顔の脂肪溶解注射は何cc必要?部位別の目安量と推奨回数について

顔の脂肪溶解注射は何cc必要?部位別の目安量と推奨回数について

顔の脂肪溶解注射の1回量には、あご下3〜5cc、フェイスライン両側10cc前後という目安があります。国内で使われる一部の製剤で示される量で、実際の必要量は薬剤の種類、脂肪がある範囲、その厚みで決まります。

頬は、一律のcc数を示せる根拠が乏しい部位です。正面から見た頬の丸みを減らしたい場合は、ふくらみのどの部分が注射の対象かを診察で分けてから量を決めましょう。

この記事では、部位別の目安量と回数・間隔の決め方、量を増やす前の注意点、診察で共有したい治療計画を解説します。

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この記事を書いた人

アリエルバストクリニック 院長 石塚 紀行

石塚 紀行
ARIEL .BUST.CLINIC 院長
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資格・所属

  • 日本形成外科学会専門医
  • コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医
  • VASER Lipo認定医
  • Juvederm Vista 認定医
  • 乳房再建用エキスパンダー/インプラント実施医師
  • 日本形成外科学会所属
  • 日本美容外科学会(JSAPS)所属

【略歴】
脂肪吸引、豊胸を専門としている形成外科専門医。獨協医科大学医学部卒業後、獨協医科大学病院形成外科・美容外科入局。足利赤十字病院形成外科、獨協医科大学埼玉医療センター 形成外科学内助教、THE CLINIC大阪院・名古屋院の副院長を経て2024年、名古屋にARIEL .BUST.CLINICを開院。

ARIEL .BUST.CLINICは、脂肪吸引を得意とする名古屋のクリニックです。それぞれの体型や悩みに応じた専門性を活かしたご提案をしており、傷跡や傷のケアに形成外科専門医としての知識と技術を評価いただき、全国から患者様にお越しいただいています。

ボディメイクは決して焦る必要のないものです。このサイトでは脂肪吸引に関連する多くの記事を書いていますので、すぐに施術を決めることはせず、まずはぜひ患者様自身で知識をつけた上でご希望のクリニックへ相談されるようにしてください。

顔の脂肪溶解注射は範囲と厚みで量が決まる

1回に使う量は主に注射する範囲から、必要な回数は脂肪の厚みや残り方から見積もります。必要量を左右するのは、顔全体の大きさよりも脂肪の分布です。

注射する面積が広いほど総量は変わる

狭いあご下の一部分と、左右の輪郭に広がる脂肪では、薬剤を届ける面積が違います。皮下脂肪という皮膚の下にある脂肪の層を対象に、注射できる範囲を区切ってから全体の量を組み立てます。

顎下部、つまりあご先の下から首の上部にかけた部位では、格子状の目印を使い、治療面積から量を見積もる方法も提案されています。大切なのは、顔の外形そのものより、実際に薬剤を入れる範囲です。同じあご下という名称でも、中央だけを扱う計画と左右まで扱う計画では総量が変わります。

脂肪の厚みと皮膚の状態が回数に関わる

脂肪が厚く残る部位では、複数回に分けた治療が検討されます。面積が小さくても厚みがあれば、少ない回数で希望する輪郭まで変わるとは限らず、1回後の状態を見て次の量を調整します。

一方、皮膚のたるみや皮膚が薄くなった状態がふくらみの見え方に関わっていると、脂肪だけを減らしても希望どおりの形にならない可能性があります。筋肉や骨格による輪郭も注射で減らす脂肪とは異なるため、見た目の丸さをそのまま薬剤の必要量に置き換えるのは避けます。

cc・本数・薬剤の濃度を分けて読む

1ccは1mLと同じ体積で、1本を1ccとして数える院では5本が5ccに当たります。本数が示すのは薬液の体積であり、針を刺す回数や、減らせる脂肪の量とは異なる指標です。

同じ5ccでも、製剤が違えば含まれる成分や濃度が異なります。脂肪を減らす目的で使われる成分の1つがデオキシコール酸で、成分の量を表すmgと液体の体積を表すccは区別が必要です。

治療前には、製剤名、1本の容量、部位ごとの量を同じ説明の中で確認しましょう。

部位別に見る脂肪溶解注射の1回の目安量

あご下とフェイスラインには本数で示される目安があり、頬は対象の範囲を診察して個別に設定します。数字を読むときは、片側の量か両側の合計かも区別して読みます。

あご下3〜5cc、フェイスライン両側10cc前後

BNLS系の製剤などでは、1本=1ccとして次の量が目安に挙げられます。この系統の製剤は国内未承認の医薬品であり、示された本数は各院での治療に用いられる目安です。

部位1回の目安量を読む際の注意
あご下3〜5本=3〜5cc中央から左右への広がりで調整
フェイスライン両側10本前後=両側10cc前後片側10ccという意味ではない
頬診察で個別に設定一律に示せる本数・cc数の根拠が乏しい

この目安は多くの院が示す量の例で、変化の大きさや量の上限は人によって違います。少量で済む狭い範囲と、広く分布する脂肪を同じ条件で比べず、予定量が自分のどの範囲に対応しているかで読み取ります。

あご下と左右の輪郭は分けて配分する

あご下とフェイスラインの両方を希望する場合は、部位ごとの配分を確認できる計画が必要です。両側10ccという説明だけでは、あご下を含むのか、左右の輪郭だけなのかによって治療範囲が変わります。

たとえば、あご下の中央に厚みがあり、輪郭の片側にも局所的なふくらみがあるなら、それぞれの範囲と厚さを別々に評価します。左右の脂肪の付き方が違うときは、両側の合計量を半分ずつにせず、左右で注入量に差を設けることがあります。

2部位を同日に扱う計画では、目安を足した数字だけで総量を決めず、実際の範囲に重なりがあるかも含めて配分します。

頬は減らす場所と残す場所を先に分ける

頬の量は、ふくらみの位置と皮下脂肪の厚さに合わせた設定が基本です。口元に近い下側が気になる場合と、頬の中央を細くしたい場合では、必要な評価も注射する範囲も変わります。

ジョールは、下あごの輪郭沿いにある局所的なふくらみを指します。頬全体を意味する名称ではないため、この部位への注射量をそのまま両頬の標準量と考えると、対象範囲を取り違えてしまいます。

頬の丸みを少し残したい場合は、減らしたい部分と保ちたい部分を鏡で指し示し、予定量がその範囲に合っているかを医師と確認しましょう。

脂肪溶解注射の回数は途中の変化で調整する

回数は最初に目安を立て、各回の変化に応じて増減させます。国内の前述の系統では3回程度を目安とする説明が多く、1回の注射だけで終わる前提より、途中で再評価する計画が実際的です。

3回程度は初期計画の目安

3回という数字は、治療開始時に通院計画を立てるための目安です。薄い脂肪を狭く扱う場合と、厚みのある脂肪を広く扱う場合では、途中で残る量が違うため、追加を検討する時点も変わります。

開始時に決めるのは、おおよその回数に加えて、どこまで変われば終了とするかという目標です。あご下の厚みを少し減らしたいのか、左右の輪郭のもたつきを減らしたいのかを具体化すると、同じ回数でも求める変化の違いを共有しやすくなります。

回数が足りるか気になる場合は、初回の前に、何回目で予定を見直すかを確認しましょう。

脂肪が減れば次回の量も見直す

次回の量は、前回と同量を繰り返す前提で固定せず、その時点で残っている脂肪に合わせます。初回には広かった範囲が狭くなれば、追加で扱う場所も変わり、総量を減らす判断につながります。

研究で使われたATX-101は顎下部の試験薬で、国内で使われる前述の製剤とは異なります。顎下の治療回数別に成績をまとめた解析では、回を重ねると注入量が減り、希望する変化に達して予定の最大回数より前に終了する例が報告されています1)。

このような調整を自分の計画に反映させるには、残る範囲だけを対象にするか、いったん終了するかを毎回判断します。

変化が小さいときは追加の目的を整理する

回数を追加する判断には、注射で扱える脂肪がまだ残っているという評価が必要です。見た目の変化が小さいという理由だけで回数を増やすと、残っているふくらみの原因と治療の対象がずれたまま進むおそれがあります。

少ない回数で済ませたい気持ちになるのも当然です。希望する変化と1回ごとの反応を照らし合わせながら、追加でどの部分を減らすのかを明確にすると、必要な治療を選びやすくなります。

十分な変化に達した場合は終了し、判断がつかない場合は評価まで待つ選択もあります。終了を判断する基準は、予定回数の消化よりも治療目標への到達です。

次の注射までの間隔と予定の組み方

通院間隔は製剤の扱いと注射後の反応に合わせて決め、仕上がりの評価日は別に設けます。次の注射を受けられる時期と、前回の変化を十分に判定できる時期は、区別して組み立てる日程です。

国内製剤では1〜2週間おきが1つの目安

国内製剤では、少なくとも1週間をあけ、1〜2週間おきとする説明が多く、2〜4週間をあける運用もあります。実際の日程は、使用する製剤に加えて、前回の注射後に生じた反応を踏まえて設定します。

赤み・腫れ・むくみは数日で引くことが多く、内出血は1〜2週間ほど残ると説明されています。鈍い痛みも起こりうるため、見た目や感覚が落ち着く前に次回を迎えたときは、予定日だけを根拠に追加しない判断が必要です。

輪郭の評価は、間隔を短くして通院を終えても、脂肪の変化が落ち着くまで待つことになります。

最終回のあとにも評価までの時間を置く

最終回を受けた直後の見た目だけで、治療全体の結果を決めるのは早い判断です。注射で薬液を入れた直後の膨らみや、その後の反応が落ち着いてから、治療前と比較する時間を設けます。

顎下を対象としたATX-101の試験には、月1回で4〜6回を治療の枠組みとし、最終回から12週後に評価したものがあります。ホスファチジルコリンという、デオキシコール酸と組み合わせて脂肪を減らす目的で用いられる成分を含む従来製剤でも、数週おきの複数回治療後に時間を置いて評価する運用が報告されています。

ただし、これらは各研究の製剤と治療部位に対応した日程です。受ける注射の評価日は、その製剤の説明と実際の経過に沿って決まります。

行事の予定には通院と評価の期間を含める

結婚式や写真撮影に合わせる場合は、複数回の通院期間に加えて、最後の注射後に状態を見る期間が必要です。3回を1〜2週間おきに受ける計画なら、初回から3回目までだけで2〜4週間になり、これは仕上がりまでの期間を表す数字ではありません。

たとえば、自宅で撮影日の予定を見ながら通院候補日を書き出したとき、最終回が撮影の直前になるなら、回数を詰める前に日程の変更を検討します。初回の診察では行事の日付を伝え、予定どおり進まない場合に延期する注射も含めて相談しましょう。

治療を受ける期限が先に決まっていても、体の反応や脂肪の変化をその期限に合わせて早めることはできません。

増量を決める前に確認したい効果とリスク

増量を検討するときは、効果の上乗せが期待できる理由と、負担が増すおそれを合わせて評価します。範囲に合う量を使うことに加え、適切な深さと位置に注射することが安全性に関わります。

面積あたりの用量と顔全体のcc数は異なる

ATX-101の研究で用いられるmg/cm²は、皮膚の表面積1cm²あたりに投与する成分の重さを表します。2mg/cm²という研究用量は、あご下全体に2cc使うという意味ではなく、製剤の濃度と治療面積を区別して読む数値です。

顎下の脂肪を対象とする5試験、計1,838人をまとめた解析では、比較された1mg/cm²と2mg/cm²の間で、効果と副作用の頻度に差が認められなかったと報告されています2)。2mg/cm²で改善した試験がある点と、この比較結果は両立し、増量で効果が上乗せされるかは別に評価されます。

国内の別製剤で何ccにするかは、その製剤と部位に応じて決めます。

濃度を上げても効果は比例しない

薬液の体積を増やす方法と、同じ体積に含まれる成分を濃くする方法は、別々の調整です。総量が同じでも成分の量が変わるため、注入するcc数だけから体への負担を判断するのは難しいといえます。

顎下に対するATX-101の小規模な濃度設定試験では、濃度を高めても効果は比例して増えず、痛みなどの反応が強まる傾向が報告されています3)。前述の2用量の比較とは試験条件が違い、特定の比較で副作用に差がなかった結果を、あらゆる増量で安全という意味に広げることはできません。

追加量を提案されたときに確認したいのは、残る脂肪のどこを対象に増やすのかという具体的な理由です。

注入位置の誤りは周囲の組織を傷つける

適切な総量でも、脂肪以外の組織や浅すぎる位置への注射は障害につながります。デオキシコール酸注射では、皮膚の潰瘍や壊死という皮膚が傷ついて組織が損なわれる障害、下唇の動きに関わる神経の損傷が問題になります。

あご下や下あごの縁では、脂肪の位置と周囲の神経を踏まえた範囲の設定が必要です。注射後に笑ったときの口元に左右差が出た、飲み込みにくくなった、皮膚の色の異常や傷が広がった場合は、次の注射を待たず施術先へ連絡してください。

こうした変化がある状態では、量を減らして続けるかどうかよりも、まず原因の診察と対応が優先されます。

医師と共有する部位別の治療計画

治療計画では、初回の量に加え、次回に量を変える条件と終了の目標を共有します。初めから総量だけを決めるより、途中で判断し直せる内容が役立ちます。

初回は部位ごとの量と配分を記録する

説明を受ける際は、製剤名と予定量を部位別に残すと、次回に同じ条件で話を進めやすくなります。総量しか記載されていない場合には、あご下と左右の輪郭の配分まで分かる形が有用です。

共有する項目記録する内容判断につながる点
使用製剤製剤名・1本の容量前回と同じ薬液量かどうか
部位と量あご下・右側・左側のcc数どの範囲を追加するか
治療日程次回の予定・再評価の日継続するか待つか
終了の目標減らしたい部分・残したい輪郭追加の目的が残っているか

注射後の経過によって変更する余地も含め、初回の説明で共有しましょう。

次回は同じ向きの写真と残る厚みで比べる

次回量の判断には、治療前と同じ条件で見比べた輪郭と、診察で評価する脂肪の厚みを使います。顔を上に向けた写真と下を向けた写真ではあご下の見え方が変わり、変化を大きく見積もったり小さく見積もったりしやすくなります。

写真を残すなら、正面・斜め・横など比較する向きを決め、首の角度や照明もそろえると役立ちます。写真だけでは皮下脂肪の厚みまで判断できないため、見た目の比較と触れて調べる診察を組み合わせ、追加する範囲を決めます。

追加・待機・終了を選べる予定にする

次の診察では、脂肪が残り追加の目的が明確なら継続、評価しづらければ待機、希望する変化に達していれば終了という選択があります。量の多い少ないに加えて、次の1回で何を変えるのかを言葉にできる計画を立てましょう。

また、初回に想定した回数を超えそうなら、続ける理由と総量の見込みを改めて説明してもらいます。部位の目安量は出発点であり、実際の反応と残る脂肪に応じて計画を修正することが、納得して治療を受けるためにつながります。

よくある質問

脂肪溶解注射は1本で何ccですか?

1本=1ccとして数える院が多く、その扱いなら3本は3ccです。本数という呼び方だけで容量を決めず、説明書や見積もりに記された1本の容量を確認すると、予定されている薬液量を把握できます。

両側10ccなら左右5ccずつになりますか?

左右5ccずつに分けるとは限りません。左右で脂肪の範囲や厚みが違う場合には、同じ総量でも配分を変える判断があります。

治療前には、右側・左側にそれぞれ何ccを予定し、どの部分へ注射するかを確認しましょう。量の差がある理由まで分かると、次回に比較する範囲も共有できます。

量を倍にすれば通院回数を半分にできますか?

量を倍にして回数を半分にできるとはいえません。1回量は治療面積や製剤に合わせて設定し、回数は残る脂肪や変化に応じて判断します。

通院できる日が限られている場合は、その日程を初回に伝え、無理のない間隔で計画を組むことが先です。まとめて多く入れる方法には、効果が比例して増える保証がなく、濃度や注入位置による負担もあります。

3回受けたあとも脂肪が気になれば追加できますか?

対象となる脂肪が残り、追加する目的が明確なら、診察のうえで検討できます。最終回から十分な評価期間を置いたか、残るふくらみが皮下脂肪によるものかで判断が変わります。

追加を決める前に、治療前との比較と残る厚みの評価を受けましょう。希望する変化に達している場合や、まだ注射後の反応が残っている場合には、終了や待機が選ばれます。

参考文献

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