脂肪注入のダウンタイムは何日？顔・胸など部位別の期間と仕事復帰の目安

自分の脂肪を使って自然なボリュームアップが期待できる脂肪注入。でも、気になるのは「ダウンタイムがどれくらい続くのか」ですよね。

施術を受けたいけれど、仕事や普段の生活にどれくらい影響が出るのか分からず、一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、顔・胸・手といった部位別のダウンタイムの期間や症状、脂肪を吸引した部分の経過、そして気になる仕事復帰の目安まで詳しくお答えします。

脂肪注入のダウンタイム 全体像

脂肪注入のダウンタイムは、注入部位と吸引部位の両方に生じ、強い症状は一般的に術後1〜2週間程度続きます。

期間は注入する部位や量によって異なりますが、その後、数ヶ月かけて徐々に完成形へと近づいていくのが全体の流れです。

ダウンタイムの主な症状

施術後に現れる主な症状は、腫れ、内出血、痛み、むくみなどです。症状は体の正常な治癒反応の一部であり、時間とともに軽快します。

特に腫れと内出血は見た目に影響するため、不安に感じる方が多い症状です。

ダウンタイム中の症状の経過目安

期間	主な症状	過ごし方のポイント
当日〜3日目	腫れ、痛み、内出血が最も強く出る時期。	安静に過ごす。処方された薬を正しく服用する。
4日目〜1週間	強い腫れや痛みが引き始める。内出血は黄色く変化する。	無理のない範囲で日常生活に戻る。
2週目〜1ヶ月	大きな腫れはほとんど治まる。拘縮（皮膚が硬くなる症状）が出始める。	軽い運動が可能になる。拘縮部位のマッサージを開始する。
3ヶ月〜半年	むくみや拘縮が解消し、自然な仕上がりになる。	ほぼ通常の生活に戻れる。完成形が見える時期。

注入する脂肪の量とダウンタイムの関係

ダウンタイムの期間や症状の程度は、注入する脂肪の量に比例する傾向があります。

例えば、顔のほうれい線など部分的な注入よりも、胸全体に注入する豊胸術の方がより多くの脂肪を必要とするため、ダウンタイムも長くなるのが一般的です。

カウンセリング時に、自分の希望するデザインに必要な脂肪量と、それに伴うダウンタイムの見込みについて医師にしっかり確認することが大切です。

定着率を高めることも重要

注入した脂肪がすべて定着するわけではありません。一部は体に吸収されます。

脂肪の定着率は、施術の技術だけでなく、ダウンタイム中の過ごし方にも影響を受けます。

血行を良くしすぎたり、施術部位を圧迫したりすると定着率が下がる可能性があるため、医師の指示を守って慎重に過ごしましょう。

【部位別】顔への脂肪注入｜ダウンタイムの期間と症状

顔への脂肪注入におけるダウンタイムでは、大きな腫れや内出血が術後1週間程度目立ちます。

こめかみ、額、目の下など様々な部位に対応可能で、マスクで隠せる範囲であれば比較的早く社会復帰しやすい施術です。

額・こめかみ

額やこめかみは皮膚が薄く、骨に近いため、腫れやむくみが目立ちやすい部位です。注入量にもよりますが、腫れは術後2〜3日目をピークに、1〜2週間で徐々に引いていきます。

重力の影響で、眉間や目の周りまで腫れが下がってくることもあります。

顔の部位別ダウンタイム目安

部位	強い腫れ・内出血の目安	仕事復帰の目安
額・こめかみ	約1〜2週間	デスクワークなら3日〜1週間
目の下・ゴルゴライン	約1〜2週間	デスクワークなら3日〜1週間
頬・ほうれい線	約1週間	マスク着用で2〜3日から可能

目の下・ゴルゴライン

目の下の皮膚は非常に薄くデリケートなため、内出血が出やすい部位です。コンシーラーで隠せる程度になるまでには1〜2週間ほどかかる場合があります。

また、腫れによって一時的に涙袋が目立たなくなったり、目がむくんだ印象になったりすることもあります。

頬・ほうれい線

頬やほうれい線は、比較的ダウンタイムが短い傾向にあります。腫れはありますが、マスクで隠しやすい部位のため、日常生活への影響は少ないでしょう。

ただし、食事の際に口を大きく開けにくかったり、違和感を覚えたりすることがあります。

【部位別】胸（豊胸）への脂肪注入｜ダウンタイムの期間と症状

脂肪注入による豊胸のダウンタイムでは、強い痛みや腫れが術後1週間をピークに生じます。

注入量が多いため他の部位よりダウンタイムは長くなる傾向にあり、日常生活に不自由がなくなるまで2週間〜1ヶ月ほどかかります。

術後1週間の症状と経過

術後1週間は、痛み、腫れ、内出血、熱感が最も強く出る時期です。特に最初の2〜3日は、筋肉痛のような痛みが強く、腕を上げたり、寝返りを打ったりする動作が辛く感じます。

内出血は胸全体から脇腹、お腹の上部まで広がることがありますが、時間とともに消えていきます。

胸のダウンタイム経過

時期	主な症状	注意点
〜1週間	強い痛み、腫れ、内出血、熱感。	安静第一。腕を高く上げる動作は避ける。
〜1ヶ月	痛みや腫れが大幅に改善。むくみや拘縮が残る。	締め付けの強い下着は避ける。軽い運動が可能に。
〜3ヶ月	見た目の腫れはほぼ解消。しこりや硬さが気になることがある。	脂肪が定着し、バストの大きさが安定してくる。

むくみとしこりについて

術後1ヶ月を過ぎると大きな腫れは引きますが、むくみはしばらく続くため、実際のサイズより大きく感じることがあります。

また、注入した脂肪の一部が壊死したり、オイル化したりすることで、しこりができる場合があります。

多くのしこりは時間とともに吸収されますが、気になる場合は必ず施術を受けたクリニックに相談してください。

ブラジャーの着用はいつから？

注入した脂肪の定着を妨げないよう、術後しばらくはワイヤー入りのブラジャーなど、胸を締め付ける下着の着用は避ける必要があります。

一般的には、術後1ヶ月程度はカップ付きのキャミソールやスポーツブラなどで優しく支え、その後も3ヶ月〜半年はワイヤーなしのブラジャーを推奨するクリニックが多いです。

自己判断で着用を開始せず、医師の指示に従いましょう。

【部位別】手への脂肪注入｜ダウンタイムの期間と症状

手への脂肪注入では、腫れや内出血のピークが術後数日〜1週間程度続きます。手の甲は日常的によく使うため、ダウンタイム中の過ごし方には少し工夫が求められます。

「老け手」の改善に有効な手段です。

腫れと内出血の程度

手の甲は皮膚が薄いため、腫れや内出血が比較的目立ちやすい部位です。注入直後はパンパンに腫れたように感じますが、1〜2週間で落ち着いてきます。

内出血は指先の方まで広がることもありますが、必ず引いていくので心配はいりません。

日常生活での注意点

術後は、手を心臓より高く上げるように意識すると、腫れの軽減に役立ちます。また、重いものを持ったり、手を強く握ったりする動作は、術後1週間程度は避けましょう。

水仕事は可能ですが、長時間の作業は避け、手を保護するためにゴム手袋などを使用すると良いでしょう。

手のダウンタイム中のケア

項目	ポイント	期間の目安
腫れの管理	手を心臓より高く上げることを意識する。	術後1週間
動作の制限	重い物を持つ、強く握るなどの動作を避ける。	術後1週間
水仕事	ゴム手袋を着用し、長時間を避ける。	術後数日間

指輪や時計の着用

腫れがある間は、指輪や時計などを着用すると血行を妨げる原因になります。むくみが完全に引くまで、最低でも1ヶ月程度は着用を控えることをお勧めします。

無理に着用すると、外せなくなってしまう危険性もあるため注意が必要です。

脂肪吸引した部位（お腹・太もも）のダウンタイム

脂肪を吸引した部位のダウンタイムでは、強い筋肉痛のような痛みが術後1週間ほど続きます。

脂肪注入を行うためには、お腹や太ももからの脂肪吸引が伴うため、注入部位とは別にダウンタイムが生じ、異なる経過をたどります。

吸引部位の主な症状

脂肪吸引した部位には、強い筋肉痛のような痛み、腫れ、むくみ、広範囲の内出血が生じます。特に術後1週間は、歩行や着替え、椅子からの立ち上がりといった日常的な動作も辛く感じることがあります。

これらの症状は、施術の侵襲に対する体の自然な反応です。

脂肪吸引部位の症状経過

時期	痛み	腫れ・むくみ	内出血
〜1週間	強い筋肉痛のような痛み。	ピーク。圧迫着で管理する。	広範囲に出現。紫色や赤黒い色。
〜1ヶ月	大幅に軽減。動かし始めに違和感。	徐々に引いてくる。	黄色く変化し、次第に消えていく。
〜3ヶ月	ほぼ消失。拘縮による突っ張り感。	むくみやすい状態が続くことがある。	ほとんど消失。

圧迫固定の重要性

術後は、腫れや内出血を抑制し、皮膚のたるみを防ぐために、ガードルなどの圧迫着を着用する必要があります。

クリニックの指示に従い、一定期間（通常1〜3ヶ月程度）は着用を続けることがきれいな仕上がりのために重要です。

拘縮（こうしゅく）とは

術後2週目あたりから、吸引部位の皮膚が硬くなったり、表面がボコボコしたりする「拘縮」という症状が現れます。

これは脂肪がなくなったスペースを体が修復しようとする過程で起こるもので、治癒の証拠でもあります。

通常、3ヶ月〜半年ほどかけて、マッサージやストレッチを行うことで滑らかな状態に戻っていきます。

ダウンタイム中の「見た目」の変化、隠し方と心の準備

ダウンタイム中の見た目の変化は、腫れがピークとなる術後2〜3日目に最も顕著になります。

多くの方がこの変化に心理的な負担を感じるため、マスクやメイクで上手にカバーする方法と、事前の心構えが大切です。

「思ったより腫れている？」ピーク時の見た目と心構え

多くの場合、腫れのピークは施術直後ではなく、術後2〜3日目にやってきます。

事前に説明を受けていても、想像以上に腫れた自分の顔を見て驚き、落ち込んでしまう方もいます。

一時的な状態であり必ず引いていくものですので、この時期はあまり鏡を見すぎず、リラックスして過ごすことを心がけましょう。

見た目をカバーするアイテム

• マスク
• 伊達メガネ・サングラス
• つばの広い帽子
• 前髪やサイドの髪でのアレンジ

ファッションとメイクで上手にカバーする方法

ダウンタイム中は、ファッションやメイクを工夫することで、気になる部分を自然にカバーできます。

顔の施術後は、マスクやフレームの太い伊達メガネが有効です。内出血は通常のコンシーラーでは隠しきれないこともあります。色の原理を利用したコントロールカラーを使いこなすのがポイントです。

胸の場合は、胸元がゆったりしたデザインのトップスや前開きのシャツなどが着脱しやすく、体への負担も少ないでしょう。

内出血を隠すコンシーラーの色選び

内出血の色	効果的なコンシーラーの色	理由
赤紫・青紫	イエロー系・オレンジ系	補色関係にある色が、お互いの色を打ち消し合うため。
黄色	パープル系	黄色っぽいくすみをカバーし、透明感を出すため。

不安な気持ちとどう向き合うか

ダウンタイム中は、見た目の変化だけでなく、痛みや不自由さから気分が落ち込みやすくなることがあります。

「本当にきれいになるのだろうか」という不安は、誰にでも起こり得ます。

大切なのは、完成までには数ヶ月単位の時間が必要だと理解することです。不安な気持ちを一人で抱え込まず、施術を受けたクリニックに相談しましょう。

経験豊富なスタッフが、現在の状態が順調な経過であることや、今後の見通しを説明してくれるだけで気持ちが楽になるはずです。

ダウンタイムを長引かせないための賢い過ごし方

ダウンタイムを長引かせないためには、血行を促進する行動を避け、体を適切に冷やしたり温めたりすることが重要です。

術後の過ごし方次第で体への負担を減らし、回復を早めることができます。

血行を促進する行動は避ける

術後しばらくは、血行が良くなりすぎると腫れや痛みを助長する原因になります。特に術後1週間は、以下の行動を避けるようにしましょう。

ダウンタイム中に避けたい行動

• 長時間の入浴
• サウナ
• 激しい運動
• 飲酒

体を冷やす・温めるタイミング

術後の体のケアとして、冷やすこと（クーリング）と温めること（温活）が有効ですが、適切なタイミングで行うことが大切です。

 術後3日目までは、炎症を抑えるために濡れタオルや保冷剤をタオルで包んだもので施術部位を優しく冷やします。 

4日目以降は内出血やむくみを早く引かせるために、蒸しタオルなどで優しく温め、血行を促すのが良いでしょう。

ただし、やりすぎは禁物です。どちらも1回あたり10分程度を目安に行ってください。

食事で気をつけること

ダウンタイム中は、食事内容にも少し気を配ると回復をサポートできます。塩分の多い食事はむくみの原因になるため、控えめにしましょう。

一方で、体の組織の修復を助けるタンパク質や炎症を抑える効果が期待できるビタミン、ミネラルは積極的に摂ることをお勧めします。

回復をサポートする栄養素

栄養素	多く含まれる食品の例	期待できる働き
タンパク質	肉、魚、卵、大豆製品	組織の修復、体力維持
ビタミンC	パプリカ、ブロッコリー、果物	コラーゲン生成の補助、抗酸化作用
亜鉛	牡蠣、レバー、ナッツ類	皮膚や粘膜の健康維持

十分な睡眠と安静

何よりも大切なのが、体をしっかりと休ませることです。特に術後数日間は、無理なスケジュールを入れず睡眠時間を十分に確保し、リラックスして過ごしましょう。

体の回復力を高めることが、ダウンタイムを短縮する一番の近道です。

仕事復帰のタイミングと周囲への伝え方

仕事復帰のタイミングは、デスクワークであれば術後2〜3日から、胸の施術でも3日〜1週間が目安です。

ただし、仕事内容や施術部位によって必要な回復期間は異なるため、無理のないスケジュールを組むことが大切です。

仕事内容別の復帰目安

仕事復帰の目安は、体への負担の度合いによって変わります。

デスクワークか立ち仕事か、体を動かす仕事かによって、必要な回復期間が異なります。

仕事内容別の復帰目安

仕事内容	顔の脂肪注入	胸の脂肪注入
デスクワーク・在宅勤務	2〜3日後から可能（マスク推奨）	3日〜1週間後
接客業・立ち仕事	1週間後（腫れが引いてから）	1〜2週間後
力仕事・体を動かす仕事	1〜2週間後	約1ヶ月後

有給休暇の取り方とスケジューリング

ダウンタイムを見越して、事前に有給休暇を申請しておくことが重要です。金曜日に施術を受け、土日を含めて3〜4日間休むといったスケジュールを組む方が多いです。

可能であれば、連休などを利用するとより余裕を持って回復に専念できます。

万が一回復が遅れた場合のことも考え、少し長めに休暇を申請しておくと安心です。

周囲に気づかれず休むための伝え方

施術について職場に詳しく話す必要はありません。「体調不良」や「家庭の事情」、「親戚の用事」など、一般的な理由で十分です。

もし顔の腫れが残った状態で出勤する必要がある場合は、「親知らずを抜いた」「歯の治療をした」「肌が荒れてしまって」といった理由を準備しておくと、自然に対応できるでしょう。

脂肪注入のダウンタイムに関するよくある質問

ダウンタイム中、運動はいつからできますか？

軽い運動は1ヶ月後から可能です。血行が良くなりすぎると腫れや痛みが長引く原因になるため、最初の1週間は安静に過ごしてください。

ウォーキングなどの軽い運動から始め、徐々に体を慣らしていくのが良いでしょう。

激しい運動や筋力トレーニングは、医師の許可が出てから再開してください。

施術後、お風呂はいつから入れますか？

施術当日はシャワー浴のみにしてください。湯船に浸かるのは、脂肪吸引部位の抜糸が終わる1週間後あたりからが目安です。

長時間の入浴は血行を促進し、腫れを助長する可能性があるため、最初は短時間で済ませましょう。

ダウンタイム中の食事で気をつけることはありますか？

塩分の多い食事はむくみの原因になるため、控えることをお勧めします。また、血行を良くするアルコールや香辛料の強い食べ物も、1週間程度は避けた方が賢明です。

タンパク質やビタミンなど、体の回復を助ける栄養素を意識して摂ると良いでしょう。

痛みはどのくらい続きますか？痛み止めはもらえますか？

痛みは施術後2〜3日がピークで、その後は徐々に和らぎます。特に脂肪を吸引した部位は筋肉痛のような痛みが1週間ほど続くことがあります。

クリニックから痛み止めの薬が処方されますので、痛みが辛い時は我慢せずに服用してください。ほとんどの方が、処方された薬で十分にコントロール可能です。