまだ修復活動が活発に行われており、見た目には腫れが引いたように見えても、組織の硬さが残っていることが多いです。

この硬さが皮膚の柔軟性を奪い、メジャーを当てた際に皮膚が食い込まず、結果としてアンダーバストの数値が大きめに出ることがあります。術後1ヶ月の時点でのサイズは、まだ最終的なサイズではないと認識しましょう。

むくみが完全に引くまでの一般的な期間の目安

個人の体質や手術の内容にもよりますが、豊胸手術によるむくみが完全に消失するには時間がかかります。バストが本来の柔らかさと形に落ち着くまでには、一般的に3ヶ月から6ヶ月程度の時間を要します。

特にシリコンバッグ豊胸の場合、バッグの周りに被膜が形成され、その状態が安定するまでには半年近くかかると考えた方が無難です。脂肪注入の場合も、注入された脂肪が定着するまでには3ヶ月程度かかります。

定着しなかった脂肪が吸収され、最終的なボリュームが確定するのもこの時期です。つまり、術後3ヶ月を経過するまでは、バストのサイズは日々微細に変化し続けていると言えます。

術後の時期別における身体状態の変化リスト

  • 術後3日〜1週間:腫れとむくみのピーク期。サイズ計測は無意味な時期。
  • 術後1ヶ月:大きな腫れは引くが、組織の硬さが残り数値はまだ不安定。
  • 術後3ヶ月:むくみがほぼ解消し、脂肪の定着やバッグの位置が安定し始める推奨計測時期。
  • 術後6ヶ月以降:バストの形状、質感ともに完成形となり、長期使用の下着購入に最適な時期。

この期間中に焦って高価なブラジャーを買い揃えてしまうことは避けるべきでしょう。むくみが引いた後にサイズが合わなくなり、カップが浮いたりアンダーが緩くなったりするリスクが高まります。

正確なサイズ計測ができるようになる時期

以上の経過を踏まえると、正確なサイズ計測を行い、長期的に着用するブラジャーを購入するのに適した時期は、早くても術後3ヶ月以降となります。理想的には、術後6ヶ月以降に計測を行うのがベストです。

この時期になれば、腫れやむくみの影響はほぼ消失し、バストの形状や柔らかさも完成形に近づいています。もちろん、術後3ヶ月の時点でもまだ多少の変化が残る可能性はありますが、大きなサイズダウンは考えにくいと言えます。

そのため、このタイミングで計測を行うのが現実的です。計測の際は一度きりの数値で判断せず、朝と夜、あるいは体調の良い日とむくみやすい日で数回計測を行い、平均的な値を把握することをお勧めします。

自分の身体のリズムを知り、最も安定している状態の数値を基準にすることで、失敗のない下着選びが可能になります。自分に合った一着を見つけるための準備期間と捉えましょう。

正しいバストサイズの測り方とタイミング

豊胸後のバストは直立状態でリラックスして計測し、生理前などのむくみやすい時期を避けることが、誤差のないサイズを知る秘訣です。

メジャーを使った正確なトップとアンダーの計測方法

豊胸後のバストは、手術前とは形状や質感が異なります。そのため、以前と同じ感覚でサイズを測ると、誤差が生じたり、適切なブラジャーを選べなかったりすることがあります。

特にボリュームが増したバストは重力の影響を受けやすく、正しい姿勢と方法で計測しなければ、実際のサイズよりも小さく見積もってしまう恐れがあります。バストサイズを測る際は、柔らかいメジャーを用意しましょう。

まず、全身が映る鏡の前で、上半身裸になり、背筋を伸ばしてまっすぐに立ちます。トップバストを測る際は、お辞儀をするように上半身を90度前に倒す方法もありますが、豊胸後は直立状態での計測が一般的です。

バストの膨らみが最も高い位置にメジャーを水平に回します。この時、メジャーが背中側で下がったりねじれたりしていないか、鏡で確認しながら行うことが重要です。

次にアンダーバストの計測です。バストの膨らみのすぐ下、ふくらみの付け根部分にメジャーを水平に当てます。豊胸後はバストの重みで下部が下がっていることがあるため、手で軽くバストを持ち上げましょう。

正確なアンダーラインを露出させてから測ることが大切です。メジャーを締めすぎず、肌に食い込まない程度の強さで巻くのがコツです。トップとアンダーの差がカップサイズを決定する基準となります。

術後のデリケートな時期に適した計測のコツ

術後のバストは感覚が鈍くなっていたり、逆に過敏になっていたりすることがあります。強く締め付けるような計測は避け、優しくふんわりとメジャーを当てることが大切です。

特にアンダーバスト部分は、切開創に近い場合があるため、メジャーのエッジが傷口に当たらないよう注意を払います。また、呼吸によって胸郭のサイズは数センチ変化することも覚えておきましょう。

息を大きく吸い込んだ状態で測るとアンダーバストは大きく、吐ききった状態で測ると小さくなります。一般的には、自然な呼吸をしている状態で、息を吐いた直後のリラックスしたタイミングで数値を読み取るのが正解です。

一度だけでなく何度か呼吸を繰り返し、安定した数値を採用しましょう。誰かに手伝ってもらえる場合は、背中側のメジャーの位置を確認してもらうことで、より正確な計測が可能になります。

自分で測る際に見落としがちなポイント

セルフ計測で最も多いミスは、メジャーが水平になっていないことです。特に背中側のメジャーが下がってしまうと、周囲径が大きく計測されてしまい、結果としてカップサイズが小さく算出されてしまいます。

生理周期によるバストの張りも無視できません。生理前はホルモンバランスの影響でバストが一時的にサイズアップし、むくみも生じやすくなります。この時期に測ったサイズでブラジャーを購入するのは避けましょう。

計測時のよくある間違いと正しい対策

よくある間違い正しい対策理由
メジャーが背中で下がっている鏡で横姿を確認し、床と平行にする斜めになると周囲径が長くなり、正しいサイズが出ないため
息を吸った状態で測る自然に息を吐いた状態で測る吸気時は肋骨が広がり、アンダーが太く計測されるため
メジャーを強く締めすぎる皮膚に食い込まない程度に密着させる脂肪や皮膚が逃げてしまい、実際より細く計測されるため

さらに、豊胸後はバストの「高さ」が出ているため、数値上のカップサイズと、実際の着用感が乖離することがあります。数値上はCカップからEカップになったとしても、選ぶブラジャーのカップ形状が影響します。

場合によっては、Fカップの方がフィットすることもあります。数値はあくまで「入り口」であり、最終的には試着が重要であることを念頭に置いておきましょう。

術後すぐに着けるべき下着と圧迫固定の役割

術後1ヶ月間は専用の圧迫着でバッグを固定し、その後はノンワイヤーブラで優しく支え、ワイヤー入りブラジャーは術後3ヶ月以降に着用するのが基本です。

術後専用の圧迫着(バンド)が必要な理由

豊胸手術直後のバストケアは、仕上がりの美しさを左右する重要なプロセスです。手術が終わったからといって、すぐに市販のかわいいランジェリーを楽しめるわけではありません。

組織が不安定な時期に不適切な下着を着用すると、バッグの位置ずれや変形、傷跡の悪化などを引き起こすリスクがあります。そのため、多くのクリニックでは、手術直後から「バストバンド」と呼ばれる圧迫固定帯の使用を指示します。

このバンドの最大の目的は、挿入したバッグが上の方向へずり上がるのを防ぐことです。大胸筋下にバッグを入れた場合、筋肉の収縮作用によってバッグが上方へ押し上げられやすくなります。

これを防ぎ、理想的な位置にバッグを固定させるために、バストの上部を上から押さえるバンドが必要となります。また、圧迫には止血効果や、バッグと組織の隙間に血液やリンパ液が溜まるのを防ぐ効果もあります。

術後数日間から数週間は、24時間体制での着用が求められることが多く、少し苦しく感じることもあります。しかし、美しいバストラインを作るための我慢のしどころです。医師の指示に従い、勝手に外したり緩めたりしないことが大切です。

ワイヤー入りブラジャーを避けるべき期間とその根拠

一般的に、術後3ヶ月程度はワイヤー入りのブラジャーの着用を避けるべきです。ワイヤーはバストを下から支え、形を整えるために有用ですが、術後のデリケートな時期には凶器になり得ます。

硬いワイヤーがアンダーバストの切開創に当たると、痛みや炎症の原因となるだけでなく、傷跡の治りを遅らせるリスクがあります。さらに、ワイヤーによる強い締め付けは血流を阻害し、むくみの解消を遅らせる可能性も指摘されています。

バッグがまだ完全に定着していない時期に、特定の部分に強い圧力がかかると、バッグの変形につながることもあります。ワイヤー入りブラジャー解禁の許可が出るまでは、ノンワイヤータイプや医療用ブラジャーで過ごすことが賢明です。

ただし、最近では「術後1ヶ月からワイヤー入りOK」とするクリニックや、逆に「半年間はNG」とする方針の医師もいます。術式や経過によって判断が異なるため、自己判断せず必ず担当医の指示に従ってください。

術後の時期に応じた推奨インナータイプ

時期推奨インナー主な目的と注意点
術後直後〜1ヶ月医療用ブラ、バストバンドバッグの固定、止血、むくみ防止。医師の指示通りに着用する。
1ヶ月〜3ヶ月ノンワイヤーブラ、スポブラ傷口への刺激回避、適度なホールド。ワイヤー入りは原則禁止。
3ヶ月以降ワイヤー入りブラ(解禁後)バストメイク、デザインを楽しむ。サイズ計測をやり直してから購入。

ナイトブラやカップ付きキャミソールの活用時期

医療用ブラジャーやバストバンドの着用期間が終了した後、次に移行するのがナイトブラやカップ付きキャミソールなどのノンワイヤーインナーです。これらは締め付けが少なく、肌触りも優しいため、回復期のバストに適しています。

特に縫い目が肌に当たらないシームレスタイプや、伸縮性の高い素材を選ぶと、日中の活動時も快適に過ごせます。ナイトブラは、寝ている間にバストが左右に流れるのを防ぐ役割があります。

豊胸後のバストは重みがあるため、仰向けになった際の横流れ防止機能は特に重要です。ただし、補正力が強すぎるものは避け、優しく包み込むタイプを選びましょう。

カップ付きキャミソールは楽ですが、アンダーの支えが弱いものが多いため、外出時などでバストをしっかり支えたい場合には不向きなこともあります。シーンに合わせて使い分ける柔軟性が大切です。

新しいブラジャーへの買い替え時期と選び方の基準

ダウンタイム終了後にサイズを再計測し、バッグを圧迫しないフルカップで、アンダーに余裕を持たせたブラジャーを選ぶことが大切です。

最終的なバストサイズが定着するダウンタイム終了後

ダウンタイムが終わり、いよいよ新しいブラジャーを選ぶ楽しみがやってきます。しかし、豊胸後のバストは天然のバストとは異なる特徴を持っているため、デザインだけで選ぶと失敗することがあります。

前述の通り、本格的な買い替えは術後3ヶ月〜6ヶ月以降に行います。この時期になると、バストの柔らかさが出てきて、自然な揺れ感が生まれます。ブラジャー選びで最も重要なのは、この「柔らかくなった状態」でフィットするかどうかです。

まだ硬さが残っている時期に合わせたブラジャーは、バストが柔らかくなるとカップ内で胸が動いてしまい、ホールド力が不足することがあります。また、買い替えの際は、高価なものを一度に大量購入するのは避けましょう。

まずは1〜2着を購入し、実際に一日中着用して生活してみることをお勧めします。動いた時のズレや、アンダーの食い込み具合などを確認し、問題がなければ買い足していくという慎重なアプローチが、無駄な出費を防ぎます。

バッグの変形や破損を防ぐためのブラジャー選び

シリコンバッグが入ったバストは、強い圧迫に弱いです。特に「盛りブラ」や「寄せるブラ」のような、バストを無理やり中央に寄せたり、下から強く押し上げたりするタイプのブラジャーは注意が必要です。

過度な「寄せ」や「上げ」は、バッグに不自然な力がかかり、ウェーブや変形の原因になることがあります。選ぶべきは、バスト全体を包み込む「フルカップ」や「3/4カップ」のブラジャーです。

カップの容積が十分にあり、バッグを押し潰さずに収納できる深めの設計のものが適しています。また、ワイヤーの形状も重要です。日本ブランドのブラジャーはワイヤー幅が狭い傾向がありますが、豊胸後のバストは底面が広いことが多くあります。

そのため、ワイヤー幅が広めの海外ブランドの方がフィットしやすい場合もあります。ワイヤーがバストの膨らみの上に乗り上げないよう、試着時にしっかり確認しましょう。

豊胸後のブラジャー選びチェックリスト

  • カップはバストを押し潰さず、全体を包み込んでいるか確認する。
  • ワイヤーがバージスライン(胸の輪郭)にフィットし、踏んでいないか確認する。
  • 無理に谷間を作るような極端な補正機能があるものは避ける。
  • アンダーベルトは指が1〜2本入る程度の余裕を持たせる。

アンダーバストがきついと感じる時の対処法

計測上の数値に合わせたブラジャーを買ったはずなのに、アンダーがきついと感じることがあります。これは、バッグの容積によって胸郭が内側から圧迫されている感覚を、皮膚表面の締め付けと混同している場合に起こります。

あるいは、まだ微細なむくみが残っている場合も考えられます。無理をしてきついブラジャーを着け続けると、血行不良や気分の悪化、さらには色素沈着の原因になります。

対処法としては、アンダーサイズをワンサイズ上げて、カップサイズを調整することが有効です。例えば「C70」がきつい場合、「B75」を試してみるという方法です。

また、手持ちのブラジャーを活用したい場合は、ホックに取り付けてアンダーを延長できる「延長ホック」を利用するのも賢い方法です。数百円で購入でき、体調やむくみに合わせて微調整が可能になるため、一つ持っておくと非常に便利です。

豊胸後のバストを美しく保つための下着ケアと習慣

合わないブラジャーはバストの老化や変形を招くため、定期的なサイズ計測と、ブラジャー自体の寿命を見極めた入れ替えが必要です。

合わないブラジャーが及ぼすバストへの悪影響

せっかく手に入れた理想のバストも、日々のケアを怠れば形が崩れたり、トラブルが起きたりしてしまいます。豊胸後のバストは、ある意味で「メンテナンスが必要な身体の一部」と捉えるべきです。

サイズや形状が合わないブラジャーを使い続けることは、バストの老化を加速させます。特にアンダーが緩すぎるブラジャーは、バストの重みを支えきれず、クーパー靭帯への負担を増大させます。

豊胸で重くなったバストは下垂する力が強く働いているため、適切なサポートがないと、皮膚が伸びて垂れやすくなります。逆に、カップが小さすぎるブラジャーは、バッグや脂肪組織を圧迫し、血流を阻害します。

脂肪注入豊胸の場合、定着した脂肪細胞も血流が悪くなれば萎縮してしまうリスクがあります。また、カップの上辺がバストに食い込むと、バストのラインが段々になり、シルエットが崩れる原因にもなります。

自分のバストにフィットするブラジャーを着けることは、単なるファッションではありません。バストの健康を守るための医療的なケアの一環と言えます。

定期的なサイズチェックと買い替えのサイクル

女性の体型は、加齢、体重の増減、ホルモンバランスの変化によって常に変動しています。豊胸後であってもそれは同じです。「一度測ったから大丈夫」と思い込まず、少なくとも半年に一度はサイズを再計測する習慣を持ちましょう。

下着専門店に行けば、プロの販売員が正確に計測してくれます。ブラジャー自体の寿命も意識する必要があります。毎日着用する場合、ブラジャーの寿命は約3ヶ月から半年と言われています。

生地が伸びてアンダーが緩くなったり、ワイヤーが歪んだりしたブラジャーは、補正機能を失っています。くたびれたブラジャーを着け続けることは、ノーブラで過ごすのと変わらないほどサポート力が低下している可能性があります。

「見た目がまだ綺麗だから」と使い続けず、機能性が維持されているかどうかの視点で定期的に入れ替えを行いましょう。バストを守るための投資と考えることが大切です。

バストを美しく保つための良い習慣と悪い習慣

良い習慣悪い習慣影響
半年に一度のサイズ計測何年も同じサイズを買い続ける体型変化に気づかず、下垂や型崩れを招く
ブラジャーの寿命を守るゴムが伸びたブラを使い続けるサポート力不足によりバストの重みを支えきれない
正しい位置で着用するストラップを長くしすぎるトップ位置が下がり、老けた印象を与える

補正下着を利用する際の注意点

ボディラインを整えるために補正下着を利用する人もいますが、豊胸後は注意が必要です。バスト部分まで覆うタイプの補正下着は、バストを過剰に圧迫する可能性があります。

特に、バストを「潰して平らに見せる」機能があるものは厳禁です。バスト部分がくり抜かれているタイプや、バストの形を損なわない設計になっているものを選びましょう。

また、ウエストニッパーなどで腹部を強く締め付けると、逃げ場を失ったお肉がバストの方へ押し上げられ、ブラジャーのアンダーラインがずれる原因になります。

補正下着を使用する場合は、バストへの干渉がないかを入念に確認し、長時間の着用で苦しくならないものを選ぶことが大切です。

豊胸の種類別にみるアンダーバストへの影響の違い

シリコンバッグは物理的な圧迫感が出やすく、脂肪注入はむくみの影響が主であるなど、術式によってアンダーバストへの影響と対策は異なります。

シリコンバッグ豊胸と腋窩切開による拘縮の影響

一口に豊胸手術と言っても、その術式によってアンダーバスト周辺への影響の出方は異なります。自分が受けた、あるいは受けようとしている術式特有のリスクや傾向を知っておくことで、無用な不安を感じずに済みます。

シリコンバッグ豊胸において、腋窩(わきの下)を切開してバッグを挿入した場合、傷跡が治る過程で皮膚がつっぱるような感覚が生じることがあります。このつっぱり感が、腕を上げた時などに脇から胸の横に影響します。

そしてアンダーバストにかけての皮膚を引っ張り、「アンダーがきつい」と感じさせる要因になることがあります。また、乳房下溝(アンダーバストのライン)を切開した場合は、まさにブラジャーのワイヤーが当たる位置に傷跡ができます。

そのため、傷が完全に治癒し、瘢痕組織が柔らかくなるまでは、ワイヤーやゴムの圧迫に対して非常に敏感になります。この場合は、アンダー部分にクッション性のある素材が使われているブラジャーを選んだり、ガーゼを一枚挟んだりするなどの工夫が必要です。

ヒアルロン酸注入における一時的なボリューム変化

手軽な豊胸として知られるヒアルロン酸注入ですが、これはアンダーバストへの影響が最も少ない施術です。ヒアルロン酸はジェル状の物質であり、組織内での流動性が多少あるものの、シリコンバッグのように明確な固形物としての圧迫感はありません。

ただし、注入直後は水分を引き寄せる性質があるため、一時的にむくみが生じ、アンダーが少し太くなったように感じることがあります。ヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されていくため、バストサイズも時間とともに変化します。

最初に合わせたブラジャーが数ヶ月後には緩くなるという現象が起こり得ます。そのため、ヒアルロン酸豊胸の場合は、高価なブラジャーを買い揃えるよりも、サイズ調整がしやすいブラジャーや、パッドでボリュームを調整できるタイプを選ぶのが経済的です。

術式ごとのアンダーバストケアのポイント

術式注意すべき点対策
シリコンバッグ(脇切開)脇から胸にかけてのつっぱり感ストレッチで皮膚を伸ばす、締め付けないインナー選び
シリコンバッグ(下乳切開)ワイヤーによる傷跡への摩擦傷が安定するまでノンワイヤー徹底、保護テープの使用
脂肪注入・ハイブリッド全身のむくみ、サイズ定着までの変化圧迫着の確実な着用、サイズ調整可能な下着の活用

ハイブリッド豊胸での全体的なバランス調整

シリコンバッグと脂肪注入を組み合わせるハイブリッド豊胸は、バッグでボリュームを出しつつ、脂肪でバッグの縁やデコルテをカバーする術式です。この場合、バッグによる物理的なサイズアップに加え、脂肪注入による皮下組織の厚みが増すため、アンダーバストの周囲径への影響は比較的大きくなります。

特に、より自然な触感や見た目を目指して、バッグの周囲にしっかりと脂肪を注入した場合、アンダーライン付近の皮膚の厚みも増します。これにより、術前よりもアンダーバストの数値が明確に上がることがあります。

しかし、これは「太った」わけではなく、バストの土台がしっかりとした証拠でもあります。数値の変化に一喜一憂せず、新しいボディラインに合わせて、無理なくフィットするサイズを受け入れることが、快適な術後ライフへの第一歩です。

よくある質問

術後いつからワイヤーブラを着用できますか?

一般的には術後3ヶ月を経過してからが目安となります。

ただし、傷の治り具合やバッグの定着状態には個人差があるため、必ず担当医の検診を受け、許可が出てから着用を開始してください。

自己判断で早期に着用すると、傷の悪化やバッグの変形を招く恐れがあります。

アンダーバストが術前より太くなることはありますか?

はい、太くなることがあります。

肋骨自体は変わりませんが、大きなバッグを挿入した場合、物理的に皮膚が押し広げられるため、アンダーバストの周囲径が1〜2cm程度増えることは珍しくありません。

また、脂肪注入やハイブリッド豊胸で皮下脂肪の厚みが増した場合も同様です。

以前のブラジャーは使えなくなりますか?

カップサイズが大幅にアップする場合、以前のブラジャーは基本的に使えなくなります。無理に着用するとバストを押し潰し、形を崩す原因になります。

アンダーサイズが変わらない場合でも、ワイヤーの幅やカップの深さが合わなくなることが多いため、新しく自分に合ったものを購入することを強く推奨します。

術後のサイズ選びでカップ数をどう判断すれば良いですか?

トップとアンダーの差で算出する一般的なカップ数に加え、試着によるフィット感を重視してください。

豊胸後のバストは高さが出るため、数値上のカップ数よりもワンサイズ上のカップの方が綺麗に収まるケースが多く見られます。

必ず試着を行い、ワイヤーの当たり具合やカップの深さを確認しましょう。

スポーツブラはいつから着用しても良いですか?

術後1ヶ月経過後、医師から圧迫固定の解除許可が出た時点から着用可能です。スポーツブラはワイヤーがなく、バスト全体を面で支えるため、術後のバストに適しています。

ただし、あまりに締め付けが強い競技用タイプは避け、最初はソフトな着け心地のものから始めると良いでしょう。

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