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豊胸手術を検討する際、多くの人が懸念するのは「一度入れたら一生そのままでいられるのか」という点です。
10年、20年という長期的なスパンで見たとき、シリコンバッグや脂肪注入がどのように変化し、どの程度のメンテナンスが必要になるのかを正しく理解することは、後悔のない選択をする上で重要です。
本記事では、各術式の耐久性や経年変化の詳細、そして将来的な入れ替えやトラブルのリスクを最小限に抑えるための選び方を体系的に解説します。
長期的な視点で美しさを維持するための知識を提供します。
資格・所属
【略歴】
ご自身の脂肪を活用した「自然な豊胸術」や、美しいボディラインを作る脂肪吸引を専門とする形成外科専門医。獨協医科大学医学部卒業後、獨協医科大学病院形成外科・美容外科入局。足利赤十字病院形成外科、獨協医科大学埼玉医療センター 形成外科学内助教、THE CLINIC大阪院・名古屋院の副院長を経て2024年、名古屋にARIEL .BUST.CLINICを開院。
ARIEL .BUST.CLINICは、ご自身の脂肪を活用した豊胸術(脂肪注入)を得意とする名古屋のクリニックです。それぞれの体型やご希望に応じた専門的なご提案をしており、脂肪採取(脂肪吸引)から繊細な注入、傷跡のケアに至るまで、形成外科専門医としての知識と技術を評価いただき、全国から患者様にお越しいただいています。
豊胸手術を含むボディメイクは、決して焦る必要のないものです。このサイトでは専門医の視点から、脂肪豊胸に関する正しい知識やメリット・デメリットを執筆しています。すぐに施術を決めることはせず、まずはじっくりと知識を深めた上で、ご自身が心から信頼できるクリニックへ相談されるようにしてください。
豊胸手術の持続期間は術式により異なりますが、長期的安定性を重視するならシリコンバッグか脂肪注入が推奨され、ヒアルロン酸は一時的な手段に留まります。
物理的な寿命と審美的な寿命は別物であり、それぞれにメリットとリスクが存在します。
かつてシリコンバッグは「10年に一度の交換が必要」と言われていた時代がありましたが、近年の高品質なバッグにおいては、破損や合併症がない限り、必ずしも10年ごとの定期的な入れ替えは必要ありません。
多くのメーカーが耐久性の向上に力を入れており、強い衝撃や経年劣化による自然破損のリスクは大幅に低減しています。しかし、これは「一生メンテナンスフリー」を保証するものではありません。
| 術式 | 一般的な持続期間 | 長期的な特徴 |
|---|---|---|
| シリコンバッグ豊胸 | 10年〜半永久(状態による) | 破損や拘縮がなければ入れ替え不要だが、加齢による下垂とのギャップが生じることがある。 |
| 脂肪注入豊胸 | 半永久(定着後) | 自己組織として定着するため異物反応はない。体重変動や加齢の影響をダイレクトに受ける。 |
| ヒアルロン酸注入 | 数ヶ月〜2年程度 | 徐々に吸収されるため、サイズ維持には頻繁な追加注入が必要。長期維持には不向き。 |
人間の体は加齢とともに変化します。
皮膚の弾力が低下したり、皮下脂肪の量が変化したりすることで、バッグ自体に問題がなくても、バスト全体の形が崩れて見えたり、バッグの縁が目立つようになったりすることがあります。
つまり、バッグの物理的な寿命よりも、体の変化とバッグのバランスが崩れる「審美的な寿命」が先に来るケースが多いのです。
そのため、10年後や20年後に、より自然な見た目を維持するために、サイズ変更や位置調整を含めた入れ替えを検討する人がいます。
自身の脂肪細胞を吸引し、バストに移植する脂肪注入豊胸は、一度定着してしまえば、その脂肪は「自分の体の一部」として半永久的に残ります。
シリコンバッグのような人工物特有の劣化や破損のリスクがないため、長期間にわたってメンテナンスを気にせずに過ごせる点が大きな強みです。
ただし、注入した脂肪のすべてが定着するわけではなく、術後数ヶ月の間に定着しなかった脂肪は体内に吸収されます。
定着後の脂肪は、通常の乳房の脂肪組織と同様に、体重の増減や加齢による影響を受けます。
例えば、極端なダイエットを行えば胸の脂肪も減少しますし、加齢によって皮膚がたるめば、自然なバストと同じように下垂します。
したがって、脂肪注入の持続性は「異物としての寿命」ではなく「自然な老化現象との付き合い方」という観点で捉える必要があります。
長期的に美しい形を維持するためには、術後の体重管理も大切な要素となります。
ヒアルロン酸注入は、メスを使わずに短時間でバストアップが可能ですが、その効果はあくまで一時的なものです。
ヒアルロン酸はもともと体内に存在する成分であり、時間の経過とともに徐々に分解・吸収されていきます。
一般的に、豊胸用の粒子が大きいヒアルロン酸であっても、その持続期間は数ヶ月から2年程度とされています。
手軽さが魅力ではありますが、大きさを維持し続けるためには定期的な追加注入が必要となり、長期的なコストやメンテナンスの手間を考えると、10年単位での持続を望む人には適していません。
また、繰り返し大量に注入することで、ヒアルロン酸がしこり状に残ったり、被膜を形成して硬くなったりするリスクもあります。
あくまで「一時的に大きくしたい」「お試しで形を変えてみたい」というニーズに適した方法であり、長期的な持続性を求める場合の第一選択肢にはなりません。
10年後のバストは、豊胸素材の耐久性以上に、加齢に伴う皮膚のたるみや筋力の低下、ライフスタイルによる体型変化の影響を大きく受けます。
手術直後の状態を維持するためには、自分自身の体が将来どのように変わっていくかを予測し、それに応じた対策を講じておくことが重要です。
どのような術式を選んだとしても、重力の影響からは逃れられません。
加齢とともに皮膚のコラーゲンやエラスチンが減少し、皮膚が伸びやすくなると、バストを支えるクーパー靭帯も緩んでいきます。その結果、バスト全体が徐々に下がる「下垂」が進行します。
特に大きなシリコンバッグを入れている場合、その重みによって皮膚への負担が増し、何もしていない状態よりも下垂が早まる可能性があります。
バッグの位置はそのままでも、それを覆う皮膚や乳腺組織が下がってくると、バッグの輪郭が浮き出て見える「スヌーピー変形(ダブルバブル)」と呼ばれる現象が起きることもあります。
10年後の美しさを考えるならば、現在の希望サイズだけでなく、将来の皮膚のたるみ具合や体格に見合ったサイズを選定することが、不自然な経年変化を防ぐ鍵となります。
10年という期間があれば、体重が数キロ増減することは珍しくありません。脂肪注入豊胸の場合、移植された脂肪細胞は通常の脂肪と同様に振る舞うため、太れば胸も大きくなり、痩せれば小さくなります。
これは非常に自然な変化ですが、極端なダイエットをした場合、せっかく定着したボリュームが失われてしまう可能性があることを意味します。
他方、シリコンバッグの場合は、体重が減ってもバッグの大きさは変わりません。
そのため、大幅に痩せて皮下脂肪が薄くなると、バッグの縁(エッジ)が皮膚の上から触れるようになったり、波打つようなしわ(リップリング)が見えやすくなったりします。
逆に太った場合は、バッグの周囲に脂肪がつくことで、想定以上にボリュームが出てしまうこともあります。
将来的な体重変動の可能性を考慮し、現在の体型維持が可能かどうかを見極めることも大切です。
出産や授乳は、バストの形状に劇的な変化をもたらします。妊娠中に乳腺が発達してバストが大きくなり、授乳が終わると急速に縮むため、皮膚が伸びてたるんだ状態になりやすくなります。
豊胸手術を受けている場合、この変化がより顕著に現れることがあります。
シリコンバッグ挿入後に授乳を行うことは可能ですが、授乳後の乳腺萎縮によってバッグと組織の間にギャップが生じ、見た目のバランスが悪くなることがあります。
また、脂肪注入の場合も、授乳によって一度定着した脂肪のボリュームが減少する可能性があります。
これから妊娠・出産を望む場合は、そのライフイベントが終わってから手術を受けるか、あるいは変化を見越して少し控えめなサイズにするなど、長期的なライフプランに合わせた計画を立てることが推奨されます。
メンテナンス不要に近づくためには、被膜拘縮(カプセル拘縮)のリスクを最小限に抑える表面加工が施された高機能バッグを選ぶことが、結論として最も重要です。
耐久性だけでなく、人体との親和性を高めたバッグを選ぶことで、将来的なトラブルや入れ替えの可能性を大きく下げることができます。
現在主流となっている高機能シリコンバッグ、例えば「モティバ・エルゴノミクス」などは、従来のバッグとは異なる特性を持っています。
最大の特徴は、重力に合わせて形状が変化するジェルが充填されている点です。
立っているときは自然なしずく型になり、寝ているときは丸く広がるため、見た目や動きが非常に自然で、バッグ特有の「入れている感」が少なくなります。
| 表面加工タイプ | 拘縮リスク | 特徴と感触 |
|---|---|---|
| スムース(平滑) | やや高い | 表面が滑らかで動きが良いが、被膜が厚くなりやすく、長期的に硬くなる可能性がある。 |
| テクスチャード(粗面) | 低い | 表面の凹凸が組織と適度に絡み合い、被膜形成を抑制。位置ずれもしにくい。 |
| ナノテクスチャー(微細) | 極めて低い | 細胞レベルの微細な加工で、人体との親和性が高い。拘縮リスクを最小限に抑え、自然な柔らかさを維持。 |
また、これらのバッグは外殻(シェル)の強度が非常に高く、伸縮性に優れています。この特性のおかげで、挿入時の切開口を小さく抑えることができ、術後の回復も早まります。
さらに、強い圧力がかかっても破裂しにくい構造になっており、10年以上の長期挿入においても物理的な劣化が起こりにくいよう設計されています。
質の高いバッグを選ぶことは、将来的な破損や入れ替えのリスクへの投資とも言えます。
シリコンバッグ豊胸後のトラブルで最も注意が必要なのが、体が異物を排除しようとしてバッグの周りに厚い膜を作る「被膜拘縮(カプセル拘縮)」です。
被膜が厚くなると、胸が硬くなったり、変形したり、痛みが生じたりします。これを防ぐために重要なのが、バッグの表面加工です。
かつては表面がツルツルした「スムースタイプ」が主流でしたが、拘縮が起きやすい傾向がありました。
その後、表面をザラザラにした「テクスチャードタイプ」が登場し、組織との癒着を防ぐことで拘縮リスクを下げました。
現在ではさらに技術が進み、ナノ単位の微細な凹凸を持つ「ナノテクスチャー」や「シルクサーフェス」と呼ばれる表面加工が採用されています。
これらは、人体との親和性が高く、不自然な癒着や過剰な被膜形成を抑制するため、長期間にわたって柔らかい感触を維持しやすくなっています。
万が一バッグが破損した場合、中のシリコンジェルが体内に漏れ出すことは避けなければなりません。
最新のバッグに使用されているジェルは「高凝集性シリコン(コヒーシブシリコン)」と呼ばれ、ゼリーのように形状を保つ性質を持っています。
そのため、仮にバッグの膜が破れたとしても、中身が液体のように流れ出ることはなく、その場に留まります。
この特性により、もし破損が起きたとしても完全な除去や交換が容易になり、体への悪影響を最小限に抑えることができます。
安全性の高いジェルを使用しているバッグを選ぶことは、10年後、20年後の健康を守る上でも大切なポイントです。
脂肪注入豊胸で半永久的な効果を得るための絶対条件は、術後3ヶ月間の定着期間に胸への圧迫を徹底して避け、健全な血流を維持することです。
不純物を取り除いた良質な脂肪を、適切な層に分散して注入する技術もまた、しこりを防ぎ定着率を高めるために不可欠な要素となります。
注入された脂肪細胞が新しい場所で生き残るためには、周囲の組織から酸素や栄養を受け取るための血管が新生される必要があります。この血管が繋がるまでの期間は、術後約3ヶ月程度と言われています。
この期間中に、胸を強く圧迫したり、過度なダイエットで栄養不足になったりすると、脂肪細胞は栄養を受け取れずに死滅し、定着率が下がってしまいます。
したがって、術後3ヶ月間は、ワイヤー入りのブラジャーなどで胸を締め付けず、ゆったりとした下着で過ごすことが推奨されます。
さらに、喫煙は血管を収縮させ、脂肪への酸素供給を妨げるため、定着率を著しく低下させる要因となります。
禁煙を守り、バランスの良い食事を摂るなど、脂肪細胞が育ちやすい環境を整えることが、長期的な結果を左右します。
| 要因 | 定着率への影響 | 対策 |
|---|---|---|
| 脂肪の純度 | 不純物が多いと炎症やしこりの原因となり、定着を妨げる。 | 遠心分離やフィルターを用いて不純物を除去し、濃縮脂肪を使用する。 |
| 注入技術 | 一箇所への集中注入は中心部の壊死(オイルシスト)を招く。 | マルチプレーン(多層)法で、微細な量を広範囲に分散注入する。 |
| 術後の圧迫 | 血流が阻害され、酸素供給が断たれることで細胞が死滅する。 | 術後3ヶ月はノンワイヤーブラやカップ付きキャミソールを使用する。 |
脂肪注入の最大のリスクは、定着しなかった脂肪が壊死し、硬い塊(しこり)や石灰化を引き起こすことです。
これを防ぐためには、脂肪を一箇所にまとめて注入するのではなく、細かく分散させて注入する技術が求められます。
直径数ミリ単位で少しずつ、乳腺下、大胸筋内、皮下など、異なる層にまんべんなく注入することで、個々の脂肪細胞が周囲の組織と接触する面積が増え、栄養が行き渡りやすくなります。
また、採取した脂肪から不純物(血液、麻酔液、老化細胞など)を徹底的に除去することも重要です。
コンデンスリッチ豊胸やピュアグラフトといった技術を用いて、若くて元気な脂肪細胞だけを濃縮して注入することで、しこりのリスクを下げ、高い定着率を実現します。
脂肪注入は、一度に注入できる量に限界があります。無理に大量の脂肪を詰め込むと、内圧が高まって血流が悪くなり、逆に定着率が下がったり合併症を起こしたりします。
そのため、2カップ以上の大幅なサイズアップを希望する場合や、もともとの皮膚の伸び代が少ない痩せ型の方の場合は、数ヶ月の期間を空けて2回に分けて手術を行うほうが、結果的に定着量が多くなり、美しく仕上がります。
逆に、1カップ程度の自然なサイズアップや、デコルテの削げを埋める程度の注入であれば、1回の手術で十分満足のいく結果が得られ、その後のメンテナンスも不要になるケースが大半です。
自身の目標サイズと現在の体型を医師と共有し、現実的な回数計画を立てることが大切です。
術後のトラブルを未然に防ぐには、自覚症状がなくても1〜2年に一度のエコー検診を受け、サイレントな破損や変化を早期に把握することが不可欠です。
メンテナンス不要の術式であっても、定期的なチェックを行うことで、万が一の事態にも軽微な処置で対応できるようになります。
シリコンバッグの破損は、強い衝撃を受けた時だけでなく、経年劣化によって静かに起こることもあります。
特に、バッグの中でジェルが漏れ出しても被膜の中に留まっている場合(被膜内破損)、外見上の変化や痛みが全くないことが珍しくありません。
しかし、そのまま放置すると炎症の原因になったり、除去が難しくなったりします。
こうしたサイレントなトラブルを発見できるのがエコー(超音波)検査です。レントゲンやマンモグラフィーでは判断が難しいバッグの状態も、エコーであれば内部の構造を詳細に観察できます。
症状がなくても、1〜2年に1回程度のエコー検診を受けることで、万が一の異常を早期に見つけ、大事に至る前に対処することが可能になります。
美容外科専門のクリニックであれば、豊胸後のバストに特化した検診を行っています。
以前は、シリコンバッグ挿入後に被膜拘縮を防ぐため、痛みを我慢しながら行う強いマッサージが推奨されていました。
しかし、現在主流のテクスチャードタイプやモティバなどの高機能バッグは、表面の加工によって組織との親和性が高められているため、術後のマッサージは原則として「不要」とされています。
むしろ、不必要なマッサージは組織を傷つけたり、バッグの位置をずらしてしまったりする原因になります。
ただし、スムースタイプのバッグを選択した場合や、医師の判断によっては、軽度のマッサージやストレッチを指導されることもあります。
自己判断で行うのではなく、自分が選んだバッグの種類と医師の指示に従うことが、トラブル回避の近道です。
定期検診を待たずとも、日常生活の中で違和感を覚えた場合は、早めにクリニックを受診することが重要です。
早期であれば、薬の服用や簡単な処置で改善できる症状も、放置することで再手術が必要になるまで悪化してしまうことがあります。普段と違う硬さや痛みなどのサインを見逃さないようにしましょう。
修正手術を避けるためには、初回手術時に自身の骨格と皮膚の厚みに見合った無理のないサイズを選定することが、結果として最大の防御策となります。
安さや大きさだけを追求せず、医師の技術力と長期的な安全性を優先した選択が、10年後の満足度を決定づけます。
「せっかく手術するのだから、できるだけ大きくしたい」と考えるのは自然なことですが、自分の骨格や皮膚の伸び代を超えたサイズのバッグを入れることは非常にリスクが高い行為です。
皮膚が薄い人が大きなバッグを入れると、バッグの縁が浮き出るリップリングが起きやすくなったり、皮膚が薄くなりすぎてバッグが透けて見えたりします。
| 選択のポイント | リスクの高い選択 | 長期安定する選択 |
|---|---|---|
| バッグのサイズ | 皮膚の余裕を無視した特大サイズ | 骨格と皮膚の厚みに合った適正サイズ |
| 挿入位置 | 痩せ型なのに乳腺下法(バッグが目立つ) | 体型に合わせて大胸筋下法などを選択 |
| 価格重視 | 詳細不明な格安バッグプラン | 保証制度のある高品質バッグプラン |
また、過度な大きさは重力による下垂を加速させ、将来的に皮膚が伸びきってしまう原因にもなります。
医師は、胸郭の幅、皮膚の厚み、現在のバストの容量などを計測し、医学的に安全で美しく仕上がる最大サイズを提案します。
このアドバイスを受け入れ、無理のない範囲でサイズを決めることが、10年後の美しさとトラブル回避に直結します。
同じ種類のバッグを使っても、手術の結果や持続性に差が出るのは、医師の技術力による部分が大きいです。特に重要なのが、バッグを入れるためのスペース(ポケット)を作る「剥離」の操作です。
適切な層を、出血を最小限に抑えながら正確に剥離することで、術後の炎症が抑えられ、拘縮のリスクが下がります。
神経を傷つけない慎重な操作は、術後の感覚麻痺を防ぐためにも不可欠です。
値段の安さだけでクリニックを選ぶのではなく、豊胸手術の症例数が豊富で、リスクやデメリットについても丁寧に説明してくれる医師を選ぶことが、結果的に長い期間満足できる結果につながります。
豊胸手術は高額なため、少しでも費用を抑えたいと考えるのは当然ですが、極端に安いプランには理由があります。
品質の低いバッグの使用、麻酔管理の簡略化、アフターケアの欠如などが隠れている場合があり、これらは感染症や早期の破損、拘縮といった深刻なトラブルのリスクを高めます。
もし数年でトラブルが起きて抜去や入れ替えが必要になれば、初回の手術費以上の費用がかかることになります。
10年、20年という単位で考えれば、初期費用が多少高くても、高品質なバッグと確かな技術を選び、トラブルなく過ごせる方が、トータルのコストパフォーマンスは圧倒的に良くなります。
ライフスタイルに適した術式を選ぶことは重要であり、例えば激しい運動をするなら破損リスクの低い脂肪注入や筋膜下法が、ダウンタイムが取れないなら回復の早い術式が最適解となります。
自身の生活環境や将来の計画に無理なく馴染む方法こそが、ストレスなく長持ちする最良の選択です。
ジムでのトレーニングやスポーツを日常的に行う人の場合、大胸筋の動きがバストに影響を与えることを考慮する必要があります。
例えば、大胸筋の下にバッグを入れる「大胸筋下法」は、痩せ型の人でもバッグが目立ちにくいメリットがありますが、大胸筋に力を入れるとバッグが動いたり変形したりする「アニメーション変形」のリスクがあります。
| ライフスタイル | 推奨される考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| スポーツ愛好家 | 脂肪注入 または 筋膜下法でのバッグ挿入 | 大胸筋下法は筋肉の動きで変形する可能性があるため避ける。 |
| 妊娠希望 | 授乳機能温存を最優先。産後の変化を許容する。 | 産後の下垂や萎縮で、バッグとの段差が生じるリスクを理解しておく。 |
| 長期休暇不可 | 回復の早い術式や、痛み止めの工夫がある医院を選ぶ。 | 無理な復帰は腫れを長引かせる。最低限の安静期間は確保する。 |
また、非常に激しいコンタクトスポーツをする場合は、バッグの破損リスクや違和感が懸念されるため、異物を使わない脂肪注入豊胸の方が精神的にも身体的にも楽な場合があります。
あるいは、バッグを選択する場合でも、筋膜下法など筋肉の影響を受けにくい挿入位置を検討するなど、運動強度に合わせたプランニングが大切です。
これから妊娠・出産を控えている場合、授乳への影響や、産後のバスト変化を視野に入れる必要があります。
基本的に、シリコンバッグも脂肪注入も、乳腺を傷つけないように配慮して行われるため、授乳機能自体への影響はほとんどありません。
しかし、前述の通り、産後のバストの変化によって見た目のバランスが崩れる可能性があります。
特に脂肪注入は、妊娠中の体重増加と産後の減少によってサイズが大きく変動する可能性があります。
変化を受け入れられるのであれば問題ありませんが、もし「産後も変わらない形」を強く望むのであれば、出産・授乳を終えてバストの形が落ち着いてから手術を受けるのが、最も修正のリスクが少ないタイミングと言えます。
仕事が忙しく、長期の休みが取れない人にとって、ダウンタイムの長さは術式選びの重要な決定打になります。
一般的に、シリコンバッグ豊胸は切開を伴うため、数日間の痛みや腕の上げにくさがあり、デスクワーク復帰までに3〜5日程度かかることが多いです。
一方、脂肪注入は吸引部の筋肉痛のような痛みはあるものの、胸の切開創は小さいため、比較的早期の復帰が可能です。しかし、脂肪吸引部の圧迫固定や内出血のケアが必要です。
ヒアルロン酸注入は当日復帰が可能ですが、持続性を考えると除外されます。
限られた休みの中で最大限の効果と持続性を求めるならば、最新の剥離技術を用いた、痛みの少ないシリコンバッグ豊胸や、負担の少ない脂肪注入法を提供しているクリニックを探すことが重要です。
いいえ、必ずしも必要ではありません。
かつては10年ごとの交換が推奨されていましたが、現在の高品質なシリコンバッグは耐久性が向上しており、破損や拘縮(こうしゅく)、明らかな形の変形などのトラブルがない限り、入れ替えをせずにそのまま過ごすことが可能です。
ただし、加齢によるバストの下垂とバッグの位置にずれが生じ、見た目のバランスが悪くなった場合に、審美的な理由で入れ替えや抜去を選択される方はいます。
安全確認のため、1〜2年に一度の定期検診を受けることをおすすめします。
人工物ではないため、破損や入れ替えといった外科的なメンテナンスは不要です。一度定着した脂肪は、ご自身の体の一部として半永久的に残ります。
しかし、ご自身の体重増減に合わせて胸の脂肪も増減しますし、加齢とともに皮膚がたるんで胸が下がる自然な老化現象は避けられません。
そのため、美しい形を維持するためには、極端な体重変動を避ける、ナイトブラを使用するといった日常的なケアが大切になります。
脂肪注入の場合は、定着後は通常の脂肪と同じ扱いになるため、問題なく検査を受けられます。
ただし、しこり(石灰化)がある場合は、乳がん検診で再検査になる可能性がありますので、事前に豊胸済みであることを伝えてください。
シリコンバッグの場合は、バッグを破損させるリスクがあるため、マンモグラフィー(挟んで圧迫する検査)は断られることや、実施できない施設が多いです。
エコー検査やMRIであれば、バッグが入っていても問題なく検査が可能です。
痩せ型の方は、脂肪注入のための脂肪確保が難しい場合があるため、確実にサイズアップし長持ちさせるにはシリコンバッグが適していることが多いです。
ただし、皮下脂肪が薄いため、バッグの縁が浮き出るリスクがあります。
これを防ぐために、大胸筋の下にバッグを入れる方法や、モティバなどのなじみの良いバッグを選ぶことで、長期間自然な見た目を維持しやすくなります。
脂肪が採取できるのであれば、脂肪注入の方が異物感のリスクはなくせます。
強い衝撃で破裂した場合は痛みや腫れで気づくことがありますが、経年劣化による小さな亀裂や漏れ(サイレントラプチャー)の場合、自覚症状が全くないこともあります。
最近のバッグはジェルが流れ出にくい構造になっているため、漏れても形が保たれることが多いからです。
自覚症状がなくても破損している可能性はゼロではないため、ご自身で判断せず、定期的なエコー検診で内部の状態を確認することが重要です。
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| 住所 | 〒 450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅 4丁目27-6 μX MEIEKI 4F |
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| 休診日 | 不定休 |
| 電話番号 | 052-551-8887 |
ARIEL.BUST.CLINICでは日本形成外科学会専門医資格を有した医師が診療にあたっております。日本美容外科学会(JSAPS)正会員、ジュビダームビスタ認定医、VASER LIPO認定医、コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医資格、ICLS(Immediate Crdiac Life Support)を有し、各学会での発表も積極的に行っています。
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