顔の脂肪吸引の値段はいくら？頬・顎下など部位別の費用相場と、総額の内訳を解説

「最近、鏡を見るたびに顔の丸さや二重顎が気になる…」「ダイエットしても顔だけ痩せない」。

そんなお悩みを持つ方にとって、顔の脂肪吸引は魅力的な選択肢の一つかもしれません。

しかし、いざ施術を考え始めると、「顔の脂肪吸引の値段は一体いくらなのか？」「頬や顎下など、部位によって費用は違うの？」「提示された金額以外に、総額でいくらかかるのだろう？」といった、お金に関する具体的な疑問や不安が次々と浮かんでくるのではないでしょうか。

この記事では、顔の脂肪吸引の値段に関するそうした疑問に答えるため、部位別の費用相場から、施術料以外にかかる費用の内訳、クリニックによって値段が異なる理由まで、詳しく解説します。

顔の脂肪吸引とは？基本的な知識

顔の脂肪吸引は、カニューレと呼ばれる細い管を用いて、皮下脂肪を直接吸引する施術です。

ダイエットでは落としにくい特定の部位の脂肪を物理的に除去するため、施術後にリバウンドしにくいという特徴があります。

フェイスラインをシャープにしたり、二重顎を改善したりすることで、小顔効果や若々しい印象を目指します。

顔の脂肪吸引で期待できること

顔の脂肪吸引を行うことで、フェイスラインがはっきりし、顔全体が引き締まって見える効果が期待できます。

特に、頬や顎下に溜まった余分な脂肪を取り除くことで、長年コンプレックスだった丸顔や二重顎の改善が見込めます。

また、脂肪細胞そのものの数を減らすため、体重が多少増減しても施術部位のラインは維持されやすいです。

たるみが気になる場合は、脂肪吸引と同時に糸リフトなどを組み合わせる提案を受けることもあります。

施術の対象となる主な部位

顔の脂肪吸引は、気になる脂肪がついている部位をピンポイントで対象とします。ご自身の希望と、医師の診察によって最適な部位を決定します。

顔の脂肪吸引の主な対象部位

部位	特徴
頬（メーラーファット）	笑った時に盛り上がる頬の中央部分の脂肪。
顎下（二重顎）	顎の下に溜まり、二重顎の原因となる脂肪。
ジョールファット	口角の横から下にかけて存在する脂肪。マリオネットラインの原因にも。

これらの部位は、単体で施術することも、組み合わせて行うことも多いです。特に頬と顎下は同時に施術することで、フェイスライン全体のバランスが整いやすくなります。

ダウンタイムとリスクの概要

顔の脂肪吸引は外科的な施術であるため、必ずダウンタイム（回復期間）が発生します。主な症状は、腫れ、内出血、痛み、そして拘縮（こうしゅく）と呼ばれる皮膚のつっぱり感や硬さです。

これらの症状は時間の経過とともに徐々に改善します。

主なダウンタイムの症状と期間

症状	ピーク	落ち着くまでの目安
腫れ・むくみ	術後2～3日	約1～2週間（個人差あり）
内出血	術後1～2週間	約2～3週間で徐々に黄色くなる
痛み	術後2～3日	約1週間（筋肉痛のような痛み）
拘縮（こうしゅく）	術後3週～1ヶ月頃	約3ヶ月～6ヶ月で馴染む

また、リスクとしては、左右差、皮膚の凸凹、引きつれ、感染、神経の損傷（一時的な麻痺など）が考えられます。これらのリスクを最小限に抑えるためには、医師の技術力や経験が非常に重要です。

【部位別】顔の脂肪吸引の費用相場

顔の脂肪吸引の値段は、施術する部位や吸引する脂肪の量、クリニックの方針によって異なります。ここでは、代表的な部位ごとの費用相場（自費診療・税込）を紹介します。

あくまで目安として参考にしてください。

頬（メーラーファット）の値段

頬の脂肪吸引は、丸顔をスッキリさせたい方や、ほうれい線の上に乗る脂肪が気になる方に適しています。頬の脂肪吸引（メーラーファット）の費用相場は、約20万円～40万円程度です。

クリニックによっては「頬（上部）」「頬（下部）」などと細かく分かれている場合もあります。

顎下（二重顎）の値段

顎下の脂肪吸引は、二重顎を改善し、首から顎にかけてのライン（Eライン）を美しく整えたい方に人気です。

顎下の脂肪吸引の費用相場も、約20万円～40万円程度が目安となります。吸引する範囲によって値段が変動することがあります。

頬と顎下のセット施術の値段

フェイスライン全体をシャープにするために、頬と顎下の脂肪吸引を同時に行うケースは非常に多いです。

セットで施術する場合、単体でそれぞれ行うよりも割安な料金設定になっていることが一般的です。費用相場は、約30万円～60万円程度です。

部位別の費用相場（目安）

部位	費用相場（税込）	備考
頬（メーラーファット）	20万円～40万円	クリニックにより範囲が異なる
顎下（二重顎）	20万円～40万円	吸引量によって変動あり
頬＋顎下セット	30万円～60万円	セットの方が割安な場合が多い
ジョールファット	15万円～30万円	他の部位と組み合わせることが多い

その他の部位（ジョールファットなど）

口角横のもたつき（ジョールファット）も脂肪吸引の対象となることがあります。この部位は単体よりも、頬や顎下と組み合わせて施術することが多いです。

費用相場は約15万円～30万円程度ですが、組み合わせによって総額は変わってきます。

脂肪吸引の値段に含まれる「総額」の内訳

クリニックのウェブサイトなどで提示されている「顔の脂肪吸引〇〇円」という値段が、最終的に支払う総額とは限らないため注意が必要です。

カウンセリング時には、必ず「総額でいくらかかるのか」を見積もってもらい、その内訳をしっかり確認しましょう。

必ずかかる基本施術料

これは、医師が実際に脂肪吸引の施術を行う技術料や、使用する機器の費用など、施術そのものにかかる中心的な費用です。部位や範囲によって変動します。

追加で発生する可能性のある費用

施術料の他に、以下の費用が別途必要となる場合があります。これらが施術料に「含まれている」のか「別途必要」なのかは、クリニックによって大きく異なります。

麻酔の種類と特徴・費用目安

麻酔の種類	特徴	費用目安（別途の場合）
局所麻酔	意識はあるが痛みを感じない。	3万円～5万円
静脈麻酔（リラックス麻酔）	点滴で眠っている間に施術が終わる。	5万円～10万円
笑気麻酔	リラックス効果。局所麻酔と併用。	1万円～3万円

顔の脂肪吸引では、局所麻酔または静脈麻酔を選択することが多いです。リラックスして施術を受けたい場合は静脈麻酔が選ばれますが、その分費用が加算されます。

その他、施術前に行う血液検査などの「検査料」（約5,000円～2万円）も別途必要な場合があります。

クリニック独自のオプション料金

クリニックによっては、より良い仕上がりを目指すためや、ダウンタイムを軽減するために、特定の機器の使用をオプションとしている場合があります。

例えば、「ベイザー脂肪吸引」や「アキーセル」といった特殊な機器を使用する場合、通常の施術料に加えてオプション料金（5万円～15万円程度）が追加されることがあります。

施術後のアフターケア費用

施術後に必要な物品や、術後のケアに関する費用です。

総額費用の内訳例（確認必須項目）

項目	費用目安	確認ポイント
カウンセリング料	0円～5,000円	無料のクリニックが多いか要確認。
検査料（血液検査など）	5,000円～2万円	施術料に含まれるか。
麻酔料	3万円～10万円	希望する麻酔方法の料金。
施術料	20万円～	希望する部位の料金。
薬代（抗生剤・痛み止め）	5,000円～1万円	施術料に含まれるか。
固定具（フェイスバンド）	5,000円～1万5,000円	必須。料金に含まれるか、持込可か。
アフターケア（検診・処置）	0円～	術後の検診が何回無料か。

特に重要なのが「固定具（フェイスバンド）」代と「薬代」です。これらが施術料に含まれておらず、会計時に別途請求されるケースもあります。

また、術後の検診が無料かどうかも確認しましょう。

なぜクリニックによって値段が違うのか？

同じ「顔の脂肪吸引」でも、クリニックによって値段に幅があるのはなぜでしょうか。それにはいくつかの理由が関係しています。

医師の技術力と経験

最も大きな要因の一つが、施術を担当する医師の技術力と経験です。

脂肪吸引は、ただ脂肪を取れば良いという単純なものではなく、顔の解剖学的な知識と、滑らかで自然なフェイスラインを作り出すデザインセンス、そしてそれを実現する高度な技術が求められます。

経験豊富で指名が多い医師の場合、施術料が高めに設定されていることがあります。

使用する脂肪吸引の機器

クリニックが導入している脂肪吸引の機器によっても値段は変わります。

従来のシリンジ（注射器）を使った手動の方法から、特殊な超音波や振動を利用して脂肪を柔らかくしてから吸引する機器まで様々です。

使用機器による特徴の違い（一例）

機器の種類	特徴	値段への影響
ベイザー脂肪吸引	超音波で脂肪を乳化。タイトニング効果も。	高価になる傾向
アキーセル	高周波（RFAL）で脂肪を吸引・熱で引き締め。	高価になる傾向
シリンジ法（手動）	医師の技術が重要。丁寧な吸引が可能。	機器代はかからない

高性能な機器は導入コストが高いため、それを使用する施術の値段も高くなる傾向にあります。

ただし、どの機器が優れているかは一概には言えず、医師がその機器をいかに使いこなすかが重要です。

クリニックの立地と設備

クリニックの立地も値段に影響します。都心の一等地にあるクリニックは、地方のクリニックに比べて家賃などの運営コストが高くなるため、それが施術費用に反映されることがあります。

また、内装や設備の充実度、広告宣伝費なども価格設定に関わってきます。

アフターフォロー体制の違い

施術後のアフターフォローの手厚さも値段の違いに繋がります。

術後の検診が何度でも無料であったり、腫れや拘縮を早期に改善するための高周波温熱療法（インディバなど）が施術料に含まれていたりする場合、その分、費用は高くなる可能性があります。

逆に、術後のケアが最小限の場合、値段は抑えられるかもしれません。

値段だけでクリニックを選んではいけない理由

顔の脂肪吸引の値段は重要な判断材料ですが、費用（値段）の安さだけを基準にクリニックを選ぶことは推奨できません。

顔は非常にデリケートで、他人の目にも触れやすい部位だからこそ、慎重なクリニック選びが重要です。

安すぎる場合の注意点

相場と比べて極端に値段が安い場合、何らかの理由があると考えられます。

例えば、経験の浅い医師が施術を担当する、安全管理に必要な設備や人員を削減している、提示価格は最低限で実際には高額なオプションを勧められる、といった可能性です。

安い料金に惹かれて契約した結果、満足のいく結果が得られなかったり、トラブルになったりするケースも存在します。

失敗や修正のリスク

医師の技術が未熟な場合、脂肪の取りムラによる皮膚の凸凹、左右差、脂肪の取りすぎによる頬のこけ、神経損傷による麻痺など、深刻な失敗に繋がるリスクが高まります。

顔の修正施術は非常に難しく、費用も高額になりがちです。最初の施術で確かな技術を持つ医師を選ぶことが、結果的に費用と身体的・精神的負担を抑えることに繋がります。

医師との相性とカウンセリングの重要性

値段が安くても、カウンセリングが流れ作業で、あなたの希望や不安をしっかり聞いてもらえないようなクリニックは避けるべきです。

顔の脂肪吸引は、あなたが「どのようなフェイスラインになりたいか」というイメージを医師と正確に共有することが成功の鍵です。

カウンセリングで親身に相談に乗ってくれ、リスクも含めて丁寧に説明してくれる、信頼できる医師を見つけることが何よりも大切です。

クリニック選びで値段以外に確認すべき点

確認項目	チェックポイント
医師の経歴・症例	脂肪吸引の経験は豊富か。症例写真は自然か。
カウンセリング	丁寧か。リスク説明はあるか。医師が直接行うか。
アフターフォロー	術後の検診やケア体制、緊急時の連絡先はどうか。
総額の見積もり	追加費用が発生しないか、内訳は明確か。

費用を抑えるためのポイントと支払い方法

安全性を最優先しつつも、費用はできるだけ抑えたいと考えるのは自然なことです。

ここでは、費用負担を軽減するためのいくつかの方法と、支払い方法について解説します。

モニター制度の活用

多くのクリニックでは、施術前後の写真や動画、体験談などを広告（ウェブサイトやSNS）に使用することを条件に、通常価格よりも安い値段で施術を受けられる「モニター制度」を設けています。

割引率はクリニックや公開範囲（顔全体を出すか、目元を隠すかなど）によって異なりますが、費用を大幅に抑えられる可能性があります。

ただし、プライバシーの観点から、条件をよく確認して納得した上で利用しましょう。

キャンペーンや割引の確認

クリニックによっては、期間限定のキャンペーンや、特定の条件（セット施術、友人紹介など）で割引を行っている場合があります。

クリニックの公式ウェブサイトやSNSを定期的にチェックしてみると良いでしょう。

ただし、キャンペーン価格に飛びつく前に、なぜ安いのか、通常とサービス内容に違いはないかを確認する冷静さも必要です。

医療ローンの利用について

顔の脂肪吸引の費用はまとまった金額になるため、一括での支払いが難しい場合もあるでしょう。多くのクリニックでは、信販会社と提携した「医療ローン（メディカルローン）」を利用できます。

これは、施術費用を分割で支払う方法で、月々の負担額を抑えることができます。ただし、審査があり、金利（手数料）が発生します。

返済計画をしっかり立てて、無理のない範囲で利用することが大切です。

支払い方法の種類

支払い方法	メリット	デメリット
現金一括	金利や手数料がかからない。	まとまった資金が一度に必要。
クレジットカード	ポイントが貯まる場合がある。分割払いも可。	分割・リボ払いは手数料がかかる。
医療ローン	月々の支払いを一定額にできる。	審査が必要。金利（手数料）が発生する。

保険適用はされるのか？

顔の脂肪吸引は、美容を目的とした施術（自由診療）であるため、公的医療保険（健康保険）は適用されません。費用はすべて自費負担となります。

この点は、病気の治療とは根本的に異なるため、理解しておきましょう。

施術を受けるまでの流れ

実際に顔の脂肪吸引を受けようと決めた場合、どのような流れで進んでいくのかを解説します。クリニックによって多少の違いはありますが、大まかな流れは共通しています。

カウンセリング予約と相談

まずは、気になるクリニックの公式ウェブサイトや電話で、カウンセリングの予約を取ります。当日は、ご自身の悩みや希望するフェイスラインについて医師に具体的に伝えます。

医師はあなたの顔の状態を診察し、最適な施術方法、期待できる効果、ダウンタイムやリスク、そして最も重要な「総額の見積もり」を提示します。

複数のクリニックでカウンセリングを受け、比較検討することも重要です。

施術当日の準備と流れ

施術日が決まったら、体調を整えて当日に臨みます。当日は、絶食などの指示がある場合もあります。

施術当日の大まかな流れ

時間	内容
来院・受付	最終的な体調確認、同意書の記入、支払い（前払いが多い）。
準備	洗顔、着替え、施術前の写真撮影、医師によるデザイン（マーキング）。
施術	麻酔（局所麻酔または静脈麻酔）、脂肪吸引（約1時間程度）。
休憩・帰宅	麻酔から覚醒後、体調を確認。フェイスバンドを装着し、帰宅。

静脈麻酔を使用した場合は、当日の車や自転車の運転はできません。公共交通機関または送迎で帰宅する必要があります。

施術後の検診と過ごし方

施術後は、クリニックの指示に従ってフェイスバンドによる圧迫固定を行います。これは腫れを抑え、皮膚をきれいに引き締めるために非常に重要です。処方された抗生剤や痛み止めも正しく服用します。

施術後、数日後～1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後などに検診（アフターケア）が設けられていることが一般的です。医師に経過をチェックしてもらい、不安な点があれば相談しましょう。

施術後の主な過ごし方

• 処方された薬を指示通り服用する
• フェイスバンドを指示された期間（例：最低3日間は24時間）装着する
• 飲酒、喫煙、激しい運動、長時間の入浴を控える
• （※指示内容はクリニックによって異なります）

よくある質問

提示された金額以上に追加料金は発生しますか？

クリニックの方針によります。カウンセリング時に提示された見積もりに、麻酔代、検査代、薬代、固定具代、術後の検診代などが「すべて含まれているか」を必ず確認してください。

「見積もり以外にかかる費用は一切ないか」と明確に質問することが重要です。誠実なクリニックであれば、総額を明示してくれます。

修正施術の費用はいくらですか？

修正施術は、一般的に初回の施術よりも高額になる傾向があります。理由として、前回の施術による組織の癒着（ゆちゃく）などで施術の難易度が格段に上がるためです。

費用は状態や施術の難易度によりますが、他院での修正は特に高額になりがちです。初回で満足のいく結果を出すことが、結果的に最も費用を抑えることに繋がります。

脂肪溶解注射との値段の違いは？

脂肪溶解注射は、1回あたりの値段は数千円から数万円と、脂肪吸引に比べて安価です。

しかし、脂肪溶解注射は効果がマイルドであり、満足のいく結果を得るためには複数回（例：5回～10回）の施術が必要です。

そのため、総額では脂肪吸引と同等か、それ以上になる可能性もあります。脂肪吸引は1回の施術で確実な脂肪減少効果を期待できる点が大きな違いです。

カウンセリングは無料ですか？

多くの美容クリニックで、カウンセリングは無料で行っています。しかし、一部のクリニックでは初診料やカウンセリング料として数千円程度かかる場合もあります。

費用をかけずに相談したい場合は、予約時に「カウンセリングは無料か」を事前に確認しておくと安心です。