脂肪移植とは？顔や胸に自分の脂肪でハリを出す、メリット・デメリットと費用を解説

脂肪移植は、自分の体から採取した脂肪を、ボリュームアップしたい顔や胸などに注入する美容医療の施術です。

特に、加齢による顔のたるみやこけ、あるいは豊胸を希望する方にとって、ヒアルロン酸注入のような一時的な方法と異なり、半永久的な効果が期待できる点、そして自分の組織を使うため拒否反応のリスクが極めて低い点が大きな魅力です。

定着率を高めるための高度な技術進化を遂げており、自然で滑らかな仕上がりを実現します。

本記事では、脂肪移植の仕組み、期待できる効果、知っておくべきリスクとダウンタイム、そして気になる費用相場までを解説します。

脂肪移植の基本

脂肪移植とは、患者様ご自身の太ももやお腹などから吸引した脂肪を精製し、それを顔のくぼみや胸などのボリュームが不足している部位に注入する施術です。

この方法は、異物を体内に入れることに抵抗がある方や、永続的な効果を求める方に選ばれています。

採取した脂肪組織は、そのまま注入するのではなく、生着率を高めるために不純物を取り除く加工を施します。

脂肪移植とはどのような施術か

脂肪移植は、体の一部から脂肪を取り、別の部分に移動させる（移植する）手術です。

具体的には、シリンジやカニューレという細い管を使って、まず脂肪吸引を行います。

採取した脂肪には血液や麻酔液、壊れた細胞などが混ざっているため、これを遠心分離機にかけるなどして、純粋で質の高い脂肪細胞だけを選び出します。

この選び出された脂肪細胞を、ボリュームを出したい部位に丁寧に注入することで、自然なふくらみやハリを作り出すのです。

この一連の施術により、脂肪を提供した部位は部分痩せの効果も期待できます。

ヒアルロン酸注入との違い

ボリュームを出す施術としてよく比較されるのがヒアルロン酸注入ですが、脂肪移植とは根本的な違いがあります。

ヒアルロン酸は体内に存在する成分ですが、注入されたものは時間とともに体内に吸収され、効果は一時的（数ヶ月から1年半程度）です。

一方、脂肪移植で注入された脂肪細胞は、一度生着（定着）すると、その細胞が生き続ける限り、半永久的な効果を維持します。

また、ヒアルロン酸は硬さがあり、大量に注入すると不自然な感触になることがありますが、脂肪はご自身の組織であるため、触り心地も自然です。

脂肪移植とヒアルロン酸注入の比較

項目	脂肪移植（脂肪注入）	ヒアルロン酸注入
持続性	半永久的（生着後）	一時的（数ヶ月〜1年半）
材料	自分の体から採取した脂肪	人工的に生成されたジェル状製剤
触感	非常に自然	製剤により硬さが異なる

脂肪注入の適応部位

脂肪移植は、顔から体まで幅広い部位に適用できます。顔では、加齢に伴いコケてしまった頬、額の丸み、目の下のくぼみ、ほうれい線へのボリューム出しに特に有効です。

体では、バストへのボリュームアップ（豊胸）が最も一般的で、自然で柔らかなバスト形成に役立ちます。

その他にも、手の甲の血管やシワを目立たなくしたい場合や、ヒップアップを目的とした注入など、様々な悩みに対応できます。

脂肪移植の主な適応部位と目的

部位	主な目的	期待される効果
顔（頬、こめかみ、額）	エイジングケア、輪郭形成	若々しいハリ、丸みのある立体感
胸（バスト）	豊胸、左右差の修正	自然なボリュームアップ、柔らかい感触
手の甲	若返り	血管やシワの目立たないふっくら感

脂肪移植の大きなメリット

脂肪移植が多くの人に選ばれる大きな理由は、他の注入法にはない独自のメリットを持っているからです。

自分の組織を使用することから生じる安全性と、長期にわたる効果の持続性が特に優れています。

半永久的な効果が期待できる

注入した脂肪が血管から栄養を受け取り、組織の一部として生着すれば、その細胞は体内で生き続けます。

これは、吸収されてしまうヒアルロン酸とは異なり、効果が永続的に持続することを意味します。

一度定着した脂肪は、体重の増減などに伴い変化しますが、その組織自体が消滅することはありません。そのため、定期的な再注入の必要がなくなり、長期的なコストや時間の負担を減らします。

アレルギーや拒否反応のリスクが低い

脂肪移植では、患者様ご自身の細胞を採取して使用します。

自家組織であるため、人工的な異物を注入する際に生じるアレルギー反応や、体が異物と認識して起こる拒否反応のリスクを極めて低く抑えられます。

これは、安全性を重視する方にとって非常に大切なメリットです。

また、しこりや被膜拘縮といった異物反応による合併症のリスクも低減できます。

自然な仕上がりと感触

脂肪は、もともと体内にある柔らかい組織です。そのため、注入した部位が自然な柔らかさを持ち、見た目だけでなく触り心地も非常に滑らかです。

特に顔の繊細な表情筋の動きに合わせてなじむため、動いても不自然な膨らみを感じさせません。

豊胸の場合も、シリコンバッグのような不自然な硬さや境界線がなく、本物のバストと区別がつかないほどの自然な仕上がりを実現できます。

脂肪移植で得られる主なメリット

メリット	詳細	得られる効果
永続性	定着した脂肪は長期にわたり効果を維持	メンテナンスの手間やコストの削減
安全性	自家組織のためアレルギーリスクが低い	体への負担や拒否反応のリスク回避
自然さ	見た目も触感も非常に滑らか	施術を受けたことがバレにくい仕上がり

脂肪移植のデメリットとリスク

脂肪移植は優れた施術ですが、手術である以上、デメリットやリスクも理解しておく必要があります。

施術を検討する際は、期待できる効果だけでなく、起こり得るリスクについても十分な情報を得ておくことが大切です。

定着率に個人差がある

注入した脂肪細胞は、すべてが生き残って定着するわけではありません。血管から栄養を受け取れなかった脂肪細胞は体内に吸収されてしまいます。

この「定着率」には個人差があり、一般的には30%から70%程度といわれますが、体質や注入部位、クリニックの加工技術によって変動します。

定着率が低いと、期待したボリュームが得られず、再度の注入が必要になる可能性があります。

複数回の施術が必要な場合がある

定着率の問題に加え、一度に大量の脂肪を注入すると、中心部の脂肪細胞に栄養が行き渡らず壊死してしまうリスクが高まります。

そのため、医師は定着を考慮し、一度に注入する量を制限します。結果として、大幅なボリュームアップを希望する場合は、期間を空けて複数回に分けて施術を行う必要が出てくることがあります。

これは、施術の総費用や期間が増えることにつながります。

ダウンタイムの期間と症状

脂肪移植は、脂肪採取と脂肪注入という2つの手術を行うため、他の注入施術と比べてダウンタイムが長くなります。

ダウンタイムの症状は主に脂肪採取部位と注入部位の両方に出現します。

脂肪採取部位では、痛み、腫れ、内出血が最も顕著で、特に施術直後から数日間がピークです。注入部位では、内出血や軽い腫れが見られますが、採取部位ほど強い症状は出ません。

完全に症状が引くまでの期間は個人差がありますが、大きな腫れや内出血は1〜2週間程度で落ち着き、むくみが完全に引くには数ヶ月かかることもあります。

脂肪移植の施術を検討する際には、以下の点についてよく確認しましょう。

• 期待するボリュームを得るために複数回の注入が必要か。
• 施術後に起こり得る内出血や腫れの程度。
• 脂肪採取部位の傷跡がどの程度目立たなくなるか。

脂肪移植の主な種類

脂肪移植の技術は日々進化しており、ただ脂肪を注入するだけでなく、いかに良質な脂肪を選び、高い定着率を実現するかに焦点が当てられています。

現在、広く用いられている主な脂肪の加工法には、コンデンスファット（CRF）法、マイクロコンデンスファット法、ナノファット（NANO FAT）法があります。

コンデンスファット（CRF）法

コンデンスファット（CRF）法は、採取した脂肪を遠心分離にかけるだけでなく、ウェイトフィルターという特殊なフィルターを使って、老化・破損した脂肪細胞や不純物（血液、麻酔液など）を物理的に分離・除去する技術です。

このため、良質な成熟した脂肪細胞のみを濃縮（コンデンス）できます。

濃縮された脂肪は定着率が高く、主に胸へのボリュームアップや顔の大きなボリュームロス部分への注入に適しています。

マイクロコンデンスファット法

マイクロコンデンスファット法は、CRFで濃縮された脂肪をさらに細かく砕き、粒子のサイズを微細化したものです。

細かくすることで、注入する際に皮膚の薄い層や、より繊細な部位に均一に注入しやすくなります。

顔の細かなシワや、目の周りなど、デリケートな部位の凹みを修正するのに適しており、より滑らかで自然な仕上がりを目指します。

脂肪の生着に必要な栄養素を受け取りやすくする効果も期待されています。

ナノファット（NANO FAT）法

ナノファット（NANO FAT）法は、脂肪から不純物を取り除いた後、さらに特殊なフィルターで脂肪細胞そのものを物理的に押し潰し、液状化させたものです。

この液状成分には、脂肪細胞そのものはほとんど含まれていませんが、幹細胞や成長因子といった細胞の修復や再生を促す成分が豊富に含まれています。

ナノファットは、ボリュームを出すというよりも、皮膚そのものの質（ハリ、ツヤ、小じわなど）の改善や、色素沈着の改善といった「肌の再生医療」的な効果を目的として使用されます。

他の脂肪注入と組み合わせて使用することで、肌質改善とボリュームアップの両方を実現することも可能です。

注入部位や目的に応じて、これらの加工法を使い分けることが、満足度の高い結果を得るために重要です。

適切な方法を選ぶことで、定着率が高まり、より美しい仕上がりにつながります。

主な脂肪加工法の違いと特徴

加工法	主な特徴	適した注入部位
コンデンスファット	良質な脂肪を濃縮し定着率を高める	バスト、頬、額などボリュームが必要な部位
マイクロコンデンスファット	脂肪粒子を微細化し均一に注入	目の下、ほうれい線など繊細な部位
ナノファット	脂肪細胞を潰し幹細胞などを抽出（液体）	肌質改善、小じわ、目の下の色味改善

脂肪移植の具体的な流れ

脂肪移植は、脂肪吸引と脂肪注入の2つのパートから構成される手術です。カウンセリングから術後のケアに至るまでの一般的な流れを解説します。

カウンセリングとデザイン

施術は、まず医師との綿密なカウンセリングから始まります。患者様が希望する仕上がり、どの部位から脂肪を採取するか、過去の病歴やアレルギーの有無などを詳細に確認します。

特に重要なのは、注入する部位のデザインです。顔の場合、顔全体のバランスや骨格に合わせて、ミリ単位で注入量をシミュレーションします。

患者様の希望を踏まえつつ、自然な仕上がりになるように専門的な視点から適切な提案をします。

ここで疑問点や不安をすべて解消することが、後悔のない施術につながります。

脂肪採取から注入までの手順

施術当日、まず脂肪採取部位に局所麻酔を施し、カニューレという細い管を挿入して脂肪を吸引します。

脂肪吸引には、体への負担を最小限に抑えるため、極細のカニューレを使用したり、特定の振動や水流を利用したりする様々な技術があります。

採取した脂肪は、直ちに血液や麻酔液、古くなった脂肪細胞などを除去・濃縮する加工を行います。この加工の質が脂肪の定着率を大きく左右します。

加工を終えた良質な脂肪細胞は、注入部位にデザインに従って慎重かつ均一に注入されます。

注入時には、しこりになるリスクを避けるため、一箇所に固めず、多層にわたって少量ずつ行うことが一般的です。

術後の経過とケア

手術が終わると、脂肪採取部位には圧迫着を着用し、止血と腫れの抑制を図ります。注入部位は、触ったり強くマッサージしたりしないように注意が必要です。

術後の主な経過としては、内出血や腫れが数日から1〜2週間程度続きますが、これは自然な治癒の過程です。

クリニックから処方された痛み止めや抗生剤を指示通りに使用し、安静に過ごすことが大切です。

また、脂肪の定着を促すため、注入部位を温めすぎたり、逆に過度に冷やしすぎたりする行為は避けるように指導されます。

クリニックによる定期的な検診を受け、経過を確認します。

脂肪移植の施術時間と一般的なダウンタイム

工程	所要時間の目安	ダウンタイムの症状
カウンセリング・準備	30分〜1時間	なし
脂肪採取・加工	1〜2時間	採取部に腫れ、内出血、筋肉痛のような痛み
脂肪注入	30分〜1時間	注入部に軽い腫れ、内出血

脂肪移植にかかる費用相場

脂肪移植の費用は、注入する脂肪の量や注入部位、そして脂肪の加工方法によって大きく変動します。

費用の一般的な相場と、内訳、クリニック選びと費用の関係について解説します。

施術部位ごとの費用目安

脂肪移植の費用は、顔への注入と胸への注入で大きく異なります。顔への注入は、デリケートな部位への少量多層注入が求められるため、比較的細かい単位での料金設定になります。

一方で豊胸術は、注入量が多くなるため総額が高くなる傾向があります。

一般的に、顔の注入は1部位あたり20万円から50万円程度が目安ですが、額や頬など複数の部位を組み合わせるセット料金を設定しているクリニックもあります。

豊胸術は、50万円から150万円程度が相場となります。

脂肪移植の部位別費用目安

注入部位	一般的な費用目安（総額）	特徴
顔全体（額・頬・こめかみなど）	40万円〜80万円	複数のデリケートな部位を同時に整える
目の下（クマ・くぼみ）	20万円〜40万円	非常に微細な注入技術が必要
バスト（豊胸）	70万円〜150万円	注入量が多く、加工技術が結果を左右する

費用の内訳（採取・加工・注入）

脂肪移植の費用は、単に注入する料金だけでなく、以下の要素で構成されています。

• 脂肪採取費用: 脂肪吸引を行う部位と量によって決まります。
• 脂肪加工費用: CRF、マイクロ、ナノファットなど、脂肪を精製・濃縮するための特殊な技術や器具を使用するための費用です。質の高い加工法ほど、費用が高くなる傾向があります。
• 脂肪注入費用: 注入する部位と量によって決まる基本的な施術料金です。
• 麻酔代: 脂肪吸引と注入に使用する麻酔（局所麻酔、静脈麻酔、全身麻酔など）の費用です。
• その他: 術後の薬代、圧迫着代、定期検診代などが含まれることがあります。

総額費用には、これらの内訳すべてが含まれているか、あるいは別途必要となるのかを事前に確認することが大切です。

クリニック選びと費用の関係

脂肪移植の費用はクリニックによって大きく異なりますが、単純に安いクリニックを選ぶのは避けるべきです。

費用が安い場合、未熟な医師が施術を行ったり、脂肪の加工に古い技術を使っていたりする可能性があります。

逆に、極端に高額な費用が設定されている場合もありますが、高ければ必ずしも技術が高いとは限りません。

重要なのは、費用と技術のバランスを見極めることです。

経験豊富な医師が在籍し、最新の脂肪加工技術（CRF、ナノファットなど）を採用しているか、そして術後のアフターフォローが充実しているかを総合的に判断しましょう。

費用対効果を考えると、実績が豊富で信頼できるクリニックを選ぶことが、最終的な満足度につながります。

脂肪移植の成功を左右する大切なポイント

脂肪移植は、単なるボリュームアップではなく、定着率と仕上がりの美しさが成功の鍵を握ります。施術を受ける前に、特に重要となるポイントを押さえておきましょう。

定着率を最大限に高めるために

脂肪の定着率は、注入する脂肪の質と、注入後の環境によって決まります。

質の高い脂肪を選ぶためには、採取した脂肪から不純物を徹底的に取り除く「脂肪の精製・濃縮」技術が極めて重要です。

また、注入時には、脂肪を塊で注入するのではなく、毛細血管から栄養を受け取りやすいように、細かく分散させて多層に注入するテクニックが必要です。

患者様自身ができることとしては、術後1ヶ月程度の喫煙や過度な飲酒を避けることが挙げられます。

特に喫煙は血管を収縮させ、脂肪への栄養供給を妨げるため、定着率を大きく下げてしまうことから注意が必要です。

医師の技術と経験の重要性

脂肪移植は、脂肪吸引、脂肪の加工、脂肪注入という3つの高度な技術が組み合わさって初めて成功します。

特に、脂肪注入は注入量のわずかな違いで仕上がりが大きく変わるため、繊細な美的感覚と豊富な経験が必要です。

顔への注入では、「どの層に」「どのくらいの量」を「どのように」注入するかを正確に見極める医師の判断力が大切です。

クリニックを選ぶ際には、脂肪移植の実績が豊富で、術前後の症例写真を多く公開している医師を選ぶことが重要です。

また、ただ注入するだけでなく、患者様の要望に対して医学的に適切なデザインを提案できるかどうかも判断基準となります。

ダウンタイム中の過ごし方

定着率を高め、合併症のリスクを減らすためには、ダウンタイム中の適切な過ごし方が大切です。脂肪採取部位には、医師の指示通りに圧迫着を着用し、腫れや内出血の軽減を促しましょう。

注入部位は、触ったり揉んだりする行為は絶対に避けてください。注入された脂肪が動くと定着の妨げになる可能性があります。

激しい運動や長時間の入浴、サウナなど、体温を急激に上げる行為は、腫れを悪化させる可能性があるため、術後しばらくは控えましょう。

また、睡眠時も注入部位を圧迫しないように、寝る姿勢に注意を払う必要があります。

ダウンタイム中に現れる症状は、体質によって異なりますが、もしも異常な痛みや腫れ、発熱などがあった場合は、すぐにクリニックに連絡し、指示を仰ぐことが大切です。

施術後の満足度を高めるポイント

施術後に期待通りの結果を得て、満足度を高めるためには、施術前の準備と術後のフォローアップが欠かせません。

定着後の経過と注意点

注入した脂肪は、術後3ヶ月から6ヶ月をかけて定着します。この期間が経過し、ボリュームが安定すれば、それが最終的な仕上がりと考えられます。

定着後の脂肪は、ご自身の他の脂肪組織と同じように、体重が増えればボリュームが増し、体重が減ればボリュームも減る性質を持ちます。

そのため、急激な体重変化は避けることが、安定した状態を保つ上で重要です。

アフターフォロー体制の確認

施術後の不安や、万が一の合併症に備えて、クリニックのアフターフォロー体制が充実しているかを確認することは重要です。

脂肪移植では、しこり（石灰化）や、左右差が生じるなどのリスクがゼロではありません。

これらの合併症が発生した場合に、無料で再手術や修正を行ってくれる保証制度があるかは、クリニック選びの大きな判断材料となります。

また、術後の経過観察を定期的に行い、患者様の不安に寄り添ってくれる体制があるかどうかも確認しましょう。

理想とする仕上がりイメージの共有

医師との間で理想とする仕上がりのイメージを具体的に共有することは、満足度を高める上で非常に重要です。

抽象的な表現ではなく、過去の症例写真などを見ながら、「このくらいの丸みが欲しい」「この角度のふくらみが理想」といった具体的な情報を伝えることが大切です。

また、カウンセリングの際に「なぜ脂肪移植を希望するのか」という動機や、「どこまでダウンタイムを許容できるか」といったライフスタイルに関する情報も正直に伝えることで、医師はより患者様に合った施術計画を立てられます。

よくある質問

脂肪移植に関する施術後の不安や疑問について、特に頻度の高い質問とその回答をまとめました。

脂肪移植後、しこりになることはありますか？

注入した脂肪が定着せず、塊になってしまうとしこり（石灰化）になるリスクがあります。

これを防ぐためには、良質な脂肪だけを選別・濃縮する技術、そして脂肪を少量ずつ多層にわけて均一に注入する医師の高度な技術が必要です。

万が一しこりができた場合でも、多くは時間の経過とともに小さくなりますが、気になる場合は除去手術で対応します。

脂肪移植は一度で完了しますか？

一度の施術で満足いく結果が得られるケースもありますが、大幅なボリュームアップを希望する場合や、定着率が低い方、またデリケートな部位への注入では、複数回に分けて行うことが一般的です。

これは、一度に大量に注入すると脂肪の定着が悪くなり、結果的にしこりのリスクを高めてしまうためです。

最終的な仕上がりを考慮し、医師と相談して施術計画を立てます。

採取した脂肪はどのくらい使いますか？

採取した脂肪から、不純物を取り除き濃縮して使用するため、採取量すべてが注入に使われるわけではありません。

例えば、顔全体への注入であれば数十cc程度、豊胸であれば200ccから300cc以上が必要となることがあります。

脂肪採取の部位や量、使用する加工法によって必要な採取量は変動します。

脂肪移植の効果はいつ頃実感できますか？

術後、腫れが落ち着くと一時的にボリュームが減ったように感じることがありますが、注入された脂肪が定着するまでには通常3ヶ月から6ヶ月かかります。

この期間を経てボリュームが安定し、最終的な仕上がりとなります。この安定したボリュームが、その後半永久的に持続します。

他人に脂肪移植をしたことがバレることはありますか？

脂肪移植は、自分の脂肪を使うため、非常に自然な仕上がりが特徴です。特に、経験豊富な医師が適切な量を多層に注入すれば、触感も自然で、周囲に気づかれにくい施術です。

ただし、極端に大きな変化を求めたり、注入量が多すぎたりすると不自然に見えるリスクがあります。

自然な変化を心がけ、医師と仕上がりイメージをしっかり共有することが大切です。