顔の脂肪注入、ダウンタイムはいつまで？仕事復帰の目安と楽に過ごす5つのコツ

ご自身の脂肪を活かして、ふっくらとした若々しい印象を目指せる「顔の脂肪注入」。

興味はあるものの、施術後の腫れや内出血、いわゆる「ダウンタイム」がどれくらい続くのか、いつから仕事に戻れるのか、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、顔の脂肪注入のダウンタイム期間の目安、詳しい経過、そしてその期間を少しでも楽に過ごすための5つの具体的なコツを解説します。施術を検討する際の参考にしてください。

顔の脂肪注入 ダウンタイムの全体像

顔の脂肪注入のダウンタイムは、注入する脂肪の量や部位、採取部位の状態、そして個人の体質によって変動しますが、大きな腫れや内出血が目立つ期間は、一般的に1〜2週間程度です。

その後、むくみ感が取れて自然な状態に落ち着くまでには1〜3ヶ月ほどかかります。

ダウンタイムとは？基本的な理解

ダウンタイムとは、美容施術を受けてから、日常生活に戻れるまでの回復期間を指します。

顔の脂肪注入の場合、主に「脂肪を注入した顔」と「脂肪を採取した部位（太ももやお腹など）」の両方にダウンタイムが生じます。

主な症状は、腫れ、内出血、痛み、むくみなどです。施術による体への反応であり、時間とともに必ず軽快していきます。

注入部位別のダウンタイム目安

顔の中でも、皮膚の薄さや動きの多さによってダウンタイムの出方が異なります。

あくまで目安ですが、部位ごとの傾向を知っておくと心構えができるでしょう。

注入部位ごとのダウンタイム傾向

注入部位	腫れの傾向	内出血の傾向
額・こめかみ	腫れが出やすい。重力でまぶたに下りてくることがある。	比較的出やすい。
目の下（クマ）	腫れは中程度だが、皮膚が薄いため目立ちやすい。	皮膚が薄く血管が多いため、内出血が出やすい。
頬・ゴルゴライン	腫れやすいが、範囲が広いため目立ちにくい場合もある。	比較的出やすい。

ダウンタイム中に現れる主な症状

ダウンタイム中には、以下のような症状が段階的に現れます。

• 腫れ（むくみ）
• 内出血（青あざ・黄あざ）
• 痛み（鈍痛・圧痛）
• つっぱり感

これらは脂肪を注入し、組織が回復する過程で起こる正常な反応です。特に腫れと内出血は、施術後数日間がピークとなることが多いです。

個人差が生まれる理由

同じ施術を受けても、ダウンタイムの長さや症状の強さには個人差があります。

その主な理由は、体質（むくみやすさ、出血しやすさ）、年齢（若い方の方が回復が早い傾向）、注入する脂肪の量、そして施術後の過ごし方です。

医師の技術力も影響する要素の一つですが、ご自身の体調管理も重要です。

【時系列】顔の脂肪注入 経過と症状の変化

顔の脂肪注入を受けた後の経過は、時間とともにはっきりと変化していきます。一般的な症状の推移を時系列で解説します。

脂肪採取部位にも同様にダウンタイムがありますが、「顔」の経過を中心に説明します。

施術当日〜3日目（急性期）

施術直後から腫れや痛みが出始め、2〜3日目がピークとなることが多い時期です。内出血もこの時期に最も目立ちやすくなります。

注入部位には局所麻酔の影響も残り、少し腫れぼったく感じるでしょう。

痛みに対しては、クリニックから処方される痛み止めで対応可能です。この時期は冷却（アイシング）が特に重要です。

急性期の主な症状とケア

時期	主な症状	推奨されるケア
当日〜3日目	腫れ（ピーク）、内出血（濃い色）、痛み	冷却、安静、処方薬の服用

4日目〜1週間目（回復初期）

ピークを越え、大きな腫れや痛みが徐々に引き始める時期です。

内出血は、重力に従って少し下に移動したり、色が青紫から黄色っぽく変化しながら薄くなっていきます。

まだむくみ感やつっぱり感は残りますが、日常生活の軽い動作は問題なく行えるようになります。

2週目〜1ヶ月目（回復中期）

この時期になると、目立つ腫れや内出血はほとんど落ち着きます。多くの人がメイクでカバーすれば、他人に気づかれにくくなるでしょう。

ただし、まだ内部の組織は回復途中にあり、触ると少し硬さ（拘縮）を感じたり、むくみが出たり消えたりすることがあります。

回復中期の状態

時期	主な状態	ポイント
2週目〜1ヶ月目	大きな腫れ・内出血の改善、むくみの残存、軽い拘縮	メイクでカバー可能、無理のない範囲での活動

1ヶ月目以降（安定期）

むくみや拘縮がさらに改善し、注入した脂肪が定着して仕上がりが近づいてくる時期です。注入した脂肪は、1〜3ヶ月ほどかけて一部が吸収され、残りがご自身の組織として定着します。

最終的な仕上がりに近づくのは、個人差もありますが3ヶ月〜半年ほどが目安です。

仕事復帰の目安はいつ？

仕事復帰のタイミングは、ダウンタイムの症状（特に腫れと内出血）と、ご自身の職種や勤務形態によって大きく異なります。

無理のない計画を立てることが大切です。

デスクワークの場合

デスクワークで、人と直接会う機会が少ない場合、早い方では施術後3〜4日目から復帰するケースもあります。

ただし、まだ腫れや内出血が目立つ時期ではあるため、可能であればマスクを着用したり、メガネで視線をそらしたりする工夫が求められます。

接客業・人前に出る仕事の場合

接客業や営業職など、人前に出ることが基本となる仕事の場合、大きな腫れや内出血が引くまでの1〜2週間程度はお休みを取得することを推奨します。

メイクでカバーしきれない場合、かえってストレスを感じてしまう可能性があるためです。

職種別・仕事復帰の目安

職種	復帰目安	条件・工夫
デスクワーク（内勤）	3日〜1週間程度	マスク着用、メガネ使用
接客業・営業職	1〜2週間程度	メイクでカバーできる状態になってから
リモートワーク	1〜3日程度	体調が良ければ。カメラOFFも活用。

マスク着用が可能な場合の判断

頬やほうれい線、口元の注入であればマスクで隠すことが比較的容易です。この場合、デスクワークであれば腫れのピークを越えた3日目頃から復帰できる可能性もあります。

しかし、額やこめかみ、目の下などマスクで隠せない部位の場合は、やはり1週間程度は様子を見るのが賢明です。

リモートワークの利点

リモートワーク（在宅勤務）は、ダウンタイム中の働き方として非常に有利です。体調が回復すれば、腫れや内出血を気にせず仕事ができます。

ビデオ会議が必要な場合でも、カメラをオフにする、あるいはマスクやメイクで対応するなど、調整がしやすいでしょう。

ダウンタイムを楽に過ごす5つのコツ

ダウンタイムの症状をゼロにはできませんが、いくつかの工夫で症状を軽減し、期間中をより快適に過ごすことは可能です。

5つのコツを紹介します。

コツ1：冷却（アイシング）を適切に行う

施術後、特に最初の3日間は、冷却（アイシング）が非常に重要です。冷却することで血管が収縮し、腫れや内出血、痛みを抑える助けとなります。

保冷剤をタオルやガーゼで包み、注入部位やその周辺を1回15〜20分程度、断続的に冷やしましょう。

冷やしすぎや凍傷には注意してください。

コツ2：頭を高くして寝る

就寝時は、枕を高くしたり、リクライニングチェアを利用したりして、顔（頭）を心臓より高い位置に保つように工夫しましょう。

顔に余計な水分や血液が集まるのを防ぎ、腫れやむくみの軽減につながります。

コツ3：血行を促進しすぎない（入浴・運動・飲酒）

ダウンタイム初期は、血行が良くなりすぎると腫れや内出血が悪化する可能性があります。

施術後1週間程度は、以下の行動を控えることが賢明です。

ダウンタイム初期に控えるべき行動

行動	理由	目安期間
長時間の入浴（湯船）	体温上昇による血行促進	1週間（シャワーは可）
激しい運動・筋トレ	血圧上昇・血行促進	1〜2週間
飲酒	血管拡張による血行促進	1週間

コツ4：刺激の少ない食事を心がける

塩分や糖分の多い食事は、むくみを助長する可能性があります。また、香辛料などの刺激物も血行を良くすることがあります。

ダウンタイム中はできるだけ消化が良く、栄養バランスの取れた和食などを中心に、薄味を心がけると良いでしょう。

コツ5：精神的な準備とリラックス

「本当にきれいになるの？」と不安になる時期ですが、腫れや内出血は必ず引いていきます。

施術後の経過をあらかじめ理解し、「今は回復期間」と割り切ってリラックスして過ごすことが大切です。

好きな音楽を聴いたり、読書をしたりして、ゆったりとした時間を持ちましょう。

その不安、ダウンタイムの「思い込み」かも？

SNSなどの情報を見ていると、ダウンタイムに対して「すごく大変そう」「痛くて動けないのでは？」と過度な不安を抱いてしまうことがあります。

しかし、実際とは異なる「思い込み」も少なくありません。

「全く動けない」わけではない

顔の脂肪注入は、全身麻酔を必要とするような大掛かりな手術とは異なります（クリニックの方針にもよります）。

施術当日は安静が必要ですが、翌日からは家事や近所への買い物など、日常生活の範囲内での活動は可能です。

痛みも処方薬でコントロールできる範囲がほとんどです。

「誰が見ても不自然」な期間は短い

確かに施術後数日間は、腫れや内出血で「いつもと違う顔」に見えます。しかし、このピークは2〜3日で過ぎ、1週間もすれば大きな腫れは引いてきます。

家族や親しい友人以外には気づかれない程度に回復するまでの期間は、想像しているよりも短いかもしれません。

「痛み止めが効かない」は稀

脂肪注入の痛みは、筋肉痛や打撲に近い鈍い痛みが中心です。クリニックから処方される鎮痛剤で十分に管理できる場合がほとんどです。

「耐えられないほどの激痛」が続くことは稀であり、もしそのような場合はすぐにクリニックに相談すべきです。

「ずっと安静」は逆効果？適度な活動

施術当日は安静が第一ですが、翌日以降は、腫れが引くのを待ちながらも、無理のない範囲で体を動かすことが推奨されます。

ずっと寝ているとかえって血流が滞り、むくみが長引くこともあります。

家の中を歩いたり軽いストレッチをしたりするなど、適度な活動は回復を助けます。

ダウンタイム中のメイクとスキンケア

ダウンタイム中であっても、メイクやスキンケアは工夫次第で可能です。

ただし、施術部位への刺激は避け、清潔を保つことが大前提です。

メイクはいつから可能か

注入部位（針穴）以外のメイクは、早ければ施術翌日から可能です。ただし、注入部位の針穴が完全にふさがるまでは、その部分へのメイクは避けてください。

ファンデーションなどが針穴に入ると、感染の原因となり得ます。

メイク開始時期の目安

内容	開始目安	注意点
注入部位以外のメイク	施術翌日〜	針穴を避ける。
注入部位を含めた全顔メイク	3日〜1週間後（医師の確認後）	強く擦らない。

施術部位を避けたメイクの工夫

例えば、頬に注入した場合でも、アイメイクや眉は翌日から可能です。

目の下に注入した場合、ファンデーションは避け、アイブロウとリップだけにするなど、ポイントメイクを活用するのも良い方法です。

洗顔とスキンケアの注意点

洗顔やスキンケアも基本的には翌日から可能ですが、注入部位を強く擦ったり、圧迫したりしないよう細心の注意が必要です。

• ぬるま湯で優しく洗い流す
• 低刺激の洗顔料をよく泡立てて使う
• タオルで押さえるように水分を拭き取る

化粧水や乳液も、叩き込まずに優しくハンドプレスでなじませましょう。

腫れや内出血を隠すメイク術

内出血が黄色っぽく変化してきたら、コンシーラーでカバーしやすくなります。

青紫色の内出血にはオレンジ系、黄色い内出血にはイエロー系やベージュ系のコンシーラーが馴染みやすいです。

ただ、メイクで隠すことに集中しすぎて、施術部位を刺激しないように注意してください。

ダウンタイムを長引かせないための注意点

ダウンタイムをできるだけ短くスムーズに終えるためには、いくつかの注意点を守ることが重要です。

これらは脂肪の定着率にも関わってきます。

施術部位を触らない・圧迫しない

注入した脂肪が定着するまでの約1ヶ月間は、施術部位を不必要に触ったり、マッサージしたり、強く圧迫したりしないでください。うつ伏せ寝も避けるべきです。

デリケートな注入脂肪が動いたり、吸収が促進されたりするのを防ぐためです。

喫煙の影響

喫煙は血管を収縮させ、血流を悪化させるため、注入した脂肪への栄養供給を妨げ、定着率を下げてしまう大きな要因となります。

また、傷の治りも遅らせるため、ダウンタイムが長引く原因にもなります。

少なくとも施術前後1ヶ月程度は禁煙することが強く推奨されます。

栄養バランスの取れた食事

脂肪が定着し、組織が回復するためには栄養が必要です。特にタンパク質やビタミン、ミネラルをバランス良く摂取することを心がけましょう。

回復をサポートする栄養素

栄養素	主な役割	含まれる食品例
タンパク質	組織の修復、材料となる	肉、魚、卵、大豆製品
ビタミンC	コラーゲン生成、抗酸化	野菜、果物
亜鉛	細胞分裂、免疫機能	牡蠣、レバー、ナッツ類

医師の指示を守る重要性

処方された薬（抗生剤や痛み止め）の服用、施術後の検診、生活上の注意点など、担当医師からの指示は必ず守ってください。

自己判断で薬をやめたり、推奨されていない行動（マッサージなど）をしたりすることは、回復を妨げるリスクがあります。

不安な点があれば、すぐにクリニックに相談しましょう。

顔の脂肪注入 ダウンタイムに関するよくある質問 (Q&A)

最後に、顔の脂肪注入とダウンタイムに関して、患者様から多く寄せられる質問にお答えします。

腫れや内出血はどのくらいで引きますか？

大きな腫れや内出血は、1〜2週間でほとんど落ち着きます。腫れのピークは施術後2〜3日で、その後徐々に引いていきます。

内出血は青紫色から黄色へと変化しながら、2週間ほどで薄れて目立たなくなります。ただし、完全なむくみが取れてスッキリするまでには1〜3ヶ月ほどかかります。

痛みは続きますか？

痛みは、施術後2〜3日をピークに、1週間程度で徐々に治まります。多くの場合、筋肉痛や打撲のような鈍い痛みです。

クリニックから処方される鎮痛剤で十分にコントロールできる範囲ですので、過度な心配は不要です。

もし痛みが強まる、あるいは長引く場合は、クリニックにご相談ください。

ダウンタイム後に気をつけることはありますか？

注入した脂肪の定着を促すため、施術後1ヶ月程度は、顔のマッサージや強い圧迫を避けてください。

また、過度なダイエットも脂肪の定着に影響する可能性があるため、安定するまでは栄養バランスの良い食事を心がけてください。

喫煙も定着率を下げるため、控えることを強く推奨します。

2回目の注入を考える場合のダウンタイムは？

2回目の注入を行う場合も、ダウンタイムは基本的に1回目と同様です。腫れや内出血は1〜2週間程度が目安です。

ただし、1回目の施術で組織が安定してから行う必要があり、通常は前回の施術から3ヶ月〜半年ほど期間を空けて検討します。