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20代・30代・40代の年代別おすすめ豊胸術|年齢に合う選び方とエイジング効果

20代・30代・40代の年代別おすすめ豊胸術|年齢に合う選び方とエイジング効果

豊胸術を検討する際、現在の年齢やライフステージによって選ぶべき施術方法や重視するポイントは大きく異なります。

20代では理想のプロポーションの追求、30代では授乳後の変化への対応、そして40代ではエイジングケアとしての側面が強まります。

それぞれの年代特有の悩みや身体的特徴を理解し、自身の希望に合致した施術を選ぶことが、長期的な満足度を高めるために重要です。

本記事では、年代別の身体的特徴やライフスタイルの違いを踏まえ、各世代に適した豊胸術の選び方と、加齢に伴うバストの変化にどう対処するかについて詳しく解説します。

目次

この記事を書いた人

アリエルバストクリニック 院長 石塚 紀行

石塚 紀行
ARIEL .BUST.CLINIC 院長
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資格・所属

  • 日本形成外科学会専門医
  • コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医
  • VASER Lipo認定医
  • Juvederm Vista 認定医
  • 乳房再建用エキスパンダー/インプラント実施医師
  • 日本形成外科学会所属
  • 日本美容外科学会(JSAPS)所属

【略歴】
ご自身の脂肪を活用した「自然な豊胸術」や、美しいボディラインを作る脂肪吸引を専門とする形成外科専門医。獨協医科大学医学部卒業後、獨協医科大学病院形成外科・美容外科入局。足利赤十字病院形成外科、獨協医科大学埼玉医療センター 形成外科学内助教、THE CLINIC大阪院・名古屋院の副院長を経て2024年、名古屋にARIEL .BUST.CLINICを開院。

ARIEL .BUST.CLINICは、ご自身の脂肪を活用した豊胸術(脂肪注入)を得意とする名古屋のクリニックです。それぞれの体型やご希望に応じた専門的なご提案をしており、脂肪採取(脂肪吸引)から繊細な注入、傷跡のケアに至るまで、形成外科専門医としての知識と技術を評価いただき、全国から患者様にお越しいただいています。

豊胸手術を含むボディメイクは、決して焦る必要のないものです。このサイトでは専門医の視点から、脂肪豊胸に関する正しい知識やメリット・デメリットを執筆しています。すぐに施術を決めることはせず、まずはじっくりと知識を深めた上で、ご自身が心から信頼できるクリニックへ相談されるようにしてください。

年代別に見るバストの変化と豊胸術選びの基本指針

年齢を重ねるごとに女性のバストは皮膚の質感、脂肪の付き方、乳腺の状態で大きく変化するため、その時々の身体の状態に適した施術法を選択することが成功の鍵を握ります。

各年代におけるバストの生理的な変化を理解し、現在の皮膚の弾力やライフスタイルに合致した手法を選ぶことが、失敗を防ぐための最も確実なアプローチとなります。

20代におけるバストの特徴と施術の傾向

20代のバストは、皮膚にハリがあり、乳腺組織も発達しているため、全体的に弾力がある状態です。

この時期は、自分自身の理想とする体型やファッションを楽しむために、バストの大きさや形を整えたいという美的欲求が強く働きます。

皮膚の伸縮性が高いため、シリコンバッグなどの人工物を挿入しても皮膚がしっかりと伸び、馴染みやすいという身体的利点があります。

そのため、大幅なサイズアップを目指す施術や、はっきりとしたデコルテラインを作る施術を選択する方が多い傾向にあります。

将来の妊娠や授乳への影響を考慮しつつも、まずは見た目の美しさを優先できる時期と言えます。

30代の身体的変化とライフスタイルの影響

30代に入ると、妊娠や出産、授乳を経験する方が増え、バストの形状に大きな変化が訪れます。

授乳後に乳腺が萎縮することで、バスト上部のボリュームが削げ落ちたり、皮膚に余りが生じて下垂感が気になり始めたりします。

仕事や育児に追われる多忙な時期でもあるため、ダウンタイム(回復期間)を十分に確保できないという制約も生まれます。

したがって、30代の豊胸術選びでは、単に大きくするだけでなく、失われたボリュームを「元に戻す」あるいは「補う」という視点が重要になります。

日常生活への復帰の早さも施術決定の大きな要因となります。

40代以降のエイジングサインと求められる自然さ

40代を迎えると、女性ホルモンの分泌量が徐々に低下し、肌の弾力成分であるコラーゲンやエラスチンが減少します。その結果、バスト全体が柔らかくなり、下垂が顕著になるケースが増えます。

この年代で重要視するのは、いかに自然に若々しさを取り戻すかという点です。過度なサイズアップは皮膚への負担となり、不自然な見た目やさらなる下垂を招く恐れがあります。

そのため、肌質自体を改善する効果が期待できる施術や、リフトアップ効果を兼ね備えたアプローチが好まれます。

「作り込んだ胸」ではなく、「年齢を感じさせない若々しい胸」を目指すことが、40代の豊胸術の基本指針となります。

年代による皮膚の弾力性と施術適応の関係

豊胸術の仕上がりは、皮膚の弾力性に大きく左右されます。皮膚が厚く弾力がある若年層は、比較的大きなインプラントを入れても縁(エッジ)が目立ちにくく、自然なカバー力を発揮します。

一方で、加齢により皮膚が薄くなった状態で大きな異物を入れると、インプラントの波打ち(リプリング)が表面に見えやすくなるリスクがあります。

年齢とともに変化する皮膚の厚みや質感を医師が正確に診断し、その土台に耐えうる、あるいは土台を補強できるような施術法を提案してもらうことが大切です。

自身の皮膚の状態を客観的に把握することが、後悔しない選択への第一歩となります。

20代におすすめの豊胸術とメリット・デメリット

20代は皮膚の柔軟性が高く回復力も旺盛であるため、シリコンバッグ挿入による確実なサイズアップや、脂肪注入による自然な形成など、幅広い選択肢から希望に合わせた施術を選定することが可能です。

体力があり組織も若いため、多少身体への負担がかかる手術であっても比較的早期の回復が見込めます。

シリコンバッグ豊胸で叶える理想のボリューム

20代の多くが希望する「しっかりとしたサイズアップ」を実現するには、シリコンバッグ豊胸が有力な選択肢となります。

自身の脂肪量に関係なく、2カップ以上の増大が可能であり、半永久的にその大きさを維持できます。

近年のシリコンバッグは、自然な触り心地と動きを追求した高品質なものが主流であり、仰向けになった際に自然に横に流れるタイプも存在します。

20代の張りがある皮膚はバッグの重みをしっかりと支えることができるため、美しいお椀型のバストラインを形成しやすいというメリットがあります。

水着や胸元の開いた服を自信を持って着こなしたいという願望に対して、確実な結果を出すことができる方法です。

脂肪注入豊胸による自然な仕上がりと痩身効果

「異物を体内に入れることに抵抗がある」という20代の方には、自身の余分な脂肪を吸引してバストに注入する脂肪注入豊胸が適しています。

太ももや腹部などの気になる部分の脂肪を減らしつつ、バストを大きくできるため、ボディライン全体を整えたいというニーズに応えます。

自己組織を使用するためアレルギー反応のリスクがなく、触り心地や温かさも本物のバストそのものです。

ただし、一度に定着する脂肪の量には限界があるため、極端なサイズアップよりも、0.5〜1.5カップ程度の自然な増大や、左右差の改善、谷間メイクを重視する場合に適しています。

20代における主要な豊胸術の比較

比較項目シリコンバッグ豊胸脂肪注入豊胸
サイズ変化2カップ以上の大幅な増大が可能1〜1.5カップ程度の自然な増大
触り心地弾力があり、形が整っている本来の胸と同じ柔らかさ
傷跡の目立ちにくさ脇の下などに数センチの切開跡注射針程度の跡で目立ちにくい
持続性半永久的(メンテナンスは必要)定着した脂肪は半永久的
ダウンタイム痛みや圧迫感が数日〜1週間続く脂肪吸引部の筋肉痛程度の痛み
費用感比較的安価なものから高額まで様々吸引・加工の手間がかかり比較的高額
適している人確実な大きさと形を求める人自然さと部分痩せを同時に叶えたい人

ヒアルロン酸注入の手軽さと注意点

メスを使わず、注射だけで完了するヒアルロン酸注入は、長期の休暇が取りにくい20代の学生や社会人にとって魅力的な選択肢です。施術時間が短く、直後から通常の生活に戻れる手軽さがあります。

「結婚式のために一時的に谷間が欲しい」「豊胸のシミュレーションとして少しだけ大きくしてみたい」といった短期的なニーズに対応します。

しかし、ヒアルロン酸は時間とともに体内に吸収されるため、効果は永続的ではありません。繰り返し注入を行うと、しこりの原因になったり、費用がかさんだりする可能性があります。

手軽さの反面、長期的な維持には不向きであることを理解した上で選択することが重要です。

30代の産後・授乳後のバスト再生と時短施術

30代における豊胸術の主眼は、ライフイベントによって変化した体型の修復と、多忙な日常に支障をきたさない効率的な施術計画に置かれます。

特にデコルテ部分のボリューム減少に対するアプローチが、若々しいシルエットを取り戻すための中心的な課題となります。

授乳後の「削げ胸」に対するハイブリッド豊胸

授乳を終えた後のバストは、急激にボリュームが減少し、特に上部の皮膚が余ってしぼんだような状態になることがあります。

これを「削げ胸」と呼びますが、この状態を改善するために有効なのが、シリコンバッグと脂肪注入を組み合わせた「ハイブリッド豊胸」です。

シリコンバッグでベースとなるボリュームを確保しつつ、バッグの縁やデコルテの皮膚が薄くなった部分に自身の脂肪を注入してカバーします。

この手法を用いることで、バッグ特有の不自然さを解消し、滑らかで自然なラインを作り出すことができます。

一度の施術でボリューム回復と自然な触感を同時に得られるため、効率を重視する30代に適しています。

ダウンタイムを抑えた施術選びの重要性

30代はキャリアの構築や子育てに奔走する時期であり、長期間の静養を取ることが難しい傾向にあります。そのため、術後の痛みが少なく、早期に日常生活へ復帰できる施術法への需要が高まります。

例えば、脂肪注入であれば、脂肪採取部位の筋肉痛のような痛みはありますが、腕を上げられないほどの制限はかかりません。

近年ではシリコンバッグ挿入においても、出血を抑える器具の使用や麻酔の工夫により、翌日からデスクワークが可能になるケースも増えています。

自身のスケジュールと回復期間のバランスを考慮し、医師と相談の上で無理のない計画を立てることが、生活への影響を最小限に留めるポイントです。

30代のライフスタイルと施術の適合性

ライフスタイルの特徴推奨されるアプローチ期待できるメリット
産後で胸がしぼんでしまった脂肪注入またはハイブリッド豊胸デコルテのハリを取り戻し、自然な膨らみを再現する
仕事が忙しく休みが取れないヒアルロン酸注入または純粋脂肪注入身体への負担が少なく、翌日から通常の生活に戻りやすい
体重が落ちて全体的に痩せたシリコンバッグ豊胸脂肪が少なくても確実にサイズアップが可能
子供の抱っこが必要脇の下切開によるシリコンバッグ大胸筋下法などを避け、腕の動きへの影響を抑える工夫
将来的な二人目の出産予定乳腺を傷つけない脂肪注入授乳機能を温存しつつ、現在のバストの形を整える

将来的なメンテナンスを見据えた計画

30代で豊胸術を受ける場合、40代、50代となった時のことを想像しておく必要があります。シリコンバッグを選択した場合、10年〜20年後に交換や抜去が必要になる可能性があります。

また、体重の増減が激しい時期でもあるため、体重変動によってバストの形がどう変わるかも考慮に入れるべきです。

脂肪注入の場合、定着した脂肪は自身の体の一部として増減するため、太れば胸も大きくなり、痩せれば小さくなります。

長期的な視点を持ち、将来的にメンテナンスが必要になった際に、時間的・金銭的な余裕を持てるかどうかも、施術法を決定する上での重要な判断材料となります。

40代からのエイジングケア豊胸とリフトアップ

40代の豊胸術は、単なるサイズアップではなく、加齢による下垂や皮膚の質感の衰えを補う「若返り治療」としての意味合いが強くなります。

無理なボリュームアップは避け、身体全体のバランスと調和のとれた上品なバストラインを目指すことが、美しさを長く保つ秘訣です。

加齢による下垂を改善する脂肪注入の効果

年齢とともに皮膚が伸び、バストの位置が下がってくる現象に対し、脂肪注入は「中身を充填することで皮膚を押し広げる」という効果を発揮します。

しぼんだ風船に再び空気を入れると表面がピンと張るように、萎縮したバスト組織の内部に脂肪を補うことで、内側からハリを取り戻し、軽度の下垂であればリフトアップしたように見せることが可能です。

特に、幹細胞を用いた脂肪注入などは、移植された脂肪細胞が周囲の組織に働きかけ、皮膚の質感そのものを改善する副次的な効果も期待されています。

40代の薄くなった皮膚に対しても馴染みが良く、不自然な段差ができにくいため、エイジングケアとして非常に理にかなった方法です。

年代別エイジングケア豊胸の期待効果

悩み・症状アプローチ方法エイジングケア効果
デコルテの骨っぽさが目立つ上胸部への集中的な脂肪注入鎖骨下のラインをふっくらさせ、女性らしい丸みを復活させる
乳房全体の下垂(軽度)ボリューム補充による皮膚の張り出し内側からの張りによってバストトップの位置を高く見せる
乳房全体の下垂(中度〜重度)乳房吊り上げ術(マストペクシー)併用余分な皮膚を切除し、物理的に高い位置へバストを移動させる
皮膚のシワ感・質感の衰え幹細胞培養上清液などを併用した注入肌のターンオーバーを促し、ハリとツヤのある皮膚へ導く
左右のバランスが崩れてきた左右異なる注入量での微調整加齢による非対称性を補正し、均整の取れたプロポーションを作る

皮膚のたるみが強い場合の吊り上げ術併用

バストの下垂が進行し、乳首の位置が乳房の下縁(アンダーバストのライン)よりも下がってしまっているような場合、単にボリュームを足すだけでは美しい形を作ることは困難です。

むしろ、重みでさらに下垂を助長してしまうリスクがあります。このようなケースでは、余分な皮膚を切除して乳房と乳首の位置を引き上げる「乳房吊り上げ術(マストペクシー)」と豊胸術を組み合わせる手法を選択します。

吊り上げ術によって土台となる形を整えた上で、インプラントや脂肪でボリュームを補うことで、20代の頃のような上向きでハリのあるバストを再構築します。

傷跡は残りますが、劇的な若返り効果を得られるため、下垂に悩む40代以降の方にとって有効な解決策となります。

大人の女性に相応しい適度なサイズ感

40代の豊胸において重要視されるのは「品格」です。体型全体が丸みを帯びてくる中で、バストだけが不自然に突出していると、全体の調和を乱してしまいます。

あまりに大きなバストは肩こりの原因となったり、服選びを難しくしたりと、日常生活におけるデメリットも生じやすくなります。

医師とのカウンセリングでは、今の体型に馴染むサイズ、そして今後さらに年齢を重ねて50代、60代になった時にも違和感のないサイズを見極めることが大切です。

控えめでありながらも、ブラジャーをした時に美しい谷間ができ、服の上からのシルエットが若々しく見える、そのような「程よいサイズ感」を目指すことが満足度を高めます。

豊胸術がもたらすエイジングケア効果の仕組み

豊胸術は単にバストを大きくするだけでなく、結果としてバスト周りのエイジングケアに直結する複数のメリットをもたらします。

ボリュームアップによる皮膚の引き締めや幹細胞による肌質改善など、見た目の若返りに寄与する具体的なメカニズムが存在します。

ボリュームアップによる皮膚の引き締め効果

加齢によりバストがしぼむと、中身の容量に対して皮膚が余ってしまい、それがシワやたるみとして現れます。

豊胸術によって内部のボリュームを増やすことは、この余った皮膚を内側からパンと張らせる役割を果たします。テントを張る際にポールを立てると布がピンと張るのと同様の原理です。

特にデコルテ部分の皮膚が張ることで、首元から胸元にかけてのシワが目立たなくなり、視覚的な年齢を一気に引き下げる効果があります。

この「張り」の回復こそが、豊胸術がもたらす最大のエイジングケア効果の一つと言えます。

幹細胞を用いた脂肪注入と肌質改善

脂肪注入豊胸において、近年注目されているのが幹細胞の働きです。

自分自身の脂肪から抽出した幹細胞や、培養した幹細胞を同時に注入することで、移植した脂肪の定着率を高めるだけでなく、周囲の組織の血管新生を促し、血流を改善させる効果が期待できます。

血流が良くなれば、皮膚細胞への酸素や栄養の供給がスムーズになり、肌のターンオーバーが正常化します。

バストの皮膚に透明感が出たり、質感が柔らかくなったりと、形だけでなく肌質そのものの若返りに寄与する可能性があります。

豊胸による副次的な美容メリット

  • バストの位置が高くなることで、ウエストのくびれが強調され、全身のスタイルが良く見える。
  • 胸元の開いた服や水着を自信を持って着られるようになり、精神的な若々しさを保てる。
  • 姿勢が良くなる意識が働き、猫背の改善に繋がることで若々しい印象を与える。
  • 脂肪吸引を併用する場合、腹部や太ももなどの部分痩せが同時に叶い、メリハリのあるボディラインになる。
  • コンプレックスが解消されることで、自分自身へのケアに対するモチベーションが向上する。

このように、豊胸術は単なるサイズアップ以上の心理的・身体的メリットを多く含んでおり、総合的なアンチエイジング手段として機能します。

各種豊胸術の持続性とメンテナンスの比較

豊胸術を選ぶ際には、その効果がどれくらい続くのか、そして将来的にどのようなメンテナンスが必要になるのかを理解しておくことが欠かせません。

施術法によって耐久性や経年変化の仕方は大きく異なるため、長期的な視点での比較検討が求められます。

シリコンバッグの寿命と入れ替え時期

シリコンバッグは人工物であるため、経年劣化を完全に避けることはできません。

一般的に、現代の高品質なバッグであれば10年以上の耐久性があるとされていますが、これは「10年で必ず交換しなければならない」という意味ではありません。

問題がなければ20年以上入れたままで過ごす方も多くいます。しかし、カプセル拘縮(バッグの周りの膜が硬くなる現象)や破損、位置のずれなどが生じた場合は、抜去や入れ替えの手術が必要となります。

自身の体型変化や加齢による皮膚のたるみにバッグが合わなくなった場合も、サイズダウンや抜去を検討するタイミングとなります。

定期的な検診(エコー検査など)を受け、バッグの状態を把握し続けることが大切です。

脂肪注入の定着率と長期的変化

脂肪注入豊胸の最大の特徴は、一度定着した脂肪は自身の組織として生き続けるという点です。

注入直後は腫れや吸収される分が含まれているため大きく見えますが、術後3ヶ月〜半年程度で定着量が安定します。

その後は、加齢による自然な変化(体重減少によるサイズダウンや、加齢による下垂)を除けば、急激になくなることはありません。

シリコンバッグのような破損や交換のリスクがないため、長期的なメンテナンスの負担は非常に少ないと言えます。

ただし、一度の手術で定着する量には個人差があり、希望のサイズにするために複数回の手術が必要になる場合があることを考慮しておく必要があります。

施術ごとのメンテナンス頻度と耐久性

施術の種類期待される持続期間必要なメンテナンス・注意点
シリコンバッグ豊胸10年〜数十年(破損等がなければ)1〜2年に1度のエコー検診を推奨。破損や拘縮時は入れ替え手術が必要。
脂肪注入豊胸半永久的(定着後)特別なメンテナンスは不要。体重変化によりサイズが増減する。しこりの有無を確認する検診は推奨。
ハイブリッド豊胸半永久的(脂肪部分)+長期間(バッグ部分)バッグの状態確認に加え、注入脂肪によるしこりのチェックが必要。
ヒアルロン酸注入半年〜2年程度吸収されるため、維持するには定期的な追加注入が必要。繰り返すとコストがかさむ。
アクアフィリング等3年〜5年程度(製品による)現在は安全性の観点から推奨しない医師が多い。除去が困難な場合があるため慎重な判断が必要。

ヒアルロン酸の吸収と繰り返しのリスク

ヒアルロン酸は手軽ですが、持続期間は製品の種類や個人の体質により数ヶ月から2年程度と限定的です。

効果を持続させるためには定期的な追加注入が必要ですが、短期間に大量のヒアルロン酸を注入し続けると、被膜が形成されてしこりになったり、炎症を引き起こしたりするリスクが高まります。

また、ヒアルロン酸が周囲の組織に浸透してバストが横に広がってしまうこともあります。

ヒアルロン酸豊胸はあくまで一時的な手段や、お試しとしての位置付けで考え、長期的な維持を望む場合は脂肪注入やシリコンバッグへの移行を検討するのが賢明な選択と言えます。

年齢ごとのリスク管理と安全性への配慮

どの年代であっても医療行為にはリスクが伴いますが、年齢や身体の状態によって注意すべきリスクの種類や確率は変動します。

安全に施術を受け、健康を損なわないためには、各年代特有のリスク要因を知り、適切な対策を講じているクリニックを選ぶことが重要です。

20代・30代における術後の活動制限とケア

活動的な20代・30代にとって、術後の安静期間をどう過ごすかは大きな課題です。

無理をして早期に激しい運動や重労働を行うと、傷口の開きや腫れの悪化、シリコンバッグの位置ずれなどを招く恐れがあります。

特に小さなお子様がいる場合、抱っこや授乳の動作が患部に負担をかける可能性があります。

術後はパートナーや家族の協力を得て、少なくとも数日間は腕を使わないで済む環境を整えることが、美しい仕上がりを守るために重要です。

傷跡のケア(テーピングや内服薬)を怠ると、色素沈着や肥厚性瘢痕として残りやすくなるため、若くても油断せず、医師の指示に従った地道なケアを継続することが求められます。

施術タイプ別の主なリスク要因

施術法主なリスク・副作用年齢別の傾向・注意点
シリコンバッグカプセル拘縮、感染、位置異常、リップリング皮膚が薄くなる40代以降はリップリングが目立ちやすくなる。若年層は拘縮予防のマッサージ等が重要。
脂肪注入脂肪壊死、しこり(石灰化)、感染、吸引部の凸凹一度に大量注入するとしこりのリスク増。加齢で代謝が落ちていると内出血が引きにくい場合がある。
ヒアルロン酸しこり、感染、血管塞栓(稀)、移動・変形繰り返し注入することで組織が硬くなるリスク。授乳中の注入は避けるべき。
マストペクシー傷跡が残る、乳頭の感覚低下、左右差皮膚の回復力が落ちる高年齢層では傷の治りが遅い傾向。喫煙者は特にリスクが高い。

40代以降の検診と石灰化・しこりの識別

40代以降は乳がんの罹患率が高まる年代でもあります。豊胸術を受けることで、乳がん検診(マンモグラフィやエコー)の精度に影響が出る可能性について理解しておく必要があります。

特に脂肪注入後にできる「石灰化(脂肪が壊死してカルシウムが沈着したもの)」や「しこり」は、画像診断上で乳がんの初期病変と紛らわしい場合があります。

熟練した放射線科医や乳腺外科医であれば判別は可能ですが、検診を受ける際は必ず豊胸手術歴があることを申告する必要があります。

豊胸術を受けるクリニックが、術後の乳がん検診に対応しているか、あるいは提携先の医療機関を紹介してくれるかどうかも、40代のクリニック選びでは外せないチェックポイントです。

長期的な満足度を高めるクリニック選びのポイント

豊胸術は「手術して終わり」ではありません。

術後の経過観察、万が一のトラブル対応、そして将来的なメンテナンスまで含めて、長く付き合えるクリニックや医師を見つけることが成功への近道です。

カウンセリングでの意思疎通と提案力

良い医師は、患者の希望をただ聞くだけでなく、その人の体型、皮膚の厚み、ライフスタイル、将来の計画までを総合的に判断し、「できないこと」や「やめるべきこと」もはっきりと伝えてくれます。

例えば、皮膚が薄い方に巨大なバッグを勧めたり、授乳直後の方に無理な手術を勧めたりする医師は避けるべきです。

カウンセリングの際には、メリットばかりでなく、リスクや数十年後の状態についてもしっかりと説明があるかを確認します。

複数の選択肢を提示し、それぞれの長所短所を比較検討させてくれる医師は信頼がおけます。

信頼できるクリニックを見極めるチェックリスト

  • 医師が形成外科専門医や乳腺外科の経験を持っているか。
  • 麻酔科医が常駐、または麻酔管理の体制が整っているか。
  • エコー(超音波)診断装置を完備し、術前術後の乳腺チェックを行っているか。
  • 料金体系が明確で、後から追加費用が発生しないか。
  • 術後の検診や保証制度(サイズ変更やトラブル時の再手術など)が充実しているか。
  • 症例写真が豊富で、自分と似た体型・年齢の事例を確認できるか。
  • カウンセリング時間を十分に確保し、質問に対して誠実に回答してくれるか。

アフターケア体制と保証制度の確認

手術後の不安を解消してくれるアフターケア体制も重要です。腫れや痛みが長引いた時にすぐに診察を受けられるか、夜間の緊急連絡先があるかなどを確認しておきましょう。

また、シリコンバッグの破損や拘縮、脂肪注入後のしこり発生時などに、どのような保証が適用されるかも契約前に細かく確認する必要があります。

保証期間や適応条件(費用負担の有無など)はクリニックによって千差万別です。「一生保証」と謳っていても、実際には麻酔代や消耗品代がかかるケースもあります。

書面でしっかりと確認し、納得した上で契約に進むことが、将来のトラブルを防ぐ防波堤となります。

Q&A

豊胸手術を受けると乳がん検診は受けられなくなりますか?

豊胸手術を受けたからといって、必ずしも乳がん検診が受けられなくなるわけではありません。

しかし、シリコンバッグが入っている場合、通常のマンモグラフィ(乳房を挟んで撮影する検査)ではバッグを破損させる恐れがあるため、断られるケースや、撮影方法に配慮が必要なケースがあります。

エコー検査(超音波)やMRIであれば問題なく受けられることがほとんどです。

脂肪注入の場合はマンモグラフィも可能ですが、石灰化ががんの所見と似て見えることがあるため、読影には専門的な知識が必要です。

重要なのは、検診を受ける際に必ず「豊胸手術を受けていること」と「どのような施術(バッグの種類や注入部位など)を受けたか」を正確に伝えることです。

将来、子供を産んで授乳することはできますか?

基本的には、シリコンバッグ豊胸でも脂肪注入豊胸でも、将来の授乳機能に影響を与えることはほとんどありません。

シリコンバッグは乳腺の下や大胸筋の下に挿入するため、母乳を作る乳腺組織そのものを傷つけることは通常ないからです。

脂肪注入も同様に、乳腺周囲や皮下、筋肉内に注入するため、乳腺の機能を阻害することはありません。

ただし、乳輪を切開する方法など、アプローチによっては乳管に影響が出る可能性がゼロではないため、将来妊娠・出産の希望がある場合は、必ずカウンセリング時にその旨を医師に伝え、乳腺への影響が最も少ない術式を選択してもらうことが大切です。

40代で豊胸をすると痛みが強いというのは本当ですか?

年齢によって痛みの感じ方に極端な差が出るという医学的な根拠はありません。

しかし、20代に比べて40代以降は筋肉や皮膚の柔軟性が低下していることが多いため、組織が急激に引き伸ばされることによる突っ張り感や不快感を強く感じる可能性はあります。

回復にかかる体力や代謝の面で、若年層よりダウンタイムが長引くように感じる方もいます。

現在は、効果的な鎮痛剤の使用や、組織へのダメージを抑えた手術器具の進歩により、術後の痛みはかなりコントロールできるようになっています。

痛みに不安がある場合は、エクスパレル(長期間効果が持続する局所麻酔)などのオプション利用を検討するのも一つの手段です。

メンテナンスはどのくらいの頻度で行う必要がありますか?

メンテナンスの頻度は施術内容によって異なります。

シリコンバッグの場合、トラブルがなければ頻繁な通院は不要ですが、1年〜2年に1回程度のエコー検診を受けて、バッグの破損やカプセル拘縮の兆候がないかを確認するのが理想的です。

特に術後10年を経過した際は、一度詳しい検査を受けることが推奨されます。

脂肪注入の場合、定着してしまえば特別なメンテナンスは不要ですが、しこりができていないかをご自身でチェックし、気になることがあれば受診するというスタンスで問題ありません。

いずれにせよ、「何かあったらすぐ相談できるかかりつけ医」を持っておくことが安心に繋がります。

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